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「高校無償化」措置を朝鮮学校に適用することを求める大学教員の要請書

2010-04-06

関西ワークショップのご案内ほか

 下記は、賛同者に向けて送ったメッセージ(抄)です。


 ご承知のとおり、3月31日に「高校無償化」法案が参議院を通過し、4月1日より施行されました。報道によれば、わたしたちが求めてきた朝鮮学校への就学支援金の支給については、判断保留の扱いとなりました。ですが、これは単なる結論先延ばしではありません。既に、朝鮮学校の例外扱いという結論が出ていることに、わたしたちは注目せざるを得ません。

 4月1日付の文部科学省令・第13号によれば、「各種学校であって、我が国に居住する外国人を専ら対象とするもの」のうち、就学支援金の支給対象となるのは、次のイ〜ハと定められました。

イ 高等学校に対応する外国の学校の課程と同等の課程を有するものとして当該外国の学校教育制度において位置付けられたものであって、文部科学大臣が指定したもの

ロ イに掲げるもののほか、その教育活動等について、文部科学大臣が指定する団体の認定を受けたものであって、文部科学大臣が指定したもの

ハ イ及びロに掲げるもののほか、文部科学大臣が定めるところにより、高等学校の課程に類する課程を置くものと認められるものとして、文部科学大臣が指定したもの

 すなわち、大学入学資格に準じて、「当該外国」で高校と同等の課程を有すると位置づけられているかどうか(=イ)、WASC、CIS、ACSI等の評価機関の認定を受けているかどうか(=ロ)、との2つの基準がまず掲げられています。この基準でいけば、外国人学校の国立大学への入学資格と同様に、朝鮮学校は含まれません。大学入学資格では各大学による「個別の入学資格審査」という3番目の基準が設けられましたが、「高校無償化」については「文部科学大臣が指定したもの」(=ハ)とのみ規定されています。指定の判断基準についての報道内容は揺れており、教育専門家らによる文科相の私的な懇談会での議論をふまえ、夏までに文科相が判断し告示するということのみが、現時点では確実な情報です。

 署名用のブログに、「高校無償化」と大学入学資格との関係についての見解を掲載しましたが、そこでも論じたように、そもそも朝鮮学校の大学入学資格を「個別」にしか認めない上記の基準自体、「客観的」どころか、きわめて「政治的」な判断から導入されたものです。それが援用された結果、ふたたび朝鮮学校は例外的な扱いを受けることになりました。仮に文科相が朝鮮高級学校を「高等学校の課程に類する課程」であると認め、遡及支給したとしても、不安定で例外的な地位に置かれることに、何ら変わりがありません。

 このように、懸念されていたとおり、2003年の大学入学資格問題で積み残されていた課題が、「高校無償化」にも引き継がれる結果となりました。

 以上の点を踏まえ、現在わたしたちが置かれた状況を理解し、議論を深めるためにも、ワークショップを企画しました。まずは関西で開きますが、追って関東でも企画したいと考えております。ふるってご参加ください。

板垣竜太(同志社大学)、市野川容孝(東京大学)、鵜飼哲(一橋大学)、内海愛子(早稲田大学)、宇野田尚哉(神戸大学)、河かおる(滋賀県立大学)、駒込武(京都大学)、坂元ひろ子(一橋大学)、高橋哲哉(東京大学)、外村大(東京大学)、冨山一郎(大阪大学)、仲尾宏(京都造形芸術大学)、中野敏男(東京外国語大学)、藤永壮(大阪産業大学)、布袋敏博(早稲田大学)、水野直樹(京都大学)、三宅晶子(千葉大学)、米田俊彦(お茶の水女子大学)

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(以下はワークショップのご案内)

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■        朝鮮学校の「高校無償化」問題を考える        ■

■            関西ワークショップ             ■

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 さる3月31日、いわゆる「高校無償化」法案が参議院を通過し、4月1日より施行されました。今年2月になって突如浮上した朝鮮学校の適用除外案は、結論を留保されたまま、文部科学大臣の判断に委ねられることになりました。夏までに結論を出すといわれていますが、外国人学校のなかでも朝鮮学校だけが例外扱いとなったこと自体、不当な措置といわざるを得ません。

 朝鮮学校の排除案をめぐっては、様々な方面から反対の声があげられました。今回のワークショップは、そのなかでも高等教育に関わる者としての立場から要請書を提出した大学教員有志が企画しました(*)。川端文科大臣は3月の国会答弁で、外国人学校への就学支援金支給の基準として大学入学資格を「一つの参考」にすると発言しました。実際、4月1日に告示された文部科学省令では、大学入学資格の認定基準が援用され、その結果、朝鮮学校は当初適用除外となりました。このように、大学の問題と「高校無償化」問題は深くつながっています。

 そうした点も含め、朝鮮学校の歴史、積み重なってきた諸問題、現状、そして今後の課題を論じながら、何が問題の本質なのか、何をすべきなのかを考えていきたいと思います。関心ある方々の広い参加を呼びかけます。

(*) この要請書等については、下記のブログをご覧ください。

http://d.hatena.ne.jp/mskunv/

日時:4月25日(日)午後2時〜5時(開場は1時半)

場所:同志社大学今出川キャンパス・明徳館・M1教室

 アクセスマップ http://www.doshisha.ac.jp/access/ima_access.html

 キャンパスマップ http://www.doshisha.ac.jp/access/ima_campus.html

 地下鉄烏丸線・今出川駅下車、徒歩3分。駐車場はございませんのでご了承ください。

入場料:無料

内容:

 司会、趣旨説明: 水野直樹(京都大学教員)

 経過と現状について:駒込武(京都大学教員)

 朝鮮学校保護者として:高龍秀(甲南大学教員)

 今後の課題:大学教員、朝鮮学校関係者など

 討論

主催:「高校無償化」措置を朝鮮学校に適用することを求める大学教員の会

問い合わせ先: msk_univ[AT]yahoogroups.jp

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