断片日記

断片と告知

外市2日目

ポカポカと晴れて「外市」2日目。昨日の寒さと強風はどこへやら、往来座前のベンチに座って日を浴びていると、暖かくて眠たくなる。いつもは土曜日のほうが混むのだが、今回は天候のせいか日曜日のほうがお客さんが多い。往来座そばの東京音大の学祭の日と重なったからかもしれない。いつもと違った人たちが明治通りを歩き、何をしているのかしら、と珍しそうに古本の棚を覗いていく。その中でも、女性のお客さんが必ず立ち止まって見ていくのが、今回初参加の雑貨屋「ハチマクラ」さんの棚だ。紙モノ、古紙を中心にセンスのいい文房具が並び、目に留めたら最後、みんな必ず何かを買って行く。乙女ホイホイというものがこの世にあるならば、まさにこれがそうに違いない。旅猫雑貨店の和雑貨とハチマクラの洋雑貨、そして上り屋敷のガラクタたちで、古本に興味のない人たちも立ち止まり、楽しそうに棚を見ていく。「外市」は、古本好きの人たちだけでなく、近所の人、通りすがりの人など、いろんな人たちに楽しんでもらえるイベントだ。天候に左右されやすいけれど、こうして往来でやることには意味がある。どこかのビルの中とか、ナントカ会館とかでやる古本市にはない出会いと楽しさが「外市」にはある。
塩山さんがピッポさんに怒られてしょげている姿を見て笑う。吉祥寺の藤井書店の3代目・リボー君が、AV男優兼漫画家の平口広美さんにそっくりなことが塩山さんの指摘により判明して笑う。ちょうど出展者の「にわとり文庫」さんの箱に平口広美の漫画『社会的責任』が出ていて、その著者近影写真を見ると本当にそっくりなので、さらに笑う。田舎に行けば平口広美で通じるぞ、と塩山さんに言われているリボー君を見てまた笑う。それを嫁にメールで報告しているリボー君がまた可笑しい。古書現世の向井さんに間接技のかけ方を習う。こうやって、と腕をつかまれてひねられるが、間接が柔らかいらしく、さして痛くもない。その柔らかさを認められ、グレイシー柔術をやれ、と言われるが、あんまりやりたくない。
6時で「外市」は終わり、いつものように撤収作業。もう11回目なので、その作業の早いこと。そしてそのまま打ち上げ会場の居酒屋へ。店内放送と延々と流れるロッキーのテーマ曲に、うるせー、と塩山さんがキレている。今日はあんまり暴れなかったね、と店を出た後、魚雷さんに言われる。
2日間で、もっといろいろあったはずなのに、楽しいことほどうまく書けない。