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ドイツから学ぼう

2019-01-13

(358)ドイツから学ぶ未来(1)ドイツ社会、そして世界を変えるガブリエルの新実存主義



ここ鈴鹿山麓も時々雪が降るが二三日後には融けてくれるので、妙高山麓での凍てつくような寒さのなかで、毎日除雪に明け暮れていた者にとっては本当に有難い新年の始まりである。
もっともそうした有難さも、気候変動の問題として考える時有難さでは済まなくなる。
それは人類に課せられた試煉でもあるが、我国の極めて消極的な姿勢を見ていると、結局絶えず先送りされて、最悪のカタストロフィ到来を考えないではいられない。
しかも戦後「二度と戦争の過ちを繰返してはならない」と国民に誓った公共放送NHKは、この数年変質され続け、今年に至っては既に中旬に差し掛かろうとしているが、この国が今抱える山のような問題を議論する番組さえなくなっている。
まさに国民に考えることを求めない、新年号の新自由主義クライマックス時代の始まりであり、もはや戦前の翼賛社会にタイムスリップしたのではないかと、不安を通り越した思いに駆られる。
そうしたなかでドイツからメッセージは、私にとって未来への希望であり、道標でもある。
前回メルケルの新年挨拶で述べた『なぜ世界は存在しないのか』の著者マルクスガブリエルは、新実存主義を打ち立て評判になっているが、本質的にはドイツ観念論への回帰を求めており、彼自身ドイツ社会で上に載せた倫理トーク(1)などを通して、カント倫理を啓蒙すると同時に、カントの「目的の王国」へと導こうと実践している。
すなわちよき生き方を願う善意思をもつ人格が、お互いを尊重しあう、理想的な道徳共同体「目的の王国」目指し、カントの夢見た永遠平和の世界を希求している。
そのような彼の希求は、下に載せた倫理トークロビー活動を見れば、より具体的に理解できるだろう。



すなわちガブリエルは、道を切り開く若き理論創設の哲学者であるだけでなく、ここでは現在の政治腐敗の元凶である政治家ロビー活動と戦わなくてはならないと明言し、「最も重要なことは、高い倫理的要請を持ち、倫理の下に政治と市場経済にどのように圧力をかけて行くか模索することだ」と強調している。
こうした“よき行い”へと正すガブリエル倫理トークは、既に100近くに上り、現在の新自由主義社会への戦いこそが、彼の唱える新実存主義の生き方とも言えよう。

ドイツロビー活動の腐敗は、私がこのブログを始めた時から私の還暦後のドイツでの4年間の学びを通して書いてきたように、ドイツ統一によって、東ドイツの財宝を求めて押し寄せた新自由主義アメリカ資本が、巧妙に信託公社政治家を買収した時から始まっている。
そして1994年には刑法108条項を改正させ、それまで昼食の接待さえ厳禁とされていたドイツ社会を激変させ、議決に対する直接的便宜のみ有罪に出来ない程政治汚職が合法化され、蔓延して行った。
そうした汚職の蔓延のもう一つの要因は、あからさまなロビー活動容認であり、シュレーダー政権誕生前のコール政権で、国益追及を名目として大企業の300人にも上る経営トップが相談役として連邦議会への出入りを許され、さらに企業ロビイストたちも自由に入れるようになり、腐敗したロビー活動が激化して行ったのである。
そのような新自由主義に異議を唱えて1998年に誕生したのが社会民主党シュレーダー政権であるが、シュレーダー政権も一年後には産業界の圧力で懐柔され、逆に新自由主義を強力に推し進めて行ったのである。

話を戻すと、この倫理トークで問われたシュレーダー贈賄疑惑は、彼が首相退任後胸を張ってロシア天然ガス巨大コンツェルンガスブロムの企業顧問を引き受け、市民には考えられない高収入を得ていたことから、ドイツ市民から便宜への報酬として非難されていた経緯を踏まえている。
こうした腐敗したロビー活動の激化は、世界金融危機後の2009年にはブレーキがかかったものの、未だにベルリンだけで3000人近い企業ロビイストたちが連邦議会自由に出入りしているのも事実である。
こうした腐敗構造を変えて行かなくてはならないと、哲学者ガブリエル倫理啓蒙などを通して戦っているである。
そのようなドイツからの希望あるメッセージは、私に力を与えてくれると同時に、日本の意ある人たちにも力を与えてくれるだろう。
それ故次回も、ガブリエル倫理トークを載せるだけでなく、ドイツエネルギー転換を研究面で率いてきた第一人者であり、市民のエネルギー転換を啓蒙実践しているウベ・レプリヒ教授のインタビューを載せたいと思っている。

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