m.r.factory

2009-01-04

[]レンブラント光線

車窓から銭湯の煙突が見えるととてもうれしい。いつかその銭湯に入りに行こうと考えることもまた楽しい。そんな銭湯のうちの1つ、西武池袋線練馬駅そば銭湯「日乃出湯」へ行く。入り口の屋根にある、古い銭湯ではお馴染みの装飾「懸魚(げぎょ、と読む)」。木製で、鶴や亀、七福神の誰か、波や松、と縁起のいいものが彫られているのはよく見るが、ここ「日乃出湯」はその名のとおり真っ赤な日章旗のような日の出が、漆喰かなにかで作られ、その場所に飾られている。中に入るとロビーがあり、フロントがある。脱衣所に入ると大きな古い3枚羽の扇風機が天井から吊るされている。洗い場の正面、ペンキ絵は女湯では珍しい王道の富士山富士山の裾野の下には湖か何かが広がり、赤白の帆のヨットが浮かんでいる。よく見ると、その湖には逆さ富士が描かれている。逆さ富士、ペンキ絵でははじめて見たと思う。ペンキ絵の下には1センチ四方の細かいタイルで描かれた鯉と金魚のタイル絵があり、とてもかわいらしい。浴槽は、正面の壁から左の壁にぶつかって折れ曲がり「く」の字型になっている。その「く」の小さく出っ張ったあたりは深さ30センチくらいの激浅浴槽になっている。その浴槽を通り抜けるとジェットがあり、その横には泡風呂があり、その横は深めの風呂になっている。かわっているのは、それらの風呂が鉄パイプのようなもので仕切られていること。普通はタイルで作られた仕切りがあるのだが、ここでは鉄パイプが張り巡らされ、そこに水が出る蛇口もついている。工事現場のようでもあるが、なかなか楽しい。昼の2時半、開店直後に入ったので日がまだ高い。換気用の窓からは、光が差し込み、それが湯気で曇る洗い場に光のすじを作っている。練馬銭湯で、レンブラント光線を見ながら湯につかるというのも、不思議なものだ。