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なにかあり/とくになし

風呂場の電気はゆっくりとあくびするように明るくなったのだ


ひと風呂浴びようと風呂場の電気を点けたら
バチッと音がして
まっくらになった。


お風呂場の電灯
ご臨終です。


しかたないので
暗闇のまま湯船に浸かり、
ツマに電灯が切れたことを告げた。


仕事を終えて帰宅すると
新しい電灯がもう取り付けられていた。


なんでも使用電力が4分の1になる新型電球だそうだが、
先に風呂を終えていたツマによると
なんだか不思議な明るさで
本を読んだりするには暗いかもねとのこと。


ふむふむと
事情がよく飲み込めないまま風呂場へ(一日二回風呂に浸かる季節が到来)。


ああ、
たしかにこの明るさは不思議だ。
青白いというか
もやがかかってるというか。


しかし
湯船に浸かっているうちに気がついた。


なんかさっきより明るくなってないか?


そうなのだ、
要するにこの電球、
徐々に明るさを増すタイプなのだ。


その、のっそり感が
使用電力に比例しているということなのか。
早く消せば
その分だけ使った電気もすくなくなるってことなのか。


ふわわわ〜っと
あくびをするように
明るさを増し
意識が目覚めていく。


それが省エネ・テクノロジーの成果なのか知らないが、
科学の粋を集めて
寝起きがわるい人間みたいな
ぐうたらな電球を
わざわざ開発したのかと思えてしまい
ちょっと笑えた。