本屋で『封印ゲーム大全 歴史の闇に葬られたヤバイゲームが約100本!』(アスペクト)っていうムックを見つけた。おっ、これはもしかして安藤健二『封印作品の謎』ゲーム版みたいな内容かな? あるいはいわゆる「不謹慎ゲーム」に関する本かしらんと思って手に取ったんだが、なんのことはない、エミュROM紹介本だった。
確かに「不謹慎ゲーム」の紹介ページもほんの少しだけあったが、他はアルキメンデスとかオールナイトニッポン版マリオみたいな懸賞モノ、FC版『メタルスレイダーグローリー』や『烈火』などの有名レアソフトなんかが紹介されてて、封印でもなんでもない。なんせ『ELITE BEAT AGENTS』まで紹介されてるんだからどうしようもない(誰が封印したんだ、誰が!)
まったく期待していた本とは違ったのでもちろん買わなかった。ろくな内容じゃないのでみなさんも買わないといいと思います。この本を買う金でWiiのバーチャルコンソールの中から何か一本買ったほうが八億倍くらい幸せになれる。まあでも、それは僕の期待自体が間違っているというか、冷静に考えて、(今の日本のビデオゲーム関係出版物の市場で)ムックとはいえ「不謹慎ゲーム」のみで一冊まとめるのは、どだい無理だろう。そんなものを期待してるほうがどうかしてる。
それはともかく、驚いたというか呆れたのは、このムック、各ゲームの紹介欄にROMが置いてあるサイトのURLを記載してるんだよな。それも配布サイトのトップページとかじゃなく、ご丁寧にもパーマリンクで。もしかして最近の三才野郎向けエミュROMムックってみんなこうなの? いやはや。
ところで、個人的に「不謹慎ゲーム」への興味が大きくなったのは、昨年9月にカナダの高校で起こった銃乱射事件のニュースを見てからだ。この事件の犯人が、99年のコロンバイン高校事件をネタにした「不謹慎ゲーム」――『Super Columbine Massacre RPG』をプレイしていたことが、あちらのマスコミでは大々的に報道されていた。ここらへんの経緯は4Gamer.netの奥谷海人のコラムにまとめられている。また、『Super Columbine Massacre RPG』作者へのインタビューが、Kotakuに載っている。
それ以来、世界各国の「不謹慎ゲーム」の文化史というか事件史みたいな本が、どっかから出ないかなあと妄想してる。難儀な妄想だな。ええと、イメージとしては、スナッフ・フィルムの歴史についてまとめた、デヴィッド・ケレケス&デヴィッド・スレイター『キリング・フォー・カルチャー 殺しの映像』みたいなノリの本で。……まとめるの大変なわりに報われなさそうだから出ないだろうけど。
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