瀬川晶司四段が退社 プロ専念へ

瀬川晶司四段が3月31日にワイイーシーソリューションズを退社、4月からは純粋にプロ棋士として将棋に専念することになります。

ここのところ瀬川四段関連の記事はさすがに少なくなってきており、記事紹介のタイミングを逃してしまいました。

  • 1月19・20日発売のサンケイスポーツ「真実の日」コーナーに瀬川四段が登場しました。かなり分量が多く読み応えがありました。法学部を目指した理由が書いてあるのが目新しかったように思います。
  • 2月5日発売の「ビッグコミック オリジナル」の「子から親へずっと書きたかった私からの手紙」にも瀬川四段が登場しました。家族がテーマということで他の記事とは違う切り口から書かれており面白かったです。

読む価値のある記事はこのくらいだと思います。それから、瀬川四段関連で3冊ほど本が発売になりました。

1月に日本将棋連盟から出版された『棋士 瀬川晶司―61年ぶりのプロ棋士編入試験に合格した男』は緊急出版的な色合いのある本で、瀬川四段のロングインタビューのほか、関係者のエッセイなどが掲載されています。200ページもない本で価格が1,680円というのはカラーグラビアがあるとしても割高感がありますし、急いで作られた本ですので、瀬川四段のインタビュー以外は特に期待していなかったのですが、それぞれの書き手の思いの熱さは伝わってきました。いろいろある中で、瀬川四段の幼なじみでもある渡辺健弥氏の文章と、藤井猛九段の自戦解説が面白かったです。

それから、個人的に記憶に残ったのは次の部分でした。プロ編入試験第1局の会場で野月七段が設営を手伝ったとき、奨励会時代にイベントの手伝いなどをした経験が生きたという話で、

その経験で、将棋ファンあっての将棋界と思うようになっていた。

棋士になってもその気持ちを忘れたことはないし、今後も忘れたくない。

その気持ちが大切だということ。将棋界にもそういうプロがいるということがわかって救われる思いがしました。

瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか』と『奇跡の一手―サラリーマン・瀬川晶司が将棋界に架けた夢の橋』は3月発売ということで、『棋士 瀬川晶司』を見た上で修正を入れられる時期でした。この2冊についてはまた後日。前者は比較的入手しやすくて、内容も普通にいい本だと思います。

4月9日追記

瀬川本 江戸ぐるめの日々によると、「たぶんもう少ししたら、講談社から決定版が出るはず」とのことです。瀬川四段に関する図書がさらに出版されるのであればそれも購入します。