米長邦雄永世棋聖、プロ入り試験は「視野に入れ」

日本将棋連盟米長邦雄専務理事は13日、アマチュア強豪で知られる瀬川晶司さん(35)から提出されている「プロ嘆願書」の扱いについて記者会見し、(1)試験でフリークラス編入(2)却下(3)三段リーグ入り−−などを視野に入れ、理事会でさらに詰めることを明らかにした。26日の棋士総会に委ねられる。

昨日の瀬川晶司氏に「プロ入り試験」 連盟理事会案で紹介した記事からは、後退した表現となっています。名人戦のさなかの昨日の報道はNHKの先走りだったのでしょうか。

記者会見があったそうなので、他のメディアからも報道があると思われます。記事が出たらまた追記します。

14日追記:結局、他紙から記事は出ませんでしたが、米長邦雄永世棋聖のサイトで発言の要旨が公開されました。14日付のエントリーをご覧下さい。

19日追記:14日付で東奥日報から次の記事が出ていました。将棋界がアマ強豪に門戸開放の動き/伝統の棋界に風穴開くか

これに関連して「将棋ビジネス」考察ノートから1つの文を引用します。

ただ、瀬川さんの加入を別にしても、今後も契約金が減少傾向で推移することを踏まえると、棋士たちはある決断をする時期に来ていると思います。それは、囲碁界と同様、収入の道を「トーナメントプロ」と「レッスンプロ」に分けるということです。

「レッスンプロ」の導入というのは、制度的にいうと対局規定第1条の「公式棋戦の対局が、現役棋士の第一の公務」という文言の削除ということになります。つまり、棋士総会で棋士自身が決断しなければならないわけですね。

これよりも踏み込んだ意見表明を、内藤国雄九段が米長邦雄永世棋聖との対談『勝負師』の中で行っています。

ぼくは、将来的には、棋界はトーナメントプロは減らしてもよい、その代わりにレッスンプロを増やすべきではないか、という考えを持っています。プロ棋士、百何十人全員が名人を目指す、というのは無茶な話で、実際、タイトル戦に残るメンバーは、だいたい決まってしまっているわけです。

だから、トーナメントプロはいまの三分の一でもよろしい。それよりも、一般の人に楽しんでもらうための普及が大切なんじゃないかと。

「普及が大切」。まさにそういうことではないかと思います。

これまで私はこの話題に関しては他の記事を中立的に紹介するなどにとどめ、直接的な意見を述べる機会をあまり作りませんでした。いろいろ考えるのですが、10年先のことを思うと小さな話ではないかという気持ちになってしまうためです。

このままの状況が続けば、内藤九段の提案を実行することを余儀なくされるでしょう。瀬川氏の話題に関連して、「奨励会の意義」がどうだとかフリークラス規定がどうだとかいう話がいろいろ出てきたわけですが、現行制度が持続可能でないならそもそもの前提が成り立ちませんから、議論を組み立てるのが空しくなったというわけです。

将棋界の収入が減少するというのは悲観的な予測であって、そうならないように努力されている方々もたくさんおられます。瀬川氏もそんな一人と思っています。

みなかみさんの「順位戦シミュレーション」

駒音掲示板でおなじみ、みなかみさんの「順位戦シミュレーション」が今年度も始まりました。掲示板システムの都合上すぐに過去ログ行きになってしまうので、説明だけ引用させていただきます。関心のある方は、この書き込みに続く興味深いデータを眺めてみてください。新たな発見があるかもしれません。

順位戦シミュレーション 投稿者:みなかみ 投稿日:2005/05/12(Thu) 15:31 No.5141

今期もどうぞよろしく。最初ですので,初めての方への説明から。

私はプロ棋士のレーティング(ご存知ない方はたとえば
http://members3.jcom.home.ne.jp/ta-higu/shogi/ex-rating.html
をご覧ください)を計算しています。1987年10月に
名人:2900, A:2800, B1:2700,・・・, C2:2400
でスタートし,週間将棋の「対局結果」を自作ソフトに打ち込むものです。順位戦参加棋士に限定し,対フリークラス・女流・アマの対戦は除き,テレビ将棋の結果も含みません。今期当初の持点上位は,過去ログの [4718] でご紹介してあります。なお新規棋士の持点はC2の平均点に設定しています。

現在は名人戦など大きな話題があるので、このスレッドが下に埋もれているかもしれません。ご注意下さい。

レーティングが「真の実力」をどの程度表しているかは議論が絶えませんが、みなかみさんの提示された数字をご覧になると、なるほどと思える部分が多々あるのではないでしょうか。少なくとも、順位戦竜王戦のクラスよりも的確な指標になっているはずです。

渡辺明竜王の居飛車穴熊本、6月中旬発売へ

先月発売された渡辺明竜王の『四間飛車破り【急戦編】』に続いて、『四間飛車破り【居飛車穴熊編】』が6月中旬にも発売される見込みとなりました*1

最近、将棋本について書いていませんが、『四間飛車破り【急戦編】』も購入して読んでいます。私が居飛車党のせいもあるのかもしれませんが、内容が頭に入りやすく書かれているように感じられました。居飛車穴熊は急戦ほどは歴史の蓄積がないので、続刊でそのあたりをどのようにまとめてくるのか期待しています。

目次だけを見ると1冊でこんなに扱うのかと思ってしまうのですが、急戦編でも最初はそう思ったのに読み終えたときには内容の多さを感じなかったことから、次も大丈夫だろうと思っています。

いつも通り、浅川書房の本は即買いする予定です。

*1:ページにISBNが記載されています。これで調べたり言及したりするのにも便利になりました。

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よく集められています。

勝手に将棋アンテナとは別に、こういうのを作ってみたいと思っています。今は時間がとれそうにないので、近いうちにということで。