断片日記

断片と告知

猫の気持ち

部屋と部屋の間に、通行の邪魔になるように寝転がる。弱気な猫たちは、私の頭と壁の間数10センチのところをすり抜け、強気な猫たちは、私の腹の上を越えていく。まるで単なる障害物のように、のしのしと私の体を踏んづけていく。そのまま腹の上で寝転がり甘える猫もいる。子猫ならまだしも、大きな猫だとその体重がちょっとしんどい。すいませんね、と声をかけつつずりずりと腹の上から猫を下ろす。大して不満そうな顔もせず、そのまま私の体の横に寝転がる。この暑いのに、なぜさらに暑くなるような場所で寝るのだ。猫の気持ちがよくわからない。
あんなに呼んでも来なかったくせに、気づくと隣に座っている。にゃー、とこちらの顔を見て鳴く。何を言いたいのか、その目玉を覗き込むが、さっぱりわからない。ご飯もあるぞ、お水も新鮮、後はなにが足りないのか。寂しいのかしらと体を撫でると、するすると離れていく。猫の気持ちがよくわからない。