m.r.factory

2008-05-06

[][]初心に戻る

元来、何事にも中途半端な性格なもので、しばらくダメ女で生きようと昨日誓ったばかりなのに、それさえも全うできません。外の陽気に、つい誘われて、つい散歩などしてしまいます。

原宿デザインフェスタギャラリーへ、中川貴雄君の「ママゴト」展を見に行く。中川君は大阪でお世話になった絵描きの1人で、そう言えば去年のポポタムでの個展も見に来てくれた良い人で、良い人が描く絵が「イイ」とは限らないのですが、中川君の描く絵は「イイ」のでした。前に見たときとは違うカラフルなバックの絵も素敵で、その中でも、椅子が並んでいる絵と、鳥笛が並んでいる絵と、小さな花が散らばっている絵が、特に好きでした。

夜、要町近くの銭湯「三立湯」へ。ここは、銭湯マップを買い銭湯巡りをはじめるきっかけになった記念すべき場所。あれからいろんな銭湯を巡り歩いてきた目で見ると、はじめて来たときには気づかなかった所が見えてくる。まず三立湯はでかい。道路の中央にポツンとある停留所をアイランドと表記する英語は粋であると書いていたのは田中小実昌さんだったか。それにならって洗い場の中央にポツンと並ぶカランも島カランと呼ぶことにして、その島カランが通常の銭湯では1列なのに、ここ三立湯では2列ある。湯船も深めと浅めの2つしかないけれど、その浅めの横幅がよその銭湯の倍くらいある。そんなでかい銭湯もでかい故に古さには勝てず、洗い場の中央、男湯と女湯のどちらにも、耐震用というよりも天井が落ちないように、かなり太めの鉄製の支え棒がしてある。洗い場の鏡の位置もかなり下に付いていて、椅子に座ると、自分の胸と腹と股ぐらしか見えず、たぶん鏡というものは顔を見るためのものだと思うのだけれど、全くその用を足していない。かといって常連のおばさま達のように地下に床に座るのも足が疲れるので、仕方なく見たくもない三十路女の疲れた肉体を再確認する羽目になる。男湯と女湯の仕切りの壁には、天橋立のタイル絵があり、その上の蛍光灯が並ぶところには造花の派手な花たちがウネウネと絡めてある。ペンキ絵はなく、その場所には、夕暮れの中、南海に浮かぶヨットの写真で、かなり日に焼けてしまって、あまり良く見えない。この古い銭湯でこのセンスはいったい誰のものなんだろうと、しばし悩んでいると、ここのお嫁さんらしき人が「こんばんは。」と愛想よく奥から出てきて、番台に座っているおばあちゃんと交代した。きれいなお嫁さんは、たぶん日本人ではなく、フィリピンとかタイとかベトナムとかの南洋の人で、この人がお嫁に来たときに、ウェルカムの心を込めてこんな飾り付けをしたのかな、と余計な妄想を膨らませる。でも、この造花も、日に焼けた写真も、20年以上は経っていそうな感じで、その割にこのお嫁さんは若すぎる、とまた余計な妄想の海に落ちていく。