2012-01-31
いわて雪まつり
ウィンターシーズン真っ盛りの季節ですが、皆さん、季節を楽しんでいますか?
かくゆう私は、近頃では、体力も衰えてきたので、外で遊ぶより「こたつでミカン」が嬉しくなってきてしまいました。
数年前までは、実家に帰省すると、子供達を(無理やり)引き連れてスキー場に行き、家族を置き去りにして、ビールを飲みながら(独りで)スキーを楽しんでいたのですが・・・
そこで今回は、2/4(土)〜2/12(日)に、小岩井農場で開催される「いわて雪まつり」を紹介したいと思います。小岩井農場は、全国的に有名ですから、農場の詳しい説明は割愛しますが、盛岡駅からバスで約35分、車の場合には、東北道の盛岡ICから約15分と、比較的交通の便の良い場所にあります。
さて、この「いわて雪まつり」、今年で45回を数える盛岡地域でも由緒あるイベントですが・・・いわゆる札幌で開催される「さっぽろ雪まつり」の小型版です。(物真似と言うと語弊がありますので)
イベントの開催時期も内容もほぼ同様。雪像を作るのも自衛隊の皆さんです。但し、「さっぽろ」の方は、札幌市の全面協力をもとに運営されていますが、「いわて」の方は、小岩井農場がある雫石町が主体となっていますので、どうしても規模の違いは明らかです。
「さっぽろ雪まつり」は全国ニュースにも取り上げられますが、「いわて雪まつり」は地元のニュースのみです。
もう少し、盛岡市なり、岩手県なりの協力を得たり、近くにはプリンスホテルが運営する「雫石スキー場」もありますので、双方でもっと連携したりすれば、小岩井農場は全国ブランドですので、「さっぽろ雪まつり」とは異なる魅力も伝えられるので残念に思います。
今年は「もっとずっと元気!いわて夢パーク」と言うテーマのもと、会場全体を夢と希望があふれるテーマパークにしよう、と言う意気込みで開催されるようです。
内容としては、皆さんのご想像どおり、大小16基の雪像、66基のかまくら、馬そり、スノートレイン、そして夜には(打ち上げ本数は少ないですが)花火の打ち上げもあるそうです。
私のお薦めは、かまくらの中で食べる「ジンギスカン」料理ですかね。小岩井農場のジンギスカン料理は、結構美味しいです。素材は残念ながら外国産ですが、小岩井農場を訪れる度に食しています。
あと「甘酒」も美味しいですね。かまくらの中で甘酒を飲んで暖を取るのも、ちょっとした幸せを感じる瞬間です。
小岩井農場の「いわて雪まつり」で1日を過ごそうと思うと無理がありますので、やはり午前中、早い時間は近くのスキー場で楽しんで、スキー場からの帰り道、少し遅い昼食を、かまくらの中でジンギスカン。それから雪まつりを楽しみ、19時30分から花火が始まりますので、これで1日の計画はバッチリだと思います。
プリンスホテルでは、この期間限定の宿泊プランも用意されているようで、ホテルから雪まつり会場までの送迎バスも運行しているようです。これなら、かまくらの中では、「甘酒」ではなく、岩手の「地酒」も堪能できますね。
(1)小岩井農場から車で約30分圏内
・網張スキー場(中級者〜上級者)
・岩手高原スノーパーク(初心者〜中級者)
(2)小岩井農場から1時間圏内
(3) 小岩井農場から1時間以上
皆さんも、これからの季節、ウィンタースポーツで楽しんでみてはいかがですか。私も、来年は「こたつでミカン」は辞めて、スキーに再チャレンジしようと思います。
以上
2012-01-30
今注目の「ビッグデータ」について
近頃、「ビッグデータ」と言う言葉を良く聞くようになったと思いますが、皆さん、その意味するところを理解していますか?
今回は、その「ビッグデータ」の内容と、なぜ、今注目されるようになったのかについて説明しようと思います。
「ビッグデータ」とは、Twitter、Facebookに代表されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に投稿される文章や画像や動画、携帯電話や携帯端末の通話記録、GPSデータ、ネットショッピングの購買記録、メールの内容、さらに道路の渋滞状況・・・私達の身の回りに氾濫している膨大なデータの事を「ビッグデータ」と呼んでいます。
どの程度の大量データを「ビッグデータ」と呼ぶのかについてですが・・・これについては、まだ厳格な定義はないのですが、通常は数百テラバイトからぺタバイト級のデータを「ビッグデータ」と呼んでいるようです。
ちなみに、データの量に関する表記に関してですが、一般的な表現では、下記のようになります。
メガバイト(MB) : 1,000,000バイト(百万)
ギガバイト(GB) : 1,000,000,000バイト(十億)
テラバイト(TB) : 1,000,000,000,000バイト(一兆)
ぺタバイト(PB) : 1,000,000,000,000,000バイト(千兆)
エクサバイト(EB) : 1,000,000,000,000,000,000バイト(百京)
ゼタバイト(ZB) : 1,000,000,000,000,000,000,000バイト(十垓:ガイ)
1ぺタバイト(PB)、つまり1,000兆バイトと言われてもピンと来ないかもしれませんが、通常 日本語1文字に付き2バイト必要ですから、1,000兆バイトだと500兆個の文字分のデータと言うことになります。
これではピンとは来ないですよね。
別の例で表現しますと、デジカメで普通の解像度で写真を撮ると1枚当たり約5MB位ですから、データ容量1PBだと2億枚の写真です・・・これでもダメですね。
さらに、データ量は2年毎に倍増していると言う計算結果もあり、去年1年間では、既に1.8垓を超えている、と言う報告もあります。このデータ量の場合、しつこい様ですが、DVD換算だと3,800億枚位になります。
このように膨大な量のデータですが、これら莫大なデータの中には、企業にとって「喉から手が出る」ほど欲しいデータが埋まっています。
例えば、ネットショッピングの購買記録、これには顧客の好みが反映された情報が埋まっていますので、データを正しく分析すれば、マーケット分析を行うことが可能になります。
事実、Amazonなどで「お薦め商品」を表示する機能がありますが、この機能は「レコメンド技術」と言い、「ビッグデータ」を活用した技術になっています。
また、VISAカード等では、カードの不正利用パターンを分析し、カードの利用履歴から不正利用を検知する仕組みを取り入れています。
さらに、SNSに書かれている自社製品のコメントを分析し、次期商品開発に取り入れている企業も存在します。
このように企業にとって「ビッグデータ」は、まさに「宝の山」のような存在になりつつあります。
従来、コンピュータによるデータ分析の手法としては、「BI(ビジネス・インテリジェンス)機能」や「DWH(データウェア・ハウス)機能」と言う技術が存在しており、現実世界では15〜20年位前から実用化されていました。
しかし、従来の「BI機能」や「DWH機能」は、固定形式(固定フォーマット)のデータから、必要な情報をデータベースに取り込み、それを後で分析して結果を導き出す、と言う手法/技術でした。
ところが、「ビッグデータ」に関しては、データ自体が可変データ(※1)となっていますし、さらにリアルタイム処理(※2)が求められますので、従来の手法/技術では対応できない状況になってしまいました。
しかし、問題となるのは、データのリアルタイムの分析処理です。データ分析とは、コンピュータの処理の中でも、一番時間が掛る処理です。
ホストコンピュータが主流だった時代(私が、ゴリゴリとコーディングしていた時代)などは、数メガバイトのデータ分析を、一晩掛けて処理していました。
時代が進み、PCの性能が向上し、一般家庭にPCが普及した頃でも、大量データ分析には数時間掛るのは当たり前でした。
しかし現在では、複数のコンピュータを連結し、データを並列処理する技術が確立しましたので、リアルタイム処理も実現可能となりました。
少し前に話題になった理化学研究所と富士通が開発した世界最速コンピュータ「京」も、800台以上のコンピュータをネットワークで接続し、並列処理が行えるようにしたものです。
ちなみに「京」では、公表データによると、1秒間に8,126兆回分の計算が可能となっていますので、単純に言い換えると前述の「1PB(ぺタバイト)」のデータ(千兆バイト)が、全て日本語のデータとして、500兆個の文字があるとすると、その中から、ある特定文字を抽出するのに0.1秒も掛らない事になります。(厳密にはもう少し時間が掛ると思いますが)
さらにデータの処理に関しては、「データストリーム処理」と言うソフトウェア技術の確立も大きく貢献しています。
従来のコンピュータの処理では、入力したデータは、一時的に「メモリ」と呼ばれる領域に保存され、それからハードディスクドライブ(HDD)に書き込み、計算の際には、再度「メモリ」経由でHDDからデータを読み込んで処理を行っていました。
しかし「データストリーム処理」では、入力データを「メモリ」に保存した状態で処理を行う事から、処理速度が格段にスピードアップしました。
コンピュータのリアルタイム処理に関しては、コンピュータの性能向上、ソフトウェア技術の進歩、および並列処理の実現で解決できましたが、次に問題となるのは、可変データの分析です。
固定データ(構造化データ)の場合、コンピュータで比較チェックを行う場所が決まっていましたので、例えば「A」と言う種類のデータの場合、「X」と言う場所の値を処理する、と言う感じだったので、比較的簡単な処理で対応可能でした。
もともとコンピュータとは、その始まりは、大砲の弾道計算を行うことを目的として作成された事からも明らかな様に、決まった形式のデータを入力して、決まった処理を、迅速に、かつ正確に行うことを目的として作成された機械です。
このため、可変データ(非構造化データ)を取り扱うのは、もっとも苦手としている処理だと言えます。
ところが、近年「Hadoop(ハドゥ―プ)」と言う技術が確立し、非構造化データに対しても、シンプルな構造で管理することができるようになりました。
このように、大量、かつ非構造化データの処理を阻害していた数々の問題が解決されたことで、「ビッグデータ」が注目されるようになりました。
「風が吹けば桶屋が儲かる(※3)」と言う諺があります。これは、ある事象の発生により、一見すると全く関係の無いような思わぬ場所や物事に対して影響が出ることの例えですが、今後 企業が「ビッグデータ」の解析に力を入れることで、風が吹いた後の事象の推理だけでなく、風が吹く要因についても、全世界的に様々な推論が展開される事になると思われます。
例えば、日本の裏側にあるブラジルのアマゾンで「100匹の蝶がはばたく」と、その風が太平洋上で貿易風に影響を与えて日本で強風を巻き起こし、最終的に桶屋に利益をもたらす、とか・・・まあ今の日本で、桶の専門店は存在しませんし、同じ「風が吹けば」なら、ブラジルよりもお隣の中国の「黄砂が吹けば〜」の方が影響が大きいかもしれませんが・・・
今後も「ビッグデータ」の動向について調査を行い、機会があれば、皆さんに紹介したいと思います。
以上
※1可変データ:固定形式データとは異なり、長さや値の格納場所がバラバラなデータ
※2リアルタイム処理:後で処理を行うのではなく、その場で直ちに処理を行う事
※3風が吹けば桶屋が儲かる:次の論理に基づいて導き出される推論
(1)大風が吹くと、大量の「ほこり」が舞う
(2)「ほこり」が舞うと、目に「ほこり」が入り盲人が増える
(3)盲人が増えると、三味線が売れる(当時、三味線引きは盲人が就く職業)
(4)三味線が売れると、ネコが減る(三味線にネコの皮を使うから)
(5)ネコが減ると、ネズミが増える
(6)ネズミは、桶をかじる
(7)故に、ネズミが増えると、桶屋が儲かる
2012-01-13
サロゲートペア文字列の扱いについて
Unicodeで扱う文字の中には、「サロゲートペア」と呼ばれるものがあります。
サロゲートペアとは、Windows Vistaより扱うことができるようになった漢字のうちの一部なのですが、特徴として「1文字4バイト」であることが挙げられます。
Unicodeは通常「1文字2バイト」なのですが、世界中のいろいろな言語の文字をUnicodeで表現しようとする動きが進むうちに、2バイトでは足りなくなったというのが背景にあるそうです。
サロゲートペア文字の例としては「𩸽」(ほっけ、魚へんに花)があります。
プログラムでサロゲートペア文字を含む文字列の処理を行う場合、注意しなくてはならない点があります。
例えばVB.NET上で、
Debug.Print(Len("𩸽"))
とすると、1ではなく2が表示されます。
Debug.Print(Mid("𩸽あいう", 1, 1))
などとやると、「?」が表示されてしまいます。
「サロゲートペア文字を含む文字列のX文字目を取得したい」という場合は、以下のような関数を作ってみるとよい…かもしれません。
Public Function MidSurrogatePair(ByVal Target As String, _
ByVal Start As Integer, _
ByVal Length As Integer) As String
Dim liCur As Integer '文字カーソル
Dim liNum As Integer
Dim liTmp As Short
Dim lcStr(0) As String
Dim lcTmp As String
Dim liCnt As Integer
liCur = 1
liNum = 0
lcStr(0) = ""
Do Until liCur > Len(Target)
Redim Preserve lcStr(liNum)
If liCur = Len(Target) Then '最後の文字の場合
liTmp = 1
Else
If Char.IsSurrogatePair(Target.Chars(liCur - 1), Target.Chars(liCur)) Then
liTmp = 2 'サロゲートペア
Else
liTmp = 1
End If
End If
lcStr(liNum) = Mid(Target, liCur, liTmp)
liCur = liCur + liTmp
liNum = liNum + 1
Loop
lcTmp = ""
For liCnt = Start To Start + Length - 1
lcTmp &= lcStr(liCnt - 1)
Next
MidSurrogatePair = lcTmp
End Function
※・Targetが改行コードを含む場合
・Targetに対するStart、Lengthの値が適切かのチェック
・Lengthの指定を省略したい
…等の処理は適宜加えてください
↓
Debug.Print(MidSurrogatePair("𩸽あいう", 1, 1))
【出力結果】
𩸽
余談ですが、最近では携帯電話の絵文字もUnicodeで扱う動きが進んでいるそうです。サロゲートペアと違いこちらは広く誰にでも使われるものなので、より文字コードを意識したプログラミングをする機会が増えてくるのかなと感じています。
今回のブログは、私が開発に携わった下記プロジェクトの調査結果を元に掲載しています。
→ 漢文作成システム(http://msystm.co.jp/user_kyoiku.html)
2012-01-05
提案書の鉄則について
今日は、「提案書」に書くべき内容について、少し触れてみたいと思います。
ところで皆さん、それぞれ業種は違いますが、お客様に対して「提案書」は書いていますよね ?
「提案書は書いた事はないけど、社内稟議書は書いているよ !」と言う方、あるいは「企画書なら書いている」と言う方も居ると思います。
企画書、提案書、稟議書、どれも微妙に異なりますが、主な目的は、自分の考えを他人に伝えて納得・了解してもらうことにあります。
この3種類を処理フローにすると、その位置づけが解りやすいと思います。
一般的には、企画書では、自分の考えた企て(思い・考え)の概要を書き、提案書では、その企画を立てた理由(問題点)と改善策、およびスケジュールを書き、その後、必要なら会議で説明して了承を得るか、会議が不要なら稟議書で了承を得ることになると思います。
しかし、ケース、あるいは会社の仕組みによっては、企画書に提案書の中身まで書いてしまうこともありますし、また、稟議書の添付資料に、企画・提案まで書き、そのまま決済を仰ぐケースもあります。
何れにしても、何か新しいイベントを始めるためには、その内容を説明した資料が必要になります。
今回は、「提案書」と言う言葉で、お客様に対して、「新規イベント」の内容、および必要性を説明する場合の要点を、私のこれまでの経験を元に紹介したいと思います。
また、下記の説明では、私の職業柄、「システム開発」を元にした説明となってしまいますが、これを皆さんの業界の言葉に置き換えて頂ければ、そのまま理解してもらえると思います。
まず、私がいつも気を付けている点は、提案書を書く前に、顧客が求めるものは何かを把握することに全力を注いでいます。
システム開発の場合、最終的には、業務の「省力化・効率化」が提案の核となります。
「省力化・効率化」のために掛る工数・費用、およびシステム導入のための初期費用が、競合他社より「どれだけ優れているのか」、またシステム導入後の運用のし易さ、安定性、これら全てを含んだ「費用対効果」の優位性が提案書の中身となります。
しかし、業務の「省力化・効率化」の裏には、何か別の理由が隠れています。単純に、業務を楽に行いたいからシステム開発をする訳ではありません。
例えば、よくある「裏の理由」としては、次のようなケースがあります。
1.社内リストラで多すぎる人材をカットや配置転換するためにシステム開発を行う
2.技術者の退職に伴い、既存システムの運用・保守ができなくなるので新規システムを行う
4.他社、あるいはグループ会社の統合に合わせて新規システムを開発する
このように、システム開発の裏には、必ず業務の「省力化・効率化」の理由があります。
故に、システム開発による「業務の省力化・効率化」は当たり前なので、その裏の理由に対するメリットまで提案書に含める必要があります。
例えば、「新規システムを導入すると、開発を含めた初期費用でこれだけ掛りますが、最終的に、人員を何名削減できます。」とか、「新規システムを導入すると、人のスキルに依存せず、誰でも業務を行えるようになります。」とか、「新規システムを導入すると、保守が、これだけ楽になります。」とか・・・
要は、「何でシステムを開発するのか」、その理由を把握し、それを最終的なメリットとして提案しなければ、表面的な提案となってしまい、訴求効果が得られなくなってしまいます。
次に、提案書の目次、記載している内容ですが、これはほとんど全て同じです。
1. システム導入の背景と目的
2.現状の主要な問題点と検討課題
3.実施施策と期待される効果
4.目指すべき情報化のイメージ
5.システム構成と方式の考え方
6.システム導入展開の考え方
7.今後の運用・保守の考え方
8.プロジェクト推進体制
9.システム構築スケジュール
10.開発工数・費用
11.制限事項
12.システムの拡張性
だいたい、以上のような項目に、前述の「裏の理由」に対するメリットを含めた形で、提案書を作成していますが、提案する相手によって、記載する項目の「粒度:密度」を変えています。
相手が役員か、あるいは現場の担当者かによって、記載すべき内容の濃さを変える必要があります。
業務ノウハウはお客様のほうが熟知しています。場合によっては、情報システムについても、お客様の方が詳しいこともあります。
だから、「弊社は、違った視点で見ています」という提案ができているかどうかが問われることになります。
お客様が求めるものに対し、「こうやればもっと効果的です」とか、「こういう視点で考えるべきではないですか」と、進言できることが提案力ではないかと思っています。
私も日々精進しますので、皆さんも、お客様の裏の裏を読み、訴求力の高い提案書を書ける様に、頑張って下さい。
また、何か良い提案書があれば、内緒で私に教えて下さい。
2012-01-04
盛岡の「裸参り」について
今回は、盛岡の「裸参り」についてご紹介したいと思います。
「裸参り」、あるいは「裸祭り」は、日本全国、北は北海道から南は九州まで、約70箇所で開催されています。
その内、12月から翌年の2月の冬季に開催されているのが約40箇所(57%)ですので、冬季に開催されているケースが多いようです。(何故か沖縄には「裸参り」の風習はありませんが、やはり暖かいからですかね?)
そして冬季に開催されている全国の「裸参り」の内、全体の1/4、20%である8箇所が岩手県で開催されています。
さらに、驚くべき事は、岩手県の「裸参り」8箇所の内、なんと7箇所が盛岡市に集中しているのです。整理すると、日本全国の「裸参り」の内、盛岡の「裸参り」が、全体の10%を占めているのです!!
ちなみに、岩手県の「裸参り」の残り1箇所は、JRのポスターで話題となった奥州市黒石寺の「蘇民祭」です。
何故、盛岡市に「裸参り」が集中しているのかは不明ですが、この行事も盛岡藩の藩政時代から伝えられてきた行事になります。決して、盛岡市民が「裸」好きと言う訳ではないと思います。
一般的に「裸参り」は、1年間の「無病息災」や「五穀豊穣」を願うものや、「厄払い」の意味を持つものが多く、盛岡の場合も同様です。
噂では、盛岡の「裸参り」の起源は、江戸中期に、松尾神社(松尾町)へ南部杜氏(※1)らが祈願した事が始まりとありますが、ひょっとしたら、この事が、盛岡で「裸参り」が多い理由かもしれません。(松尾神社は後述する盛岡八幡宮の隣にあります)
ところで、盛岡の「裸参り」は、氷祥院(材木町)、不退虚空蔵堂(仙北町)、教浄寺(北山)、盛岡八幡宮(八幡町)、夕顔瀬浅草観世音(夕顔瀬町)、桜山神社(内丸)、および加賀野大日如来(加賀野)で開催されますが、今回は、その中でも一番規模が大きく有名な、盛岡八幡宮の「裸参り」をご紹介します。
盛岡八幡宮の「裸参り」は、毎年1月15日の16時30分から、お風呂で心身を清めた氏子や消防団、あるいは町内の若者等100人以上が、盛岡市肴町を起点に、八幡宮までの約1Kmを、各組に分かれて参拝します。
その「いでたち」は、頭に鉢巻き、背中に注連縄(しめなわ)を負い、腰に「けんだいわら(※2) 」を垂れ、トウガラシを入れた紙を口にくわえ、素足に「わらじ」を履き、鈴振りや提灯、紙の「はさみ」、あるいは供物の三宝を持ちながら、一列に隊列を組みながら、独特の歩調で、一歩一歩ゆっくり歩いて参拝します。
「独特の歩調でゆっくり」と書きましたが、本当にゆっくりです。1Km位の行程なので普通に歩けば10分位ですが、「裸参り」の場合は、ゆうに一人20〜30分位は掛ると思います。それが100人以上ですから・・・見ている方は「エンドレス」の気分です。
私も、子供の時に見に行きましたが、寒空の中(軽く氷点下10℃位)、いつまで経っても終わらない行列に、見ている私の方が、寒過ぎてガタガタ震えていたのを覚えています。
「裸参り」は、参加される方は非常に大変ですが、見る方にも注意すべき点があります。
「裸参り」は、前述の様に、「無病息災」や「五穀豊穣」等のいわゆる「願掛け」をしています。
故に、隊列の途中を横切ると、「願掛け」が途切れるとして忌み嫌われていますので、注意して下さい。
道を横切る場合には、必ず団体の通過を待ってから行う様にして下さい。団体の先頭は、目印である「高張提灯(たかはりちょちん)※3」を掲げています。
それと、盛岡八幡宮の場合、同時に「どんと祭り」も開催されます。
これも他の地方と同様、お正月に使った「お飾り」を燃やして「無病息災」を願う行事で、こちらは10時頃から開催していますので、寒さが苦手な方は、「どんと祭り」の方が良いかもしれません。
しかし・・・盛岡の1月は、1年で最も寒い時期ですので、日中でも氷点下となる「真冬日」となる可能性も高く、どちらにしても完全防寒で見物に参加した方が良いでしょう。
「裸参り」も「どんと祭り」も、震災の影響も無く開催されますので、冬休みを利用して盛岡に来られる方は、完全防寒で、見物にいらして下さい。
※1 南部杜氏:通称「南部藩」と一括して呼ばれる領内(盛岡藩/八戸藩/七戸藩)から出身した杜氏
※2 けんだいわら:稲わらでつくった腰蓑のようなもの
※3 高張提灯:高く竿を掲げた提灯















