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2016-06-07

| 13:47 | ■を含むブックマーク ■のブックマークコメント

浮世絵は造詣が浅いのだけれど、先日Bunkamura国芳と国貞の展示を先日見てきてすごくエロゲとの親和性を感じた。けどそういう言及してる人あまりいないかも?

浮世絵の有名な人の絵は名前も載っていてエロゲのOPのようだし、国芳浮世絵は一枚絵風、国貞の浮世絵立ち絵風。

なにより一番大きいのは、浮世絵の実寸がちょうどノートパソコンの画面サイズくらい(検索して調べたところ、浮世絵の基本サイズが17インチくらいらしい)という点。

さらに浮世絵は人物画が基本ななめ横を向いていて、エロゲ立ち絵を髣髴とさせる。


あと食事漫画がどんどん増えているし、上を向いて食べるものは食べ物を見せる構図、下を向いて食べるものは食べている人を見せる構図、として上向きと下向きで簡単にわかりやすく大別できるという話も、いつか書こうかしらと思いつつ年単位で時間経ってるかも。


書くとなったら上記の話はちゃんと書きます。

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2015-10-21

エロ漫画よりエロい!"性描写のある"おすすめ一般漫画ランキング【ベスト20】

| 07:51 | エロ漫画よりエロい!"性描写のある"おすすめ一般漫画ランキング【ベスト20】を含むブックマーク エロ漫画よりエロい!"性描写のある"おすすめ一般漫画ランキング【ベスト20】のブックマークコメント

エロい漫画が好きです。けど、いわゆる"エロ漫画"より、一般向けなのにエロい漫画が好きです。

"エロ漫画よりエロい一般漫画"という視点からまとめた記事は前例がないようなので、私が書きます。

ランキング形式でベスト20まであります。作家1人につき1作品縛りで選びました。

全作品傑作です。どうぞ!




20位 佐伯『BOX!』

BOX!  1巻 (ヤングキングコミックス)
佐伯
少年画報社 (2015-04-10)
売り上げランキング: 52,083

エロ漫画出身の作家による、大学生はっちゃけエロコメディ。同種の作品はたくさんあるけれど、エロとコメディと物語のバランスと水準のどちらも抜きん出ている。エロ漫画に帰ってきてもいいから、もっと新作読ませてください。なお同作家によるエロ漫画『よわよわ』は、エロ漫画としては少女漫画っぽさが濃く、このランキングに載せたいくらいすばらしいです。けど成人向けですからねー。




19位 KUJIRA『ガールズノート』

ガールズノート 1 (ヤングジャンプコミックス)
KUJIRA
集英社 (2015-03-19)
売り上げランキング: 4,014

エロい三姉妹のそれぞれの物語を描いた作品。少女漫画寄りの作家がヤングジャンプでエロ多めに描いた結果、少女漫画の絵柄で青年漫画が読めるという嬉しい作品ができました。1巻は物語としてやや散漫でしたが、2巻で幸せな雰囲気で完結して傑作になりました。異性とどうこうする場面より、ヒロインたちが性に関して自問自答するサービスシーンが多い作品。KUJIRAは他の作品もエロ成分多いので良いですよー。




18位 岸虎次郎『冗談だよ、バカだな』

岸虎次郎作品集 冗談だよ、バカだな
岸 虎次郎
太田出版
売り上げランキング: 61,626

洗練された絵柄からスタイリッシュなエロ短編集。スタイリッシュなのでエロ目的で読みにくい面もあるが、すばらしいものはすばらしい。同作家による『オトメの帝国』も傑作です。




17位 松本藍『生きろ!モリタ

26歳童貞M男と女子高生Sの純愛SMギャグ寄り恋物語。ヒロインがいい意味で現実味がない、竹を割ったような勢いのある性格に嫌味のない明るさ。絵柄のエロさは薄いけど、内容の濃さとあいまってちょうどいいバランス。




16位 石田拓実『かわいいかわいい女の子』

かわいい かわいい 女の子 (マーガレットコミックス)
石田 拓実
集英社 (2014-01-24)
売り上げランキング: 90,681

エロ成分多めの少女漫画家である石田拓実の作品中、もっともエロが濃いのが本作。この作品も他の作品も基本的には少女漫画なのに、この作家にはそこら辺の少女漫画とは一線を画する感性が土台にあって、妙な現実っぽい雰囲気が出ているのが魅力。純粋に漫画が上手いというのもある。このランキング中で最も少女漫画らしい作品です。連載中の『トライポロジー』には期待しています。




15位 新田章『あそびあい』

あそびあい(1) (モーニング KC)
新田 章
講談社 (2013-11-22)
売り上げランキング: 8,948

「機会があれば誰だって楽しいことするでしょ?」と言って、ホテル代だけで誰とでもセックスするヒロイン。彼氏ができてもセックスの機会損失はもったいないよね?と考えるヒロイン。衝撃、こんなヒロインが見たかった。全3巻で、すでに完結しています。読んでみてください。




14位 山本中学『繋がる個体』

繋がる個体(1) (モーニング)
山本 中学
講談社 (2015-07-23)
売り上げランキング: 11,147

若い女子といい雰囲気だけど、元カノとモトサヤもあり……と思ったら姉妹丼?!という内容。ほんわかした絵柄で誘惑的な内容なのがすばらしい。登場人物全員とはいかないが、主人公とヒロイン2人がみんな良い人なのが物語自体の雰囲気の良さにつながっています。まだ『繋がる個体』の1〜2巻しか出版していない作家なので、これからさらなる傑作をものすることに期待です。ほとんどセックスまでいかないので、このランキングの中ではエロ要素薄いほう。




13位 渡辺ペコ『にこたま』

にこたま(1) (モーニング KC)
渡辺 ペコ
講談社
売り上げランキング: 64,243

傑作です、読みましょう。同棲カップル漫画ベスト5」をつくったら、確実にランクインするのが本作。地に足の着いたふわふわ感とでも言いましょうか、同棲カップルが性に翻弄される内容ですね。渡辺ペコは『にこたま』以降の作品も悪くはないんですが、エロと物語の両立、そしてその水準を見ると『にこたま』が5段階くらい抜けているんですよねー。それだけ本作がすごいということでもあります。




12位 犬上すくね『アパルトめいと』

アパルトめいと 1 (ジェッツ コミックス)
犬上 すくね
白泉社
売り上げランキング: 9,628

犬上すくね健在、という作品。ファンタジーになると途端につまらなくなくなる作家なんですが、都合の良いカップル日常エロを描かせたら右に出るものはいません。同作家による『恋愛ディストーション』よりも、カップルのおいしいところだけを描いているのが『アパルトめいと』です、物語性は下がりますがエロ純度が高いです。すばらしい作品です。




11位 高野雀『低反発リビドー

低反発リビドー (ゼノンコミックス)
高野雀
徳間書店 (2015-05-20)
売り上げランキング: 60,219

けっこうエロい処女作『さよならガールフレンド』でデビューした漫画家の第2作は、もっとエロ成分多めでしたヤッター!変形4コマ漫画で、いろいろな性的嗜好を淡々と語り合う短ページ完結オムニバス。淡々と語るからこそ醸成されるエロ、というものをわかってる作品。私は『さよならガールフレンド』より本作のほうが好きです。




10位 武富智『C scene 武富智短編集』

武富智の何が問題って、品切れ重版未定だらけなのが問題……だったんですが、最近は電子書籍で読めるようになりましたヤッター!絵柄も上手い、物語も上手い、エロい、三拍子そろった作家の最新短編集、すばらしくないはずがない。眼力のある顔が特徴の絵柄で、根本的に何もかもが上手い作家です。他作品もすべて同作品に引けをとらない傑作ですが、『The Mark of Watzel』だけは微妙かな。EVIL HEART』も史上稀に見る傑作なんですが、ざんねんなことにエロくないです、いや絵柄はエロいですが……。




9位 位置原光Z『アナーキー・イン・ザ・JK

アナーキー・イン・ザ・JK (ヤングジャンプコミックス)
位置原光Z
集英社 (2014-05-19)
売り上げランキング: 11,236

僕たちはあなたの商業誌デビューを待っていた。早くもっと単行本出してください。基本女子高生シモネタを話すだけですが、シモネタの出し方が最高峰です。




8位 日暮きのこ『喰う寝るふたり 住むふたり』

傑作同棲カップル漫画として有名ですね。長期間付き合っているカップルのセックスレスを描いています。作品全体がエロいとまではいかないのですが、こういう生活の中にあるエロというのは貴重。漫画自体がおもしろいのに、そこにエロが溶け込んでいるのがすばらしさですね。同作家による『モンクロチョウ』はエロ描写がっつりたっぷりなんですが、露悪的なだけでおもしろみに欠くんですよねー。




7位 阿仁谷ユイジ『阿仁谷ユイジ短編集 イタイほどかわいい』

BL漫画で有名っぽい(BLは詳しくないのでわからない)阿仁谷ユイジによるNL短編集。阿仁谷ユイジに限らないんですが、BL作家って蕩け顔が上手いんですよね。そしてこの短編集は、そういったBL作家の特質が最も活かされた作品です。純粋な絵のエロさという観点では、横槍メンゴ阿仁谷ユイジが双璧。めちゃエロい上に、女性の描写が極まってます。




6位 御徒町鳩『堀居姉妹の五月』

堀居姉妹の五月(1) (KCx)
御徒町
講談社 (2015-06-05)
売り上げランキング: 34,134

今一番期待しているシリーズ。エロ濃い目の純愛作品としてこれ以上ないすばらしさ。あまりに理想的すぎて、このすばらしさを説明する言葉を私は持ちません。セックス描写が多く、ピロートークも多い作品です。同作家による『ファンタジー』もすばらしいです、こちらはおじさんと女子高生の純愛。必読。どちらの作品も、ド定番から少し外したカップルを描いているのが良い。




5位 雁須磨子『あたたかい肩』

エロ成分濃い短編漫画の名手で雁須磨子。内容のエロさ、すばらしさ、多作さにおいて、二宮ひかる雁須磨子が双璧ですね。絵柄が絶妙でたまにハズレもありますが、基本どの作品もすばらしいです。場面の切り出し方、言葉の選び方など、感性が他と一線を画しています。中でも本作はすばらしいのでおすすめ。何も考えず既刊すべて買ってもいい作家のひとりと言いたいけれど、BLもたくさん出しているので好みに合わせてどうぞ。




4位 横槍メンゴ『クズの本懐』

クズの本懐(1) (ビッグガンガンコミックス)
横槍 メンゴ
スクウェア・エニックス (2013-02-19)
売り上げランキング: 26,642

ランキングに載せる必要ないくらい有名、しかしこの水準でエロい一般漫画は他にないので掲載。一般漫画で最もエロい絵を描くのは横槍メンゴだし、最高水準にエロい物語を描くのも横槍メンゴ




3位 鳥飼茜『先生の白い嘘』

先生の白い嘘(1) (モーニング KC)
鳥飼 茜
講談社 (2014-02-21)
売り上げランキング: 5,018

現在最も新刊が期待できる作家、新刊出たら有無をいわさず買う作家、同時代で読めることをよろこびたい作家が鳥飼茜。そして『先生の白い嘘』。これはやばい。すべてのエロ漫画も含めてランキングをつけたとき、最高のレイプ描写をしている作品の第1位は『先生の白い嘘』です。"女の欲"というものを描いている作品。このランキング記事から1作品だけおすすめするなら『先生の白い嘘』です。男女間のレイプとは何か問いなおす最高傑作。レイプによる歪みと性欲、裸とセックス多め、あけすけな性描写……この作品だけでも読んでほしいです。連載佳境の『おんなのいえ』もエロ成分濃い傑作。




2位 シモダアサミ『mon*mon』

mon*mon (Fx COMICS)
mon*mon (Fx COMICS)
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シモダアサミ
太田出版
売り上げランキング: 61,832

淡々とした絵柄から繰り出されるエロ。私はこれが読みたかった……。デビュー作で完成しているレベルです。何度読んでもヒロインにふんどし履かせたのはすごすぎます。『中学性日記』はおもしろいしエロ要素濃いものの、性をネタにしたライトなエロコメディといった内容。待望の新刊『こんな私はだめですか?』が『mon*mon』に似た内容の作品となっています。




1位 二宮ひかる『アイであそぶ。 二宮ひかる作品集』

アイであそぶ。―二宮ひかる作品集
二宮 ひかる
白泉社
売り上げランキング: 74,338

セックスシーンだけで物語を描ける作家、それが二宮ひかる。そんな作家そうそういないし、その能力を活かしてエロい物語をたくさん描いているのは二宮ひかるしかいません。ストーリー漫画よりは短編集、より凄みが発揮されてます。性描写に構えたところが全くなく、浸り過ぎないモノローグの雄弁なこと。他の作家が同じ話を書いたらエロくない一発ネタのアダルトジョークにしかならないような題材を、少ないページ数でほとんどセックス描写だけなのに、心を穿つ物語にしてしまいます。新刊たくさん出てるのでうれいしです、あとは『二宮ひかるオールコレクション』を再販してくれれば……。




以上になります。

有名すぎる作品やエロと物語が水準に及ばない微妙な作品は削った上でのベスト20です。

エロはいいですよ!参考になればさいわいです。

2015-05-15

4コマ漫画の1ページの構成について(特殊なコマのサイズの4コマ漫画)

| 02:11 | 4コマ漫画の1ページの構成について(特殊なコマのサイズの4コマ漫画)を含むブックマーク 4コマ漫画の1ページの構成について(特殊なコマのサイズの4コマ漫画)のブックマークコメント

北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』がとても良い本です。何がいいって、作者ブログで連載している4コマを読んでいてもあらためて読みたいと思わせるほどに、情報が追加されているのです。

f:id:mp_f_pp:20150515014038p:image

本全体でこのスタイルの4コマで、左側の一言(絵)があって読みでがあります。ここまでの本だとは思っていませんでした、うれしいびっくりです。


私は最近エッセイ漫画を読むようになりましたが、エッセイ漫画の4コマはふつうではないです。

“ふつうの4コマ漫画”というとこういう体裁だと思います。1ページに4コマが2本載っているのがふつうです。

(画像は『ゆゆ式』より)

f:id:mp_f_pp:20150515014041j:image

ですが、エッセイ漫画では『ゆゆ式』みたいに“1ページに4コマが2本載っている”という体裁じゃないものが多いです。

「じゃあ、どういう体裁か?」と言われても、本やシリーズによって全然違います。手探りというか、ウェブで掲載された漫画が多くて、それを本にするにあたり出版社ごとに色々読みやすくなるよう工夫しているのでは?という状況に見えます。


そうした手探りにあって『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』が良い例だとしたら、『言うほどじゃないけど』は悪い例ではないでしょうか。

言うほどじゃないけど

言うほどじゃないけど

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この本は4コマのみではないのですが、例としてわかりやすいです。内容はさて置いても、1ページの情報量が少ないですね、悲しいです。見やすく作っているからこういう配置というわけでもないでしょう。

横長のコマなので1ページに2つ載せることができないサイズの漫画なわけですが、だからと言って中央にドンと載せてそれだけというのは、一枚絵ならそれでもいいんですが。


悪い例の次は、悪いとは言わないけど、言うなれば成功していない例でしょうか。『同居人の美少女がレズビアンだった件。』という漫画です。

この漫画は4コマの横幅が長くて、私は読んでいて凄く違和感がありました。

1ページに4コマが2本という定着したフォーマットは、コマのサイズ的に情報量が多すぎず少な過ぎずの良いバランスになるから定着したのではないでしょうか。この漫画の横長の4コマは、1ページの情報量という点とコマ内の情報量のバランスのせいか、ふつうの1ページに4コマ2本の体裁の漫画より薄められているように感じました。

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4コマのコマ割りについて書かれた記事はいくつもあるようでしたが、上に述べたようなサイズの違う4コマを扱った記事がなさそうなため、ちょっと参照性を高めるために書いておきました。落ちはありません。

2014-08-03

エロクラに『フラテルニテ』を追加/「仰げば尊し」に関連して

| 13:56 | エロクラに『フラテルニテ』を追加/「仰げば尊し」に関連してを含むブックマーク エロクラに『フラテルニテ』を追加/「仰げば尊し」に関連してのブックマークコメント


エロゲクラシックに『フラテルニテ』を追加しました。シューマン作曲「子供の情景 第1曲」と「仰げば尊し」です、公式サイトのムービーで確認できるので見ると良いかもしれません。

子供の情景について、原画家の人が「選曲過程は秘密」と書いておりそれ自体はさておき、原画家が選曲に関わっていたの?という点がやや興味深いです。


さて「仰げば尊し」について。

考えをまとめていないのですが、問題としたいのは「「仰げば尊し」が学校の情景を思い起こさせる曲として機能しているのか?」という点。


最近は「仰げば尊し」を卒業式で歌わないという話もある。そもそも「仰げば尊し」を歌う・歌ったのは小学校?中学校?高校?という点、つまりゲームで「仰げば尊し」を聞かせてどの場面を想起させたいのか。

エロゲ以外でも定番でエロゲでも結構使用されている「仰げば尊し」。製作者の年代で一般的だったから使用されているが、現在20才前後の人などでは一般的でない可能性は?


よしんば「仰げば尊し」が歌われていたとしても、「仰げば尊し」がどれほど印象的な曲であるのか?卒業式で歌われる曲というのはつまり卒業式でしか歌われない曲、卒業式で1度歌ったきりの曲と同義ではないのか?

学校生活において普段から耳にしていた音・音楽という観点からは、ウェストミンスターチャイムがエロゲその他で使用されるのは納得がいく。チャイムの音は毎日聞いていたことだろう。しかし「仰げば尊し」は、おそらく違う。

卒業式の歌として他にあげられる「蛍の光」についてはひとつの場面が思い浮かぶ。下校時の音楽、チャイム代わりとしての使用だ。学校でなく何かしらの営業終了の音楽としてもよく耳にするが、そういう日常的な使用がありそうだ。


そうやって考えて、では学校生活における日常的な音風景をBGMや効果音として使用するべきでは、と考えると、思い浮かぶのは休み時間の雑踏音というか騒ぎ立てるような声だろうか。しかし確かに、子供(小学生、中学生、高校生)が大人数しゃべっており、そこに大人の声など他の騒音(電車の音など)が混じっていないという雑音は、学校以外ではあまりない。

音楽を使用したいとなると、やはり「仰げば尊し」が出てきてしまうのはしょうがないところかもしれないが、「仰げば尊し」に近い曲調であれば他の曲でも意外と代替可能なのではという印象がある。…「ふるさと」とか?


こういう意味でのもうひとつの定番は国歌だと思うけれど、使用例を見たことがないのは自主規制だろうか、それとも普通にだめなのだろうか。替え歌などでそれ自体に矛先を向けるのでなければ、あまり問題があるようには思えないし、色々な文脈とか曲調とか踏まえても使いどころの多い曲ではあるはずだが。

あとは「さくら」。これの使用例が少ないのもちょっともったいない感じ。きれいどころの曲としては良かろうに。

こうして考えていくと「夕焼け小焼け」と「花いちもんめ」を使用している『R.U.R.U.R』の目の付け所がすばらしいように思える。それと『はるまで、くるる。』の「春よ来い」。耳馴染みがあって、小学校あたりを想起させる選曲としては、これらのほうが個人的にはしっくりくる。あとは「通りゃんせ」とかそういうのに向いてる曲だろうに。あと「グリーングリーン」。

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2014-06-21

ひとりで複数の箸を使い分けるとすばらしい

| 22:26 | ひとりで複数の箸を使い分けるとすばらしいを含むブックマーク ひとりで複数の箸を使い分けるとすばらしいのブックマークコメント


ひとりで晩御飯を食べているとき、間違えて取り箸で食べたその瞬間に天啓がきました。ひとりが複数の箸を使い分けると食事の可能性がより広がる。


取り箸は別にして、箸はひとり一膳。それがふつう。しかし、箸をひとりで使い分けるという可能性があることに気づいた。

ナイフ・フォークは使い分ける。皿の内容で大きさや刃の入り方などの異なるものを使い分ける、するとおいしく食べられる。マナーの問題かもしれないが。

箸は、ひとり一膳、取り替えない、使い分けない。よしんば使い分けても、それは食事ごとに変わるくらいで、洋食のコースを食べるようには使い分けない。しかし、しかし、使い分けてもいいじゃないか。考えてみたが、箸を複数使い分けることは、マナー的には問題ない。例えば和食のコースでだって、皿ごとに箸を取り替えるということは忌避感があるわけでもない。


箸を使い分けるとどうなるか、食事がおいしくなる。

自身で気づいたことでは、例えば硬い箸のほうが食材の触感を味わえる。それは口に入れる前、箸でとらえた時点での話である。逆にやわらかい箸のほうが、口当たりというか、口に運んだときの感触がやさしい。つまり、触感が大事な料理では塗り箸を使い、ご飯などやわらかいものでは塗りの無い木箸をなどはありうるだろう。木の素材で使い分ければ可能性は広いし、箸は竹も金属もある。


そもそも、箸を汚さないで食べるという考え方自体もここで考えるべきところであった。汚れるなら複数の箸を使えば良い話だ。それは今なら逆にマナーとして定着してしかるべきほどの話だ。食器を使いまわすことは望ましくない、皿は使いまわさない、ならばその皿をおいしく食べるためには食器も変えるべきであった。


料理に合わせて皿を変えるのは当たり前のあたりまえだ。取り合わせも変わる。

「お好みで〜の塩をつけてお召し上がりください」というのがあるのだから「こちらはお好みで〜の箸をお使いください。少し固めがお好きであれば〜の箸ですとよりおいしくお召し上がりいただけます」とかあっても良い。


料理自体がおいしいかどうかとは別に、根本的な土台だがマナーとしてだめでもないという箸はひとり一膳というところを変えることで、特に外食なんかだと一段高級でおいしいものにできるはず。















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2014-04-08

エロクラっぽい/『クラス全員マヂでゆり?! 〜私達のレズおっぱいは貴女のモノ・女子全員潮吹き計画〜 』

| 19:24 | エロクラっぽい/『クラス全員マヂでゆり?! 〜私達のレズおっぱいは貴女のモノ・女子全員潮吹き計画〜 』を含むブックマーク エロクラっぽい/『クラス全員マヂでゆり?! 〜私達のレズおっぱいは貴女のモノ・女子全員潮吹き計画〜 』のブックマークコメント


この動画の19:20あたりにMBS TRUTHの『クラス全員マヂでゆり?!』のプレイ映像が使われているのだが、20:03あたりから流れるBGMが、何の曲か思い出せないものの明らかにクラシック。ただしこの音楽がゲーム音楽なのか動画製作者が付け加えたものか判断に困る。もしこれが動画製作者がつけたのでないなら、版権切れの録音を使っていそうな雰囲気なのでけっこう興味深いところではあるが。動画がなんなのはご容赦。

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2014-01-23

トゥーランドットのリューのアリアと今の今まで気づきませんでした…………

| 04:46 | トゥーランドットのリューのアリアと今の今まで気づきませんでした…………を含むブックマーク トゥーランドットのリューのアリアと今の今まで気づきませんでした…………のブックマークコメント


崩壊序曲での曲名が"Cold Hearted"となっているBGMはプッチーニの「トゥーランドット」の「氷のような姫君の心も」でしたーーいまきづきましたーー。

納得の曲名でした。

D


こうしてみると、まだわかってない曲で歌っぽいものはまず間違いなく歌なんだろうと思うと…。

エロゲのクラシック/『崩壊序曲』のタイトル画面の曲はプッチーニのオペラアリアでした…

| 04:22 | エロゲのクラシック/『崩壊序曲』のタイトル画面の曲はプッチーニのオペラアリアでした…を含むブックマーク エロゲのクラシック/『崩壊序曲』のタイトル画面の曲はプッチーニのオペラアリアでした…のブックマークコメント


お恥ずかしながら今さっき気づきました。崩壊序曲のタイトル画面で流れる曲はプッチーニオペラつばめ」(La Rondine)のドレッタの夢のアリア("Chi il bel sogno di Doretta"の部分)でした。

ピアノの音色でちょっとゆっくりめの打ち込みになっていて、使用されているのは"folle amore, folle ebrezza"の部分から最後までです。つまり一番の聞かせどころのみ。


自分の記事を確認してみましたが、ガチのオペラ曲をBGMとして使用しているエロゲは『崩壊序曲』しかありません(ヘンデルのLascia ch'io piangaならホワルバ2で使用されている。BGMでなくモチーフとしてなら『Dies irae』で色々ある)。

f:id:mp_f_pp:20140123040805j:image:w640

足にバーコードを付けた縋るような目をしたヒロインの背景で流れる曲がこの曲という……

D

ちなみにこちらのサイトアリアの訳詞があります。



以前からブログの左端で薦めてはいましたが、あらためて、オペラアリアを真正面から使っているエロゲは他にないので、クラシック音楽エロゲ好きな方は『崩壊序曲』をぜひやるべきとおすすめしておきます。一応ね。


崩壊序曲


今になってあらためて聞いても、まだいくつも元ネタがわからない曲がありますが、聴き返しているといよいよやっぱり歌ものをピアノ打ち込みにしているような曲調に聞こえるので、わからないことが非常にまずいことに感じます。きょkyきょkyごげごえごえごえげお


やばい。

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2013-12-07

岡田コウのヒロインの目が「白内障」に見える

| 15:37 | 岡田コウのヒロインの目が「白内障」に見えるを含むブックマーク 岡田コウのヒロインの目が「白内障」に見えるのブックマークコメント

岡田コウの絵は作品を追うごとにけっこう変化しています。twitterで見ていても作者の試行錯誤と改良の試みゆえだろうと伺えます。そんな変化のひとつが「ヒロインの瞳」の描き方です。以前から井ノ本リカ子系の蕩ける瞳を描いていましたが、最近の作品ではその傾向がいっそう強まり、目の中の瞳孔の輪郭線が崩れるような描写が増えています。それ自体はそこまでだめというものではないのですが、その描写が行き過ぎてヒロインが白内障に見える傾向があらわれています。

『好きで好きで、すきで』からヒロインが白内障になることがあったのですが部分的なものかとも考えていました。しかし『せんせいと、わたしと。』でもいっそう顕著に白内障になるし、最近の絵を見ていてもその傾向に変化はないようです。

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(『せんせいと、わたしと。 上』より)


f:id:mp_f_pp:20131207142030j:image

(一番最近の絵。[R-18] 【漫画】「■■同人誌■■ C85新刊サンプル(ニセコイ小野寺さん本)」漫画/岡田コウ@夏日曜A08a [pixiv]より転載)


f:id:mp_f_pp:20131207152629j:image:w640

("白内障 写真"での画像検索結果)


すべての蕩け顔での目が白内障に見えるというわけではないのですが、他の作者の絵に比べて岡田コウは明らかに白内障っぽくなっていると思います。瞳の中が白いから、ハイライトが入りすぎているからというだけでなく、涙の溜まった描写であるとか瞳にハートマークを入れる描写なんかも相まっての結果と考えられます。


岡田コウの絵ってそんなに白内障っぽかったっけ?と読み返してみてもらえたら何よりです。

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2013-11-05

『ツゴウノイイ家族』

| 00:01 | 『ツゴウノイイ家族』を含むブックマーク 『ツゴウノイイ家族』のブックマークコメント

コメントで教えていただいたんですが、BGMが全部クラシックです。ピアノ曲が多めで選曲に独自性があって、エロゲクラシック音楽としてとてもおもしろいです。私も体験版をさっき見たという段階ですが、ぜひ見てみると良いです。BGMはピアノ打ち込みが基本で、ものによってはいかにもシンセサイザーな音色で和音が足されているのもがあって、それがクラシックBGMの独特な無味乾燥さ(みたいななにか)を消そうという意図が感じられておもしろいです。曲目は私だとわからない曲もあるけれど、なんとなくピアノをがっつり弾く人だと全部わかりそうな雰囲気を感じました。

D.drive.『ツゴウノイイ家族』特設サイト


うおーー激しいフェラシーンでラフマニノフ

……

記事を書きながら流していたら、選択肢で画面が止まり激しいフェラ音が切れ目なくループ再生されている場面のBGMがラフマニノフピアノ協奏曲第2番の冒頭とかいうすさまじい組み合わせが。こんな感覚は『崩壊序曲』以来な気がします。すごい。

さんだーさんだー 2013/12/01 11:28 こんにちは。
『ツゴウノイイ家族』は、エンドロールとBGM鑑賞モードの双方で原曲が明記されています。
曲数は少ないのですが、そのぶん(?)ヴォーカル曲が8つも入っていたりします。
エンドロールとBGMモードでは以下のように書かれています。

モーツァルト/ロマンス ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 第二楽章
ドビュッシー/アラベスク 第一番
ショパン/ピアノソナタ 第3番 ロ短調 第二楽章 Op.58
ドビュッシー/夢(夢想)
パッヘルベル/カノン
フォーレ/夢のあとに
サティ/ジムノペディ 第一番
ショパン/エチュード 第4番 嬰ハ短調 Op.10-4
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 第一楽章
マクダウェル/野ばらに寄す

※BGM製作としてクレジットされているのは「Lip on Hip」と「景家淳」。

※「アラベスク」の原曲はピアノ独奏ですがこれはpf+vn版。「カノン」もpf+vn編成。
 その他、細部にいろいろアレンジが入っているのは、お聴きになってのとおりです。

それにしても、ベッドシーンが重々しいラフマニノフだったり清らかなマクダウェルだったり
するのはなかなかショッキングですね……。

mp_f_ppmp_f_pp 2013/12/02 01:01 こんにちは、詳細なコメントありがとうございます。
さっそくコメントを参考に別記事のまとめのほうに曲目を追加させていだたきました。原曲が明記されているのは作品として何よりですね。
クラシック曲のBGMもアレンジが入っている以上全く手間がかからないということは無いでしょう。その上で歌が8曲となると、リソース配分とか作品全体として音楽をどうつくるかみたいな点がしっかりコントロールされているのかなあなどと考えてしまいますね。
ベッドシーンのBGMが特に印象的なのも、逆にそれ意外が他作品での使用も多い曲なので、単にクラシックの有名どころを持ってきたのではなく、ショッキングなのは狙ってのことだと感じさせられます。

さんだーさんだー 2013/12/30 01:14  こんにちは。
 先のコメントに対するお返事と記事反映、ありがとうございました。

 『仏蘭西少女』(PIL、2009)にもクラシック使用がありました。
 ショパンの練習曲「革命」(Op. 10-12)が、野心的な女性キャラクター「織田桐舞子」のテーマ曲のような形で度々使用されます(――BGM鑑賞モードのタイトルでも「革命」と明示されています)。作中には、彼女が実際にこの曲を演奏するシーンもあり、この標題にも言及されます。
 標題音楽における「標題」に対して、音楽の内的論理とは本来無関係である筈の文学的イメージを恣意的に添加するものであって音楽芸術としては不純な要素に過ぎないと断じることは簡単でしょう。
 しかしながら、上記の例のように物語表現や物語上のイメージの表現と絡み合う形で標題音楽が使用される場合、とりわけ物語の中でその標題が明示されつつ使用される場合には、標題音楽の標題およびそれにまつわる逸話群の厚みは、物語表現を彩るうえで非常に有効な手法になり得るのだということを実感させられました。
 つまり、ここでは、「革命」エチュードの"音響"それ自体が担うイメージだけでなく、この曲の標題「革命」という"言語"によって媒介されるイメージ(あるいは意味)もまた、この舞子というキャラクターの野心的な性格や、彼女が物語の中で果たすことになる役割の劇的な性質を、プレイヤーに印象づけるうえで効果的に作用していると思われたからです。
 これは、例えば典型的にはオペラ作品の中に含まれる曲や、それらの曲が他の楽曲の中で使用されたり参照されたりする場合にも、多かれ少なかれ生じている作用だと思います(――有名な例では、「ディアベッリ変奏曲」の第22変奏が『ドン・ジョヴァンニ』を模したことによるユーモラスな効果や、あるいは「幻想交響曲」などが「怒りの日」を取り込んでみせたことによってもたらされたイメージの多層性。これらは、音楽芸術の内的評価の次元でも肯定されるべきものと思います)。
 たいていのPCゲームでは、適当な感情表現の質(「楽しいシーン」「悲しいシーン」「勇壮なバトルシーン」など)に合わせてその都度新規のBGMを作曲(発注)しているものですが、このように既成曲をあえて使うことによって、それにまつわるイメージ群をも引き合いに出してみせるというのは、ゲームBGMのあり方として非常に興味深いものだとあらためて考えさせられた次第です。
 (長文コメント失礼しました)

さんだーさんだー 2013/12/30 16:06 もう一件、伝聞ですが、『遊撃警艦パトベセル』(May-Be Soft、2007)ではサティが使われていたようです。
[ http://www32.atwiki.jp/patobeseru/pages/11.html ]の一番下に、グノシェンヌ第1番が使われていた旨、書かれています。ご参考までに。

mp_f_ppmp_f_pp 2014/01/03 20:12 コメントありがとうございます。いただいた情報を元に記事に項目を追加させていただきました。
コメント拝読して私もあらためて考えましたが、むずかしいですね。

『仏蘭西少女』は「革命」だと明示しているのが大きいですね。それが何かの引用であるとプレイヤーが気づくかどうか、また気づくことによる効果はどのようなものかとか考えます。
ホワイトアルバム2icなどは、様々なクラシック曲を引用しているものの、引用した曲の逸話というようなものはおそらく重要ではなく、知っているような知らないようなクラシック曲を引き散らかすかのように様々に弾いて音楽とともに生きているヒロインが、しがないバンドの主人公と一緒に音楽をつくる、向こうからこちらの音楽にあっという間に寄り添ってくる、といった内容の物語でした。ヒロインは何のクラシック曲を弾いているかは語りません。そうした作品では、クラシックに縁がなさそうな主人公と一緒になって、なんかよくわからないピアノ曲を弾いているくらいに捉えるほうが物語をすっと読める気もします。
何かしらを引用するとなんであれぐっと情報増えますが、それをどこまで読むべきか、また読めるようにつくってるか、などとコメント読んで考えておりました。

いただいたものと似たような話ですと、『人間デブリ』を思い浮かべました。『人間デブリ』はエロパニックサスペンスといった内容でキャラクターはいいように翻弄されるのですが、携帯電話の着信音の効果音が頻繁に流れていて印象的な作品でした。その着信音が明らかにクラシックなものの曲名はわかりませんでした。しかし後に教えていただいところショパンの「葬送行進曲」でした。曲名というかその表題を知ってからは曲を引用したゲーム自体の印象も引っ張られてしまっている気がします。

またコメントの内容とは少しずれますが、ゲームの曲の多くは感情表現や場面設定で作られているでしょうが、ゲームオリジナルのがっちりした標題音楽というようなものがあるとは聞かないのは不思議だと拝読していて思いました。
一枚絵とそこの場面のみのBGMを使用した盛り上げどころとして、一幅の絵のような場面というのはエロゲではよくあると思いますが、そういう場面でのBGMが細かく作られた表題音楽であっても良さそうではあるがやっているという話は聞かないなあと気になりました。

とりとめない返信で失礼しました。また何か使用例等ありましたらよろしくお願いいたいします。

さんだーさんだー 2014/03/12 00:13 たびたび失礼します。

貴サイトでクラシック音楽が「使われている」というのは、どの範囲を考えておられるのでしょうか。
原曲が(ほぼ)そのまま使われている場合はもちろん当てはまるのでしょうが、
原曲の一部のみがサンプリングやコラージュのように取り込まれていたり、
あるいはパロディとしてかなり変形されていたりする場合もあると思うのですが、
どのあたりまでを射程に入れておられるのか、気になりました。

知られている既存の実例としては、たとえば『ONE』の「偽りのテンペスト」のように、
「大部分はべつものだが、一部にほぼまったく同一のフレーズが使われている」という場合もあり、
また、たとえば『幼なじみは大統領』のとある曲のように、
「ヴァルキューレの騎行」にきわめてよく似せてあるが『一応は』べつものな曲もあります。

「クラシック音楽が使われているエロゲのまとめ」では『大統領』の例は載せておられないので、
「原曲そのまま(編曲レベルの改変が多少あるとしても)であること」が条件なのかなあ、と
考えながら拝読しています。いかがでしょうか。

今回このような細かい話を申し上げたのは、そういう境界線上の事例があったためです。
『カルマルカ*サークル』(SAGA PLANETS)のBGM主題-変奏型BGM編成の一つですが、
その中の「まわるライオン」というドタバタシーン向けの曲は、
その曲全体の造形が例の「天国と地獄」の有名な箇所に酷似したかたちになっています。
(ただし、その原曲の部分をストレートにそのまま使っているわけではないのが難しいところです。)

主題-変奏型BGMでは、その性質上/構造上、他の既成曲のパロディを取り込むための敷居がかなり低いので、
ゲーム音楽の技巧的水準が上がれば上がるほど、
今後もこのようなタイプの擬似クラシックBGMが出てくる可能性はあると思います。

このようなパロディクラシックは、たまたまクラシックの領域で培われた語法や
個別クラシック作品の特定のメロディを「応用」しているに過ぎないと捉えるべきなのか、
それともクラシックの文化的蓄積を活用した豊かなゲーム音響表現と肯定的に捉えられるのか。
「クラシックをゲームで使うことの意味は何なのか」という問とも関連しますので、
実例と併せて申し上げました。(長文失礼しました。)

mp_f_ppmp_f_pp 2014/03/15 20:27 コメントありがとうございます。
うまいこと返信しようとかんがえるもむずかしい、そもそもそこまで厳密に基準を考えてなかったというのもあり、まとまりないまま返信いたします。

「天国と地獄」の引用事例であれば、それは「天国と地獄」の引用というより(小学校などのいわゆる)運動会の曲の引用かと思います。そういう曲では、それがクラシック曲であるかどうかはあまり重要でないと考えます(他であれば、例えば宇宙の旅のツァラトゥストラみたいな曲など)。となると、「天国と地獄」の曲がそのまま流れるならまだしもクラシック引用ではあるが、曲が類似した別物であるならそれはパロディではあるけれどクラシックであるかどうかが関係ないところで行われたパロディであり、なら事例として収集するのは面白いけれどクラシック音を使用したゲームというリストにあるとリストの検索性が下がるかなと感じます。

「パロディクラシック」とおっしゃるようなものを分類するなら
1.上記の「天国と地獄」のようにクラシック曲が使われている文化や文脈を自体を引用するような、曲自体がクラシック音楽である意義は薄いもの
2.主題―変奏型などで、クラシック音楽の(文化的な需要が理由でなく単に音楽として)印象的な部分をパロディや引用することで、ゲーム音楽を重層的に作って質を高めることを意図したもの
3.1.と違って曲自体が有名なクラシックを引用するもの
……といった感じでしょうか。
それと、主題変奏などの音楽の形式的とか作り方でクラシック的となるとさらに別の話とするほうがいいかなと。
3.の引用例はおそらく消極的な(著作権が切れてるとかの理由)で、そういうものが多かった中、新しいものになるほど「応用」とおっしゃるような2.の引用例が増えてるかと思います。それで、1.はパロディがたまたまクラシックみたいなのが多くあって、1.であるかどうかは2.や3.と両立するでしょう。となると2.のような応用した使用例が増えて音響表現として肯定的に捉えられる発展となった上で、1.の要素をシナリオ面と合わせて踏まえていてシナリオと密接に関わった音響表現ができるかもなー、みたいにぼんやりと考えています。

さんだーさんだー 2015/02/15 19:32 こんにちは。度々失礼します。
さきのコメントの件、詳しいお返事をありがとうございました。理解の見通しがはっきりして、たいへん
勉強になりました。
今回も私が見つけたクラシック使用作品をおしらせします。どの記事にコメントを付けたらよいか迷った
のですが、引き続きこちらの記事に失礼します。

『空色の風琴』で使われているバッハは、「フーガの技法」のコントラプンクトゥス14(Contrapunctus XIV)
でした。また、「トロイメライ」も確かにシューマンの曲でした。使い方としては、mp_f_ppさんの仰る
「2.重層化」のタイプと言えるでしょうか。古い作品なので、現行OSでは動かなくなっているのが寂しい
ところです。

『SinsAbel』(すたじおみりす、2002)は、「The last decisive battle」の序奏部分にメンデルスゾーン
「結婚行進曲」を使っています。非常に奇妙な異化効果が表出されていますが、基本的には「1.有名な既存曲」
という趣旨でしょうか。

『あるぺじお』(SIESTA、2007)では、リストの「ラ・カンパネラ」が使われていました。難曲の腕試し
として作中キャラクターが実際に弾くシーンです(一枚絵あり)。難曲の代表という意味で、クラシック
文化に寄り添った使い方だと思います。

ネットからの伝聞情報ですが、『セレブ妻』シリーズ(ZION、2008/2011)は、タイトル画面でクラシック
曲を使っているそうです。第一作は「ボレロ」、第二作は「マイスタージンガー前奏曲」(これは公式サイト
のムービーでも確認できます)。音響的にゴージャスさを表すものとして使用しているのかと思われます。

『プリンセスうぃっちぃず』(pajamas soft、2005)では、モーツァルトの「レクイエム」を使っています。
主人公が英雄妄想を繰り広げるシーンで、ドラクロワを模した一枚絵とともに「怒りの日」の冒頭部分が
流れます。数分程度の長さで、弦楽合奏編成(さすがに声楽パートまでは入らない)になっていますが、
わりと雰囲気は出ていました。ちょうどその場面の画像が、公式サイトに載っています。
[ www.pajamas.ne.jp/pricchi/story_m.html ]
ところで、美少女ゲームでも、音響面では既成曲の流用や引用やパロディが多数ありますが、このように
ヴィジュアル面で既成美術作品が参照される例はかなり珍しいように思います。私の知っている例では、
『恋する夏のラストリゾート』(PULLTOP LATTE、2014)が、ユトリロの「ノルヴァン通り」そのものの
構図の一枚絵を出していて、わりと感動しました。もっと直接的な例としては、『カルタグラ』の壁の
額縁にセザンヌの作品が掛かっていたり、『神樹の館』の壁にシスレーの絵が掛かっていたりもします。
『SWAN SONG』のゴッホ風(?)一枚絵は、雰囲気だけ似せているという程度で、特定のどの美術作品に
依拠したというわけではありませんでしたが。プレイヤーが気づかずに見過ごしているものもあるかも
しれませんが、既存「音楽」作品を参照している楽しさと同じように、既存「美術」作品を参照している
ゲームがもっとあっても面白いかなと思います。
このブランドでは、『夏の終わりのニルヴァーナ』(2013)が、BGMの多くがクラシック曲のアレンジだ
そうです。体験版をざっと流してみると、「ユーモレスク」「展覧会の絵」「天国と地獄」「ハレルヤ」
「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」などの超有名曲が多いようですが、web検索してみると、
「ラプソディ・イン・ブルー」もあったようです。いずれも、アレンジとしては原曲のメロディーを
はっきり覗かせながらも全体構成はかなり大きく変化させています。ちなみに、画面演出は相変わらず
とんでもない高水準です。

その他、ストレートな意味でのクラシックではありませんが、『ピリオド』(Littlewitch、2007)は
「夢路より」(p独奏)を使っていました。サントラにも収録されているようです。また、『キラ☆キラ』
(OVERDRIVE、2007)のBGMも、「きらきら星」をベースにした変奏が入っているように聞こえました。
音楽鑑賞モードが無いのでどの曲がどうと確認/説明するのは難しいですが。楽曲をきちんと分析的に
聴ける方のご意見を伺ってみたいです。

mp_f_ppmp_f_pp 2015/02/24 00:25 情報ありがとうございます。返答が遅くなりまして失礼します。きちんと整えてから返信するつもりも、そうするとどんどん遅くなりそうなので一旦コメントのみ返信しておきます。最近はあまり新作の確認等も行えていないので漏れも多いかと存じます。

確認できるものは確認して、後々リストに追加させていただきます。しかしここまで管理ができていない記事としては、なんでしたらご自身で確認された情報は、さんだーさんご自身でまとめられたほうが体裁が整うかもしれないですよね。こちらに情報寄せていただきまして恐縮です。
『キラ☆キラ』などはプレイ済みですが、頂いた内容がもう全然思い出せないため何か返答できる内容が浮かんだらまた後々記事かコメントでお伝えします。私も音楽は専門なものの、楽曲の作成や分析は決して専門ではないので、それなりになるかと思いますが見てみます。

mp_f_ppmp_f_pp 2015/05/26 19:35 さんだーさんからいただいたコメントについて、ようやくやっとリストを更新していたのですが、『SinsAbel』の結婚行進曲は、これはシンフォニックメタルっぽいですね。ゲームのBGMか、あるいは曲単体で聞くかで当然変わるでしょうが、曲だけだとシンフォニックメタルとしてすごく典型的なものなのではないかという印象を受けました。

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2013-06-21

食べ物漫画はおいしい食べ物ばかり。だが『女の子の食卓』はおいしくない食べ物を書いている

| 01:43 | 食べ物漫画はおいしい食べ物ばかり。だが『女の子の食卓』はおいしくない食べ物を書いているを含むブックマーク 食べ物漫画はおいしい食べ物ばかり。だが『女の子の食卓』はおいしくない食べ物を書いているのブックマークコメント

食事をする漫画、料理をする漫画、食べものの漫画が好きです。

なので自分にしっくりぴったりくるものがないか色々読みましたが、このほど読んだ『女の子の食卓』が特に良かったです。『女の子の食卓』がなぜいいかを書くためにいま書いています。


「ぷしゅーーー」の発明と解脱系食マンガの破壊力??「ワカコ酒」(新久千映) | nelja

食べ物・食事が題材の漫画について話をすると「どうおいしそうか」とか「おいしさをどう表現しているか」と言ったあたりに話が落ち着いて行くことが多いかと思います。上のリンク先はその一例です。

めしばな刑事 タチバナ」(…)食マンガにおいて食べるシーンを最小化するという異様な境地に辿り着いた作品

というのはちょっと興味深いですが、やっぱり基本的に食べ物の漫画はいかにおいしそうかという点を深めていっているものが一般的でしょうか。。

おとりよせ王子飯田好実』についてのこのコメント

(…)主役が痛いコに見えて、食事風景も美味しそうに思えなかった。蕩け顔ばっかり出てくるから、だんだんBL本読んでるように感じてきた。

が、そういったおいしさを書く食べ物漫画全般についてなにかと的確だと思います。

最近の食べ物漫画(と書けるほど昔の漫画を知りませんが)ではアへ顔というか蕩け顔というか、主においしいものを食べた時の恍惚の顔の表現力で勝負している作品が多い気がします。『おとりよせ王子飯田好実』以外だと『花のズボラ飯』や『幸腹グラフィティ』などが思い浮かびます。

で、そうでない漫画だと雰囲気とか薀蓄でいかにおいしそうに見せるかという方向になるでしょうか。『孤独のグルメ』とか『美味しんぼ』といった方向性です。しかし無表情で食べてもおいしそう、というのは何かと難しいかと思います。実際の食事ででもおいしいときはおいしいと伝えたほうが的なことをよく聞く気がします。薀蓄だけで無表情なら、ともすると食べ物漫画じゃなくてレシピ本になりそうです。

しかし、薀蓄はキャラクターであって、好きな食べ物おいしいものが人によるとしてどうよるのかということを書く一つの手段みたいなもので、そうした部分で薀蓄の内容面でおいしそうというのとキャラクターが食べるときのおいしそうが一体化してそのキャラクターとその食べ物が具体的になものとして立ち上がります。その時その瞬間にしか存在しないといった言い方が音楽に使われていることがしばしばありますが、食べ物漫画についてもその状況そのキャラクターその食べ物というのがこれしかないというように結びついているものがおいしい・おもしろいものではないでしょうか。

そういう観点から、例えば『おとりよせ王子飯田好実』は題材が読者が実際に取り寄せられる食べ物という点であるためしょうがないことかもしれないがどうしても食べ物とシチュエーションが結びついていなくて極端に言えば何を食べても同じように蕩け顔になっているとすら言えかねない内容なのが残念であるとか、『ワカコ酒』は第1話の時点でなぜ鮭なのかなぜ冷酒なのかその食べ物はなになのかという部分がまったく突き詰められていなくて食べ物に代替不可能性がまったく見えず結果キャラクターと結びついている事実は食べ物に興味が無さそうで食べ物を味わえていないのではないかという不安でしかないのが駄目だろうとか。


……で、食べ物漫画は基本的においしい食べ物・おいしい食事を書くものである。苦い・辛い食べ物を食べることはあってもそれは苦い・辛いとかがおいしいからであって結局はおいしい話であって、悲劇的な物語みたいに根本的にまずい食べ物を食べる(のを読む)ことでカタルシスを得るというのはあまりなさそう。精神的な悲劇とは違い味覚の悲劇は身体的な部分、毒かそうでないかといった意味に直結しているからだろうか。

嫁のメシがまずい」というのがあるが、「嫁のメシがまずい」がぼちぼち話題になることを踏まえても、おいしくない食べ物・料理・食事に関しても読み物になる可能性はあるだろう。そもそも食事は毎回すべてが最高においしいわけではなく、物語も美男美女の幸せと対照的なものを書くこともあれば無個性で凡庸なものを書くものだってあるわけで、性欲についてだってエロくないエロゲーもエロくないエロ漫画もあるが、しかし食べ物漫画についてはほぼすべてがおいしいものを志向しているようである。まずい食べ物が主題の漫画があったら教えてください。


……で、おいしくておもしろい食べ物漫画はなんでおもしろくておもしろくないのはなんでおもしろくないかについて考えると「絵やレシピだけでおいしさを表現するのではなく、おいしい食べ物が状況やキャラクターと必然的な結びつきをもってはじめて相互に生きる。つまりおいしく・おもしろくなる」といった感じのことをつらつら書きました。

しかしここで考えてみると、おいしくない食べ物もまた状況やキャラクターと結びついています。なにも極端に料理が下手で爆発するヒロインがという話ではなく、すべての食事が毎回最高においしいわけではないのですからおいしくない食べ物も物語を孕んでいるはずです。しかし食べ物漫画はおいしい食べ物を志向しなければならないという原則があるかのように、おいしい食べ物の物語ばかりが目につきます。食べ物の無駄にタブーっぽさがあったりすることを思うとおいしくない食べ物だと嫌われやすかったりするのでしょうか。


ともあれそんな感じで、おいしくない食べ物と結びついた状況とキャラクターという部分にまだ見ぬおもしろい食べ物漫画がありそうに思えてきますが、そうした物語を書いている・達成しているのが『女の子の食卓』です。

詳しくはもう『女の子の食卓』を読んでください食べ物漫画では傑作の部類ですという話なのですが、食べ物を題材にした1話完結の少女漫画というのが良かっのか単に作者が凄いのか、感傷的な状況とその切り取り方があまりおいしくない食べ物や食べられなかった食べ物と結びついておいしくないけど気持ち悪くもなくかといって衒いがあるわけでもない自然なおいしくない食事の漫画がそこにありますすばらしいです。おいしい食べ物の話もそれはそれで素晴らしいです。

試し読みがあるので読むほうが伝わるかもしれません。作品紹介 女の子の食卓 | 集英社 Cookie


以上です。

女の子の食卓』と出会えたことがうれしかったという記事でした。






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