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The Sounds Of Science

2018-05-19

Syd / Fin

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シンセ主体の上物や隙間の多いエレクトリックなビートには

Kelela「Take Me Apart」に於けるJam City等の仕事に通じる感覚がある。

M2のヴォーカル・チョップが効果的なビートや浮遊感のあるシンセ等からは

ベースこそ重くはないがJoker辺りのR&B色の濃いベース・ミュージックを思い出したりもする。


M5の不規則に転がるようなハットやM9の畝るサブベースに鮮烈なスネア

モダンなUSヒップホップのビートの成果(要するにトラップ)の吸収にも余念が無い一方で

スクリュードされた声の反復が異物感を添えるM6

The Internetの同僚であるSteve LaceyによるM10のギター

M12に於けるRobert Glasperが弾くピアノのジャジーな音色にはネオソウル的な質感もあり

宛らKelelaとSolangeの間を行くようでもある。


そう思えば確かにレイジーでいながら官能的な歌声はErykah Baduを彷彿とさせなくもなく

情感を込めて歌い上げられるような瞬間は皆無で

Kelelaのようにややチージーさを感じさせる事も無ければ

SZAのような可憐さを垣間見せる事も無く

その肌理は至って平熱で極めてクールであり

2010年代の「Baduizm」とも表現したくなるような魅力を湛えている。


ほぼ単一の音色による上物に

ヴォーカル、ベースにビートと僅かなサンプルというシンプルな構成で

ボリュームも最近のR&Bにしては珍しく

トータル40分弱というコンパクトさで決して派手さは無いが

例えばMiguelの近作のエコー&リヴァーブ過剰な音像等とは対象的に

隙間の多さがちょっとしたビートの遊びを効果的に際立てており

流石は元Odd Futureのトラックメイカーならではの拘りが感じられる。

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