断片日記

断片と告知

古書目録

古書目録が家に届く。頭が悪いせいか見慣れていないせいか、文字だけがみっちりと並ぶ古書目録は苦手だ。古書の値打ちが解っていない人間には、この文字列をどう楽しめばいいのかが解らないのだ。
しかし、今日家に届いた目録は違う。薄いブルーの表紙をめくると店主の挨拶があり、書影が掲載されているカラーのページが数枚続く。本の値打ちはわからない。でも絵や装丁やデザインなら見てわかる。この目録は、まず目で見て楽しい。美しい古い本たちに、じぃーっと、見入る。
カラーページが過ぎると白黒のページになる。書名と発行年と値段だけじゃないことに気づく。
例えば「新聞ができるまで」。「小学生文庫 竹田眞夫(寺村輝夫ペンネーム) 長新太・絵 48ページ 長新太、初の単行本。長新太が新聞社の依託のような形で仕事をしていたところへ絵を依頼しにいったのが、当時、児童図書出版社に勤務していた寺村輝夫。」とそこから寺村輝夫の談話が続く。
例えば「某編集者あての書簡」。「・・・の稿料まだ入手しませんが、お忘れか事故かお調べ願えませんか。」と切実な抜粋文が続く。
見るだけじゃなく、読んで楽しめる目録もあるのかと、無知な私は目から鱗。目録を送ってくださった「古本海ねこ」さん、ありがとうございます。この目録、今なら古書往来座で買うことも出来ます。
古本 海ねこ的 日々の暮し