(337)時代の終わりに(21)・人類が生き残るための気候変動という転轍(3)・カタルーニャ独立が沖縄で叫ばれる日・2018年メルケル首相新年挨拶(追加)


下のlogo!ZDFニュースで見るように、12月21日に実施されたカタルーニャ州議会選挙では、再び独立支持派が勝利した。
既にカタルーニャ州では10月1日にスペインからの独立を問う投票がなされ、9割の賛成で州議会は27日に事実上の独立宣言をしていた。
しかしスペイン中央政府は独立を違憲として州の自治権を停止し、今回の選挙を実施したのであった。
カタルーニャ州での独立の理由は、カタルーニャが18世紀始めまで独立した国であり、スペインとは異なるアイデンティティを持っている事と、カタルーニャ州中央政府に収める税金と配分される財源には開きがあり、州住民の不満が高まっているからだと説明されている。
しかしその根はもっと深く、私には現在の極右化するEU危機と一体に見える。
何故EUが危機に陥っていくかは、グローバル化の進展によりEU参加国の格差が拡大し、EU市民の豊かさが益々奪われて行くからに他ならない。
それは21世紀を前にして、EU市民が経済成長と社会公正の均衡という欧州社会モデルを掲げ、ヨーロッパの隅々まで同じ豊かさを求めていたにもかかわらず(少なくともそれは京都議定書までは機能していたが)、その期待が裏切られたからだ。
すなわち1992年のEU統合を契機にその期待が真逆に進行し、期待の推進力となるべき補完性原理やヨーロッパ地方自治憲章が競争原理最優先の安全弁になり、益々社会の豊かさが失われるだけでなく、ボトム競争が激化しているからである。
それ故にカタルーニャ独立支持派は従来の発想から考えられない右派と左派からなり、東欧諸国では極右独裁政権に左派が呑み込まれていく構図ができあがっている。
しかしそれはEU市民の競争原理最優先の社会(新自由主義)への終わりを告げる鐘でもあり、アメリカの気候変動会議脱退宣言にもかかわらず世界が連帯してパリ条約を守ろうとしたように、またエルサレム首都に対して国連が無効と撤回を決議したように、必ずや欧州社会モデル実現のEU再構築がなされると信じたい。
そして私自身この一年を振り返るとき、沖縄辺野古の座り込みで始まったが、カタルーニャのように声高らかに沖縄が独立を叫べる自然エネルギーによる地域分散社会の到来を、年の終わりに祈りたい。