エレカシブログ 俺の道

ロックバンド・エレファントカシマシ、宮本浩次ファンブログ

ワインディングロードへの道 Vol.1 木更津編

エレファントカシマシのシングル「ワインディングロード」のPVは見ているだけで歌い手や作り手の情熱が伝わってくるような心の何かが掻き立てられて情熱溢れる面白いPVで、時間あればロケ地行きたかったのですが、やっと今日行ってきました。


ただし、確実に分かっている情報は極めて少ないんです。

・デザインノート Vol.40 森本千絵さん特集内の「ワインディングロード」PVメイキングの記事より。
 『千葉県にある廃墟などをロケーションに行われたシューティングの様子』という記述。

・MUSIC ON TV! GGTV エレファントカシマシ新曲特集にて。ジョージ・ウィリアムズさんによる
 『今ご覧頂いているビデオは千葉県の木更津市で撮影されたようなんですが・・・』というナレーション。

(見逃している情報があるかもしれせん。その他のロケ情報があったら是非お願いします)。


木更津市は千葉県なので、ロケ場所は千葉県木更津市であるととりあえず仮定しました。
そしてビデオを見て、特徴的な地形などから、「ここは山中の窪地、若しくは採石場(跡)なのではないか?」と当たりを付けて木更津市に行ってきました(それ以外これといった有力な情報なし)。


ただ木更津市ってほぼ海の街なんです。地図で見ると山の部分は東部にしかない。ジョージさんのナレーションはもしかしたらPV後半の「海辺でのロケ」を指してるかもしれない、という不安も抱えつつ行ってきました。


ある方のアドバイスにより、最初は木更津市の「真里谷・馬来田」という地域に絞って行ってみる。

かなり山を登っていくと、町原草競馬場跡というのがあったのですが、微妙に違う。そして今日中に他の候補地も回らなければならないので、一旦撤収。


木更津市は山地は少ないので、採石場(跡)やそれっぽい場所を回れば辿り着くのでは無いか?そういう推測の元行ったのですが、どっこい木更津市は合併に合併でかなり広くなっており採石場というのが見渡す限り、かなりの数があるんです。
さらに隣接する君津市と境界が入り組んでおり、実際に車で回ってみると、全部の採石場を巡るのはかなり厳しい状況でした。一個一個「ここは違う」と判断していたらとても一日では無理。


車内でそんな会話をしながら、君津市のある公園で休憩していると、太極拳的な体操をしている方々が5〜6人。
「GoogleMapで探すのも便利だけれど、こういうのは最終的には地元の人の口コミが有力だろうね」ということになり
PVが入ったiPhoneを片手に思い切って聞いてみる。

「この映像を探しているのですが、この近くにこういう場所はないでしょうか?」
「うーん・・・、この映像だけでは分かりにくいね」
採石場か、記事によると廃墟という推測をして探してるんですが」
採石場だとこの辺に沢山あるんだよね。この辺だとあそこの地区にも似たような場所もあるかな。
 ただこういう風景どっかで見たことあるなあ・・・、これ撮影いつぐらい?」
「去年の10月ぐらいですね」
「あれ?去年の秋口だよね?うちの下っ端の若い衆たちがそんな話してたよ。
 『東京からエレファントなんちゃらのロケが来たみたいですよ』って。
 俺そういうの全然わかんないから、『なんだ?東京から象が来たのか?』って返しちゃったんだけど(笑)」
「あはははは(笑)」
「これね、木更津の馬来田っていう地区だと思う。そこは行ってみた?」
「そこ実は今日一番に行ってきたんですよ。(iPhoneの地図と写真を見せながら)こういう場所で」
「そこに草競馬場跡あったよね?昔はここらの集落一つに一つずつくらい草競馬場があって、みんなの娯楽だったんだ。
 近くに何たらっていう廃墟があるんだよ、名前忘れちゃったけど、レンガの廃墟みたいな建物があって
 そこにこういう風景があったと思う、名前出てこないんだけど・・・」
「なるほど!もう一度その地区に行って探してみます」とお礼を言ってその場所を去ろうとすると・・・。
「思い出した!バラディンだ!馬来田のバラディンという乗馬クラブが30年くらい前にあって、そこの廃墟じゃないかな。
 馬来田地区に行って「バラディン」の跡地を聞いてごらん、名前はみんな知ってるだろうから」
「分かりました!ありがとうございます!」

「馬来田のバラディン」というキーワードを貰って、一度は沈みかけていた車内は割と盛り上がる。「これは有力な情報っぽい、少なくとも今まででは一番有力」「ってか若い衆は情報キャッチしてたんだ」等々。逆に「馬来田のバラディン関連情報が無かったら一旦諦めよう、全部の採石場や廃墟を巡るのは無理だ」。「しかし色々地元の人に聞いて『馬来田のバラディン』という手がかりというのは、なんだか生RPGをやっているようだ」確かに。




久留里線馬来田駅は情緒溢れる駅と、電化されていない単線にこれまた情緒溢れる列車が通ってきて、しばし探す時間を忘れて、一車両を見送る)。


さらに馬来田地区に戻って「バラディン」というキーワードを元に聞いてみると、聞いた人みんなその名前を知っている。ただしまず場所が不確定で「あのゴルフ場になった」「ゴルフ場と寺院の間」「ゴルフ場と寺院の裏側」「まだ現役であるはず」。廃墟になった時期も人によって違って、それこそ「30年前になくなった」「10年ぐらい前」「今もあるんじゃないか」。

聞いた情報を元にそれこそゴルフ場から山間部まで色々回ってみたのですが、ヒットする場所には当たらず。時間は夕暮れへと。

「もう一度、コスモスロードという場所から今朝回った馬来田の草競馬場跡に行ってみよう」。


この場所はロケーション的に近いというか、極めて惜しい。千葉県木更津という条件は勿論、草競馬場跡なので「廃墟」という記述とも矛盾しない(建物は何もないんですが)。
また地質もPVに似ていて、山の窪地という条件も一致。まとまった広さがあるのでエキストラの人が多数来ても大丈夫。ただ、映像に出てくる「特徴的な地形」とはどうしても一致せず。カメラの角度とか色々な可能性も含めて歩き回るもどうしても映像との矛盾点が出てくる(というか一致しない、決め手がない)。
最初からわかりきっていたことではあるんですが、このPVには「これがあればここで確定」といったような決め手となるようなものは何も写っていなく、見えないゴールを手探りで延々と探しているよう。


草競馬場跡をウロウロしていると、今朝見当たらなかった看板が見えてくる。

「馬来田」という地名からして、昔は馬産が盛んだったか、馬の往来が多数あったんじゃないでしょうか。
さらに上の人も言っていたとおり、草競馬が各集落ごとにあって、見つかったのはここだけだったんですがまだ沢山の草競馬場があったはず。
そしてこの看板を見ていると、明治時代はこの場所に住民の人が馬を連れて別れを惜しんだ。その石碑には沢山の名前が。



そして戦後は草競馬場として賑わった。ある住民の人に「バラディン」という場所を聞いたところ『懐かしい!昔は山の方に草競馬場があって、何十年か前に行ったことあるのよ。昔は凄い賑わっていてね・・・』。
今はここは「草競馬場跡」として閑散としているけれど、明治時代は馬との別れを惜しんで、戦後は草競馬場跡。
それこそ人生に「ワインディングロード」という上り下りや様々な出会いや別れが待っているように、一見命や感情などないようなこういう土地土地にだって盛り上がりや閑散とする時期がある。ちょっと横には貝塚もあったりして、ここにだって色んな歴史やドラマがある。
もしこの看板のように多目的広場として利用される日が来れば、また盛り上がりを取り戻すかもしれない。人の一生より遙かに長いスパンで、場所・土地というワインディングロードは上がったり下がったりを繰り返して行くんじゃないか。

夕暮れが近づき、タイムリミットが迫る中、この石碑や看板、競馬場跡地を見ていてそんなことを思ってしまいました。


そして日没によりタイムリミット。

本当に木更津市なのか。草競馬場跡なのか、何の廃墟なのか、「バラディン」とは何だったのか?果たしてそこがPVロケ地なのか?
様々な謎を残しつつ一旦終了です。ラストがぼんやりとした結末ですが、そこに至るまでの人との出会いや散策の過程が面白かったです。一日動き回って疲れ切りましたが、帰りの首都高で流れた「ワインディングロード/東京からまんまで宇宙」はいつになく身に染みました。

スペシャルサンクスは今日一日付き合って下さったNさん、Tさん。この二人なくてはここまでのロケ地巡りは成り立たなかったです。一ヶ月前から乗り気で、映像解析を手伝って下さったNさん。「宮本カッパ」を用意してくれたTさん。サイコーに面白かったです。
特に「バラディン」求めて山中を彷徨い歩く時は、二人が居なければ絶対に無理でした。今日は時間切れでしたが、情報集めていつか完成させましょう!

そして木更津市君津市で今日出会った皆様(特に木更津市馬来田地区の皆様)。情報提供して下さった皆様。お忙しい中、皆様丁寧に答えて下さって、またこちらの寒さや時間も心配して下って本当にありがとうございました。一つだけ後悔があるとすれば、上記の公園でバラディンについて教えて下さった方の連絡先を聞いておけば良かった。
こちらのPVロケ地巡りの結果はともかくとしても「バラディン」の今現在についてこの方にお礼と報告がしたいです。いつだって人生は一期一会ですね。


「ワインディングロード」PVロケ地は勿論、馬来田地区やその周辺での草競馬場跡、「バラディン」という場所について情報をお持ちの方、何でもいいのでお気軽にお寄せ下さい。
あとは今月下旬に出るというPAOに何か情報が載ってないか少し期待しています。今日の写真には全部GPS情報を埋め込んでいます。クリックすればGoogleマップで見ることが出来ます。

情報と熱意と時間がかみ合えば、また続編やります。このPVロケ地を探すまでの旅路がまさしく「ワインディングロード」になりそうです。



オフィシャルで公開されているPVはショートバージョンで、肝心の前半が入ってませんが参考までに。