m.r.factory

2008-06-01

[][]はたはた2日目

はたはたワークショップ、2日目。今日も朝から夕方まで篭る。子供たちに混ざって、実は大人たちも参加している。子供の付き添いで来たお母さんたち、そしてこの出来た旗を飾らせていただく、商店街の会長さんたち。はじめいやいや言いながらも、描きはじめると、時計台が描きたい、ブランコが描きたい、と欲が出てきておもしろい。お母さんたちの描く絵には、ハート型が飛び散る確立が高いのもおもしろい。なんやかんや言いつつも、最後は大人のほうが集中し、時間ぎりぎりまで絵を描いている。そしてやっぱりちょっとスッキリした顔をして帰っていく。体を使って大きな絵を描くことは、ストレス発散にいいらしい。

たった2日間なのに、なんだか体の節々が痛い。なので銭湯に行こうと思う。夕暮れ時の西池袋千川に向かって歩く。ちょうど進行方向、千川方面が西なので、朱に染まった空を見ながら、缶ビールを飲みながら、歩いていく。有楽町線千川駅のそばの銭湯「要湯」へ。子供の頃、自転車で散歩していて、お城のように立派なこの銭湯を見ている。銭湯マップには、鯉が鑑賞できる和風銭湯、と説明文がある。これは当時のまま、子供のときに見たままかしら、と期待して行くと、マンションの1階にある、今時の銭湯になっていた。

サンダルを脱ぎ、一歩入ると椅子の上に柴犬が寝ていた。ここのアイドル犬らしい。犬の後ろの壁には、この柴犬の写真が何枚も貼られている。頭を撫でると、目を細めてこちらを見る。素直そうないい顔をしている。このマンションの1階で、どこが和風、どこが鯉、と思いながらさらに中に入ると、例えば女湯と男湯の仕切りの壁の上が瓦屋根になっていたり、脱衣所のロッカーの上に木彫りの大黒さまらしきものがいたりして、これが和風なのか。それにしても、このロッカーの上。大黒さまだけでなく、作者不詳のブロンズ像があったり、観葉植物があったり、どこかのお土産品みたいなものがあったり、びっちりと何かが置かれている。なんだか空間が濃い。そして洗い場に入ると、正面にある湯船の後ろの壁、普通ならば富士山のペンキ絵がある場所に、透明のガラスで仕切られた大型水槽があり、その中に大量の鯉がいて、上に下にと泳いでいる。湯船につかりながら泳ぐ鯉が見られるというわけで、説明文に偽りなしだけれど、これはなんというか、すごい、いや、やっぱり濃い。その水槽の横のガラスの中には、本物と偽者の観葉植物が並び、この空間の濃さをさらに引き立てている。

風呂から上がり、銭湯スタンプラリーの紙に判子を押してもらう。番台の上の壁には、昔の要湯の立派な写真。昭和27年に建てられた、檜と桜と紅葉の木をふんだんに使った立派な銭湯だったそうで、マンションの1階になった今も、よく見れば昔の要湯がちょっとずつ顔を出している。番台の前の立派な檜の床。昔の要湯で使っていたもの。もしかしたら、あの大黒さまもそうなのか。あの鯉もか。できればマンションになる前、昔の要湯に一度入ってみたかった。

話好きの番台のおじちゃんは、あそこの銭湯ベンツを持っていて独身だから女の子を紹介したのにダメだった、とか、あそこの銭湯は組合に入っていないから好きな入浴料を設定できる、とか、いろいろと教えてくれる。組合に入っていない銭湯があるんだ。料金も430円じゃないんだ。どこの世界にもアウトローはいる。いつか入りに行ってみよう、と思う。