猫が星見た

2018-06-13 ほうが

[][][] 春との旅


4月の北海道増毛。寂れた海辺のあばら家に暮らす老漁師・忠男と孫娘・春。若い頃から北海の漁師一筋に生きてきた忠男も今では妻を失い、財産もなく、足が不自由となり、独りでは生きていけない身となっていた。一方、春は、数年前に母を亡くして以来、忠男を支えるため地元小学校の給食係として働きながら生計を立てている。しかし、ある日小学校が廃校となったことから春が失職してしまい、彼らの生活もいよいよ行き詰まってくる。そこで2人は、忠男の受け入れ先を求めて、疎遠となって久しい忠男の姉兄弟たちを訪ね歩く宮城各地への旅に出ることに。だが、行く先々で再会する姉兄弟はそれぞれの事情で忠男の面倒を見るどころではないうえ、過去の軋轢も再燃し、彼らとの愛憎や葛藤に直面する羽目になる忠男。そんな彼の姿を目の当たりにし、長く離別している父親に再会したい思いが芽生えた春。そして彼女は忠男と共に、後妻と暮らす父の牧場へと向かう…。

仲代達也がまったく可愛げのないおじいちゃんなので、観ていて感動もしなければ悲しくもなかった。ただみじめだな〜と思うのみだった。

淡島千景が魅力的で、その他の俳優陣もとても豪華なのだが、なにかそこが一本線につながらず、ぷつぷつとエピソードが点在しているだけで、ストーリーになっていなかった。

春との旅

春との旅

2018-06-03 まだまだ邦画

[][][] あやしい彼女

73歳の瀬山カツはワガママで無神経な毒舌おばあちゃん。地元商店街ではいつもトラブルの元凶となる鼻つまみ者。女手一つで育て上げた娘の幸恵とバンド活動をしている孫・翼の自慢話に周囲は辟易。そんなカツの唯一の理解者が、昔なじみの中田次郎。彼女を一途に慕い、どんな時でも味方になってくれていた。ある日、幸恵と喧嘩して家を飛び出したカツは、見知らぬ写真館にふらりと足を踏み入れる。やがてふと気づくと、いつの間にか20歳の時の自分に若返っていたのだった。そしてひょんな成り行きから、大鳥節子と名乗り、次郎の家に居候することに。やがて、のど自慢大会がきっかけで翼のバンドにスカウトされたカツ。かわいい孫のためとひた肌脱ぐことに。一方、音楽プロデューサーの小林拓人も同じようにカツの歌声に魅了され、その行方を捜していたのだが…。

多部ちゃんの可愛さだけを観る映画。倍賞美津子に可愛げがゼロなので、ラストシーンが微妙すぎる。正直ばあちゃんの恋心とか観たくないですけど。

志賀廣太郎が男前すぎて、結婚するなら断然志賀廣太郎ですよ。

あやしい彼女

あやしい彼女

[][][] 湯を沸かすほどの熱い愛

銭湯“幸の湯”を営む幸野家。しかし父の一浩が一年前に蒸発してしまい、銭湯は休業状態に。母の双葉は代わりにパン屋でパートをしながら中学生の娘・安澄を育てている。そんなある日、突然倒れた双葉は、ガンで余命2ヵ月と非情な宣告を受ける。ショックを受けつつも、現実に気丈に立ち向かい、家出した夫の捜索や銭湯の再開、学校でイジメに遭っている娘を叱咤して独り立ちさせる、といったやらなければならないことをリストアップし、すぐさま行動に移す双葉だったが…。

ラストは好き嫌いが分かれるところだと思いますが、私は嫌いです。わざとらしく子役に「あったかいね」とか言わせるところもいやですし、下品なタイトル文字が入るところもいやです。

全体的に、え〜そんなことあるの?あの子もこの子も宮沢りえもぉ?という不幸の事実+お母ちゃんの力強すぎる愛が、なんかすごく重くて軽く感じました。お腹いっぱいの不幸と元気の押し売りのダブルパンチは私にはきつい。

宮沢りえに関わった人はみんな、お母ちゃんすごいね、あの人はすごい人だ〜とかって言うんですけど、私にとっては?でした。母親ってまあ平均的にあんな感じで強いですよね。

会って間もない松坂桃李とか、探偵のおじさんとか、なんでそこまで盲目的にお母ちゃんを尊敬しているのか・・・あと杉咲花は、あんなすぐいじめに立ち向かう精神があるなら、元々いじめられることもなかったと正直思いました。彼女は演技はうまいのでそこの問題じゃなくて、とにかく演出の違和感が大きかったです。

すべてのエピソードが、感動のためにつくられたフィクションすぎて、監督が本当の痛みを知らない人間であることを物語っていたと思います。

精神的に恵まれた人が映画撮ってもなんにも面白くないですよ。

2018-05-30 是枝監督ウィーク

[][][] 海よりもまだ深く

自称作家の中年男、篠田良多。15年前に新人賞を受賞したものの、その後は鳴かず飛ばずギャンブル好きで、今は“小説のための取材”と称して探偵事務所で働く日々。当然のように妻の響子には愛想を尽かされ、一人息子の真悟を連れて家を出て行かれてしまった。その真悟との月に1度の面会が何よりの楽しみでありながら、肝心の養育費はまともに払えず、おまけに響子にも未練タラタラで、彼女に恋人ができたと知り、本気で落ち込んでしまう始末。そんな甲斐性なしの良多にとって頼みの綱といえるのが母の淑子。夫に先立たれ、団地で気楽なひとり暮らしをしている彼女の懐を秘かに当てにしていた。そんなある日、真悟との面会の日を淑子の家で過ごす良多。やがて真悟を迎えに響子もやって来るが、折からの台風で3人とも足止めを食らう。こうして図らずも一つ屋根の下で、一晩を過ごすハメになる“元家族”だったが…。

最初にいっときますと、是枝監督作品とは相性が悪いです。

でも阿部ちゃんが好きなのとタイムリーなのでみました。

セリフがところどころ聞き取りにくいなあと思いましたが、その他はまあ「よくできてるんだろうなあ」。

でもいい作品を観たとき必ず起こる、内から湧き上がる高揚みたいなものは全くないです。通向けなんですかね、映画ファンじゃなくて映画通にはわかる良さがあるのかもしれません。

ラスト急に阿部ちゃんがまともなやつになるところが微妙でした。

「なりたい大人になれるわけじゃないんだ」はいいセリフだと思いますけど、そういうキーゼリフに実を感じられないのが是枝作品の特徴で欠点だと思います。

[][][] 歩いても歩いても

 夏の終わりの季節。高台に建つ横山家。開業医だった恭平はすでに引退して妻・とし子とこの家で2人暮らし。その日、久々に子どもたちがそれぞれの家族を連れて帰郷した。その日は、15年前に亡くなった長男の命日だったのだ。次男の良多は、もともと父とそりが合わなかった上、子連れのゆかりと再婚して日が浅かったこともあって渋々の帰郷。両親がいまだそれぞれに長男の死を受け止めきれずにいることが、良多の心をますます重くする。いつも陽気でソツのない長女のちなみは、そんな家族のあいだを取り持ち、家の中に軽い空気を持ち込むが…。

ディテールを楽しむ映画だと思いました。食べたり話したり風景みたりで、ストーリーをみるというよりは雰囲気を楽しむ映画だと思います。

正直いってそれくらいしか感想出てきません。

ほんとうに、すごく失礼ですけど、是枝監督って何がすごいんですか?

歩いても歩いても [DVD]

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2018-05-27 邦画ウィークは続く

[][][] 青い鳥

新学期、東ヶ丘中学2年1組には休職した担任に代わり、臨時教師の村内先生が着任した。前の学期、男子生徒の野口がいじめが原因で自殺未遂へと追い込まれ、転校を余儀なくされていた。マスコミにも騒がれ、学校側は生徒指導の強化などにより、生徒たちの反省と改心が進んだとして事態の沈静化を図っていた。そんなクラスにやって来た村内先生は、極度の吃音だったが、着任早々言葉少なに発せられたひと言は“忘れるなんて、ひきょうだな”という意外なもの。そして、日直に命じて転校した野口の机を教室に戻させ、その机に向かって“野口君、おはよう”と語りかけるのだった。だれもが野口のことを忘れようとする中、村内先生の挑発的ともとれる行動は、生徒ばかりか教師や保護者たちにも大きな波紋を投げかける。

久々に悲しくも感動してもないのに無意識に泣けた。

阿部ちゃん(好きだけど)のわざとらしい演技はちょっと嫌だが、本郷奏多の繊細な演技が光る。セリフが少ないながらも、役者の表情で観客に訴えかけてくる稀な映画。

子供の世界は狭くてすぐに破綻してしまうから教育が大事なんだけど、教育者の世界も狭いからなかなかうまくいかないこの世の中。教育の現場って周囲が思っている以上に腐っているんじゃないかな。阿部ちゃんは言わずもがな、伊藤歩のような先生ですらもういないのかもしれない。

真剣に言葉を聞いてくれる人、聞こうとする人がいれば、子供でも大人でも孤独に耐えられるのかもしれない。そんな簡単なことをただ教えてくれる、題材はいじめだけど、その奥にある何かを感じられた映画だったと思う。

ちょっと思わせぶりのやりすぎのカットがあったので、★-0.5

青い鳥 [DVD]

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[][][] 小川町セレナーデ

閉店に追い込まれた母のスナックをニセのオカマ・バーとして再建しようとする娘の奮闘を、実の父とは知らずに指導を受けるオカマ・ダンサーとの交流とともに綴るコメディ・ドラマ。出演は須藤理彩藤本泉安田顕。監督は本作が劇場映画デビューの原桂之介。寂れたスナック“小夜子”を営むシングルマザーの真奈美。ある日、高校卒業とともに東京に出て行った一人娘の小夜子が帰ってくる。小夜子は、母のスナックが閉店の危機と知り、隣町で大流行のオカマ・バーをまねることを思いつく。そしてホステスの亮子と2人で“偽オカマダンサー”になるべく、真奈美の旧友であるオカマのエンジェルに協力を仰ぐのだったが…。

平凡以下の駄作かな〜。ジェンダーものということで、定番の感動モノ、説教モノかなと予想していましたが、そのレベルにも至っていませんでした。女装してダンスするシーンがしつこくて、監督はこれだけを撮りたかったんだと思いました。

いったいどこが映画なんだよ。

小川町セレナーデ [DVD]

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2018-05-26 ho-ga

[][][] RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語

一流企業のエリートサラリーマン筒井肇は、50歳を目前に取締役への昇進を告げられる。その一方で、リストラのために親友の川平が工場長を務める工場の閉鎖を進める責任者を任されることに。さらに、家庭を顧みず仕事一筋だったばかりに、妻や娘との間に知らず知らずのうちに溝が深まっていた肇。そんなある日、故郷の島根で一人暮らしをしていた母・絹代が倒れたとの連絡が入る。追い打ちをかけるように、川平の交通事故死の報が届く。そんな時、幼い頃に必死で集めていた電車の切符の束を見つけた肇は、地元ローカル線一畑電車”の運転士になるという子ども時代の夢を思い出すのだが…。

予想通りの展開しかない映画。

ひねくれ者の私はなんだかな〜と思いつつも、まあ普通に観れてしまうクオリティーである。

しかしあれだけ簡単に沢山の従業員をリストラできてしまう人が、ちょっと自分の生き方に疑問もってすぐ自分の夢追いかけて成功してしまうなんて、世の中は不公平だな、とやっぱりひねくれた私は思ってしまう。弱者を切り捨てたエリートサラリーマンが、乗客を親切に助けたりしている姿をみると、うーむとなってしまうのだった。

そのあたりの繊細な部分は全然考えられていない映画だった。