名人戦契約問題についていろいろ(56)

両社が共催で合意した1日、「連盟から正式な提案は受けていない」と発表したため、連盟は8日、契約交渉を促す文書を両社社長に送付した。両社と連盟の間には想定する金額に隔たりがあるとみられる。中原副会長によると、連盟が示した条件は名人戦契約金各2億円、名人戦振興金各3000万円、普及協力金各1億円で、10月20日に両社に示したという。現在、毎日が単独主催している名人戦の契約金は年3億3400万円。

◆将棋連盟の提示額

・朝日・毎日両社に対し  名人戦契約金 年 各2億円(5年契約)
 名人戦振興金 年 各3000万円(5年間)
 普及協力金  年 各1億円(5年間)
    (小計    年 6億6000万円)
・毎日に対し
 王将戦契約金 年 7800万円以上
・朝日に対し
 朝日オープンに代わる新棋戦契約金 年8000万円

◎両社合計 年8億1800万円

これまでは5年契約を基本とすることになっていましたが、今回の提案の契約年数が何年なのかは記事中に書かれていません。名人戦に関しては5年契約が提案されているようです。

合計6億6000万円というのは、現在の契約金のおよそ2倍ですか。米長邦雄永世棋聖は、コンピュータソフトとプロ棋士の対局は1局1億円だと繰り返していましたし、そういうことなのではないかと思いました。気になるのは、今回初めて出てきた「名人戦振興金」という名目です。名人戦契約金の一部も名人戦の振興に使われるはずですので、それと別の項目を立てる意味がどこにあるのかわかりません。

ところで、11月1日付の日本将棋連盟の文書にある「先日、日本将棋連盟より提示しました契約金ほか総額についても、おおむね了承されたことに感謝いたしております」という部分は、毎日新聞社朝日新聞社から否定するコメントがあったにもかかわらず、あいかわらず残されています。そのままにしておいて大丈夫なのでしょうか。「おおむね了承」というのがよくわかりませんので、そのあたりに解釈の相違があるということなのかもしれませんが。

勘違いしていた部分があったため修正しました。

他紙の記事が出たら改めてお伝えします。