りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

遅い男

遅い男

遅い男

★★★

六十代の独身男ポール・レマンは自転車の事故で片脚を失った。医師は義足を勧めるが、ポールはかたくなに拒否、アデレードの自分のフラットで要介護の暮らしを始める。かつて離婚を経験し、その後は勝手気ままに暮らしてきた。それゆえに、福祉事務所から紹介される介護士たちの年寄り扱い、子供扱いへの苛立ちは募るばかり。彼は人生に絶望しかかっていた。そんな折、ポールのもとにマリアナ・ヨキッチという介護士が送られてくる。仕事熱心で美しいマリアナに、ポールは惹かれていく。だが、彼女には夫と子どもたちが。ポールはマリアナに愛を伝えようと苦心するが、見知らぬ女性作家の出現が彼の人生をさらなる混沌へと導く。ノーベル賞作家の傑作長篇。

60代のポールはある日自転車の事故で片足を失う。
独り暮らしのポールは自分のフラットで生活を始めるのだが、要介護の彼はもう今までのように一人で勝手気ままに暮らすこともままならない。
介護士の助けを借りなければならないのだが、自分のことを赤ちゃん扱いする介護士には我慢がならない。
そんな中で、クロアチア人マリアナという介護士が彼のもとを訪れる。
自分のことを赤ちゃん扱いしたりせず、プロの仕事に徹する彼女に、いつしか惹かれはじめた彼は、どうにかして彼女に心を伝え彼女の家族との関わりをもとうとするのだが…。

前半部分はわかりやすく感情移入もしやすかったのだが、エリザベスコステロが出てきたあたりから、主人公と一緒に「いったいどうしろっていうんだ?」「なんでこいつはここまで介入してくるんだ?」とイライラ。
いやしかしもしかするとエリザベスは想像上の人物なのかもしれない。いやむしろポールの方が作中人物?

イライラしながらもなんだか目が離せずに最後まで読んだんだけど。
…で、結局なんだったんだ?