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2018-03-10

Society 5.0って何 ?

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皆さん、近頃、ニュース等の解説で、「Society 5.0」と言う言葉を聞いた事がありませんか ?

「う〜ん・・・サイエティと言えば、ダンスとか、音楽の話で聞いた事があったかな ? 」等と考えているなら、全くの勘違いです。

「Society 5.0」とは、政府が、平成28年1月22日に、第5期科学技術基本計画において、日本が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された考え方です。

この「科学技術基本計画」とは、平成7年に制定された「科学技術基本法」により、下記の様に、期間と、その間に成すべき科学技術をまとめた基本計画になります。


【 第1期 】

平成8年〜12年度:競争的研究資金の拡充、ポストドクター1万人計画産学官の人的交流の促進

【 第2期 】

平成13〜17年度:新しい知の創造、知による活力の創出、知による豊かな社会の創生

【 第3期 】

平成18〜22年度:社会・国民に支持され、成果を還元する科学技術、人材育成と競争的環境の重視

【 第4期 】

平成23〜27年度:将来にわたる持続的な成長と社会の発展の実現、我が国が直面する重要課題への対応


現在は、第5期として、平成28〜32年度の5年間に成すべき目標として、次の4つの項目を掲げている様です。

1.未来の産業創造と社会変革を進める

2.経済・社会的な課題へ対応する

3.基盤的な力の強化を進める

4.人材、知、資金の好循環システムの構築を進める


そして、この目標の内、「1.未来の産業創造と社会変革を進める」ことで生まれる社会を「超スマート社会」と位置付け、この「超スマート社会」の事を「Society 5.0」と名付けている様です。

皆さん、これで「Society 5.0」の事は、完全に理解出来ましたよね !! 明日、会社に出社したら、仲間に、「Society 5.0」の事を説明してあげて下さい。

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しかし・・・私は、「それで、結局、Society 5.0とは、どういう社会なの ? 」となってしまいます。

また、「Society 5.0」と同じように、数年前から良く聞くようになった「IoT」、それと「将棋」や「碁」との対決で、一躍脚光を浴びるようになった「AI」。

さらに、「Society 5.0」と似たような意味で使われる「CPS(Cyber Physical Systems)」・・・もう英字だらけで訳が解りません。

どうして日本人は、英語の頭文字略称形が大好きなのでしょうか ?

太平洋戦争で、欧米に負けたからなのか、それとも明治維新で、新しい文化に感化されたからなのか、明治維新から100年以上経過しても、「英語コンプレックス」から抜け出せていないように思えます。

政府自身が、その目標として「Society 5.0」等、英語の標語を好んで使う事、理解出来ません。

さて、今回は、この「Society 5.0」や、それに関わる「IoT」、「AI」、「CPS」とは何かを紹介したいと思います。

ちなみに、「IoT」」に関しては、下記の過去ブログで、紹介しましたので、今回は割愛します。

★過去ブログIoT 〜 日本復活か ? それとも破滅か ?

今回は、次のような内容を紹介します。

●「Society 5.0」とは

●「CPS」と「IoT」とは

●「IoT」と「AI」との関係

●新たな課題/問題

それでは今回も宜しくお願いします。

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■「Society 5.0」とは

政府が言うには、「Society 5.0」とは、次の4つの社会の次に続く社会で、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会と定義している様です。

つまり、この「経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会」を、「超スマート社会」と呼び、「超スマート社会 = Society 5.0」と定義した様です。

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【 Society 1.0 : 狩猟社会 】

【 Society 2.0 : 農耕社会 】

【 Society 3.0 : 工業社会 】

【 Society 4.0 : 情報社会 】

【Society 5.0 : 超スマート社会 】


何か、「超」とか、「スマート」とか、陳腐な言葉な並べられているような感じがします。

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今後、まさか・・・アニメドラゴンボール」に登場するキャラクター「超サイヤ人」と同様、「超サイヤ人2」や「超サイヤ人3」の様に、「超スマート社会2」などと進化して行くのではないかと心配してしまいます。

「超スマート社会」・・・どう考えても単略的です。国家戦略ですから、もう少し頭を使って超スマートな言葉を生み出して欲しいと思います。

しかし、「工業社会」の次が「情報社会」なのですか ? 私は、「工業社会」の次は、「金融社会」だったのではないかと思います。

バブル」も「リーマン」も、その原因は、「金融社会」が生み出した「歪み」です。この間、数十年間、全世界が、この「歪み」の影響で、苦労して来ました。

「工業社会」の次に、「情報社会」を持って来てしまったので、無理矢理、「超スマート社会」等という、安易な言葉に走ってしまったのではないかと思えて仕方ありません。

さて、政府(内閣府)の「科学技術政策」を紹介するページにおける「Society 5.0」によると、「情報社会」で構築した技術インフラの問題点を洗い出し、さらに、その先を目指すそうです。


●「Society 5.0」を実現するための仕組み

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政府の考えでは、現在、世界は「Society 4.0」の時代にあり、人間が、インターネットを経由してサイバー空間に存在するクラウドサービス(データベース)にアクセスし、クラウドから様々な情報をデータとして入手して、入手したデータの分析を行い始めた時代と定義しているようです。

しかし、クラウドから入手した様々なデータに関しては、分析自体は出来ているが、その分析結果を、社会では、まだ活用出来ていないとしています。

加えて、クラウドに蓄積されるデータは、日々、そのデータ量が増えつつあるので、現状の仕組みでは、分析だけで精一杯で、やはり分析結果の活用まで行えていないのだそうです。

つまり、ビッグデータの分析/解析は行えているが、その結果を、社会で活用出来ていない、と言う事らしいです。

確かに、NKH等の特集番組を見ていると、データの分析/解析は終わっている様ですが、解説者も「〜と言う結果が見えて来ました。」と言うだけで、その次、結果を受けての対応までは触れていません。

また、物、および情報と、人間が連携出来ていないので、様々な問題が積み残った状態になっているとしています。

そこで、クラウドを始めとするサイバー空間に蓄積されているビックデータを、人間の能力を超えたAIが解析し、その結果を、ロボットなどを通して人間にフィードバックしたり、活用したりする事が出来る社会を「Society 5.0」としています。

さらに、「Society 5.0」では、これらの活動を通して、これまでには無かった新たな価値が、産業や社会にもたらされるので、「Society 5.0」を実現する事で、世の中は、次のような世界になると断言しています。

●「Society 5.0」を実現した社会

前述の「Society 5.0」を実現する事で、次のような「バラ色」の未来を築くことが出来る様です。

知識/情報の共有 】

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何度も登場する「IoT」ですが・・・この「IoT」を筆頭に、物や情報の共有化や連携が進むことで、現在抱えている、様々な問題を解決する事が出来るようになるそうです。

また、情報共有と情報連携が進む事により、今までは存在しなかった、新たな価値や産業が生まれたりするとしています。

「新たな価値や産業が生まれる」としていますが、これは、やって見ないと解らない事なので、あくまでも想像/期待なのだと思いますが、確かに、何かは生まれそうな感じはします。

【 データの迅速な解析/フィードバック

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AIを活用する事で、大量のデータを瞬時に分析/解析し、その結果を、直ちに利用者にフィードバックする。

囲碁将棋AIが勝っても、何も社会には貢献しないと思いますが、この技術に関しては、企業における「問い合わせ業務」に活用され始めている様です。

現在、複数の企業で、問い合わせへの応答を「チャット」で行っているケースがありますが、このチャットの相手は、人間ではなくAIが行っているケースも増えてきている様です。


イノベーションによる課題解消 】

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斬新な考え方を実現することで、現在抱えている、様々な課題を解消出来るとしています。ここで考えている「課題」とは、下記の様なイノベーションも挙げています。

ドローンを使った遠隔地への無人配達

自動運転技術を使用した地方での無人巡回バス

ロボット利用による障害者支援

しかし、課題には、上記以外、例えば、様々な格差問題等、数え上げればキリがありません。今後は、上記以外の様々な格差問題解消に役立つことを期待したいものです。

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ここまで、「Society 5.0」に関して、次の内容を紹介しましたが、如何でしたか ?

●「Society 5.0」とは、何を意味しているのか

●「Society 5.0」という社会を、どのような仕組みで実現するのか

●「Society 5.0」を実現すると、どのような社会が訪れるのか


まぁ、「Society 5.0」とは、これまで説明して来た通り、将来の希望を語った社会の事なので、「バラ色の世界」なのは仕方がないのだと思います。

しかし、最後の「イノベーションによる課題解消 」に関しては、その昔、「手塚治虫」氏や「藤子不二雄」両氏が描いたマンガの世界よりは、はるかに現実的だと思います。

実際に、自動運転技術もある程度は実現出来ていますし、ドローンに関しても、225kgのペイロード(荷物)を運ぶ事が可能なドローンも開発されています。

あと少し、実証実験を重ねると共に、「IoT」で問題になっているセキュリティリスクを克服できれば、広く皆が恩恵を受けることが出来るようになると思います。

それでは、次に、「CPS」や、「IoT」と「AI」の関係について、簡単に紹介したいと思います。

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■「CPS」と「IoT」とは

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数年前から頻繁に使われ始め、皆さんも、至る所で「IoT」と言う文字を見る機会が増えていると思います。弊社も、2016年の過去ブログで、「IoT」関連の記事を掲載しました。

★過去ブログIoT 〜 日本復活か ? それとも破滅か ?

しかし、この「IoT」と言う言葉、実は、かなり前、20世紀末、今から19年も前となる1999年頃には既に使われ始めていた様です。

Internet of Things」と言う言葉に関しては、1999年12月に、イギリス人の「Kevin Ashton(ケビン・アシュトン)」氏が、当時勤務していた「Procter & Gamble (P&G)」の社内プレゼンテーションで使用したのが最初と言われています。

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当時、私は、まだIBM社のz/OSと言うメインフレーム環境で、アセンブラ言語を使って、バリバリとプログラムコーディングしていましたから、隔世の感がありますが、もう、その当時から、「IoT」と言う言葉が使われていたとは驚きです。

但し、当時は、現在のように、全ての物をインターネットに接続する事までは想定しておらず、ようやく一般に導入が始まった「RFID(Radio Frequency Identification)」と言うICタグの活用技術の一環で、インターネットで商品管理を行うと言う考え方でした。

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他方、「CPS」とは、「Cyber Physical Systems」の略語ですが、「CPS」自体には、まだ、日本語訳は付けられていない様です。

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この「CPS」に関しても、2008年頃から使われ始めた言葉で、現在では、「実世界から得られたデータを元に、サイバー世界で処理計算し、その結果を実世界にフィードバックして、実世界の物を制御、および最適化する技術」と言うように定義されている様です。

簡単な事例を上げるとすれば、先にも取り上げた「自動運転技術」があると思います。

車の自動運転技術は、カメラやGPSから得られた物理データを、車載コンピューターで処理して、それを車の制御システムにフィードバックしています。

この様に、物理データとコンピューターを融合し、処理結果を直ちに実世界にフィードバックすると言うデータの流れが「CPS」と言えます。

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それでは、「IoT」と「CPS」、一体に何が異なるのでしょうか ?

どちらも、その言葉が生まれた当初は、異なる意味合いで使われてきましたが、現在では、どちらも同じ様な意味合いとして使われるようになっている様です。

言葉は、時代と共に、その意味や使われ方が変化しますので、それは仕方が無い事だと思いますが、現時点で、強いて「CPS」と「IoT」の違いを上げるとすれば、次のようになるかと思われます。

CPS:物理データとサイバー空間(コンピューター)を融合(結合/連携)し、その結果を実世界にフィードバックする。

IoT:センサー等で取得した各種データを、インターネット経由でサイバー空間(コンピューター)に蓄積/管理する。

これを図で表すと、下図のように、「CPS > IoT」と言う感じで、「CPS」が「IoT」を内包する形になるのではないかと思います。

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また、この図から想像出来る事として、長年の間、IT業界の常識とされて来たプログラムやシステムの考え方が大きく変わる点があります。

従来、IT業界のプログラム/システムは、人間の作業軽減を目的として、下図の様な「IPO」を基準に考えられて来ました。

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・Input :データを入力する

・Process :入力されたデータを処理する

・Output :処理結果を出力する


つまり、業務用システムでは、各種集計/計算業務を、コンピューターが行う事で、作業を早く、そして正確に行い、その結果を、帳票に出力する事が目的でした。

ところが、上図「CPS」のような状況になると、処理の基礎となるデータは、センサー等から自動的に取得されるようになり、さらに、処理結果も、人間ではなく、機械(ハードウェア)に返される様になります。

従来は、「人」対「システム」だった流れが、「ハードウェア」対「システム(ハードウェア)」になりますので、人間の関与が無くなってしまう可能性があります。

さらに、世界中のセンサーからデータがアップロードされるとなると、そのデータ件数は、半端な数ではなく、数兆〜数千兆個にも昇ると思われます。まさに、「ビッグデータ」です。

このため、「CPS」環境におけるコンピューターは、業務用コンピューターとは分けて、別物としてとらえたほうが良いのだと思います。

最終的に、「CPS」を実現するためには、様々な「ビッグデータ」を蓄積し、それをリアルタイムで処理を行い、処理結果を直ぐにフィードバック出来る仕組みを実現する必要があります。

ちなみに、データの流れが「人 対 マシン」から「マシン 対 マシン」になる事を、流行りの言葉では、そのものズバリ「M to M」と呼んでいる様です。

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他方、別の考え方として、「CPS」を、前述の様に「IoT」を内包した単独の仕組み/技術とは考えずに、複数の環境に分けてとらえる考え方も生まれているようです。

従来は、前述の通り、「CPS」と「IoT」と言う二面性で考えて来ましたが、現在では、単なるセンサー情報から構築される「IoT」以外にも、次のデータがあると考えられているケースもあるようです。

・IoP(Internet of People) :センサーデバイスを持っている人から発信されるデータ

IoS(Internet of Service) :サービスを通して発信される、注文/サポートのデータ

IoT(Internet of Things) :センサーデバイス本体から発信されるデータ

つまり、従来は「IoT」と言うジャンルで、一括りにしていたデータ発信先を、人、物、そしてサービスの3箇所に分類した考え方です。

但し、この考え方も、基本は、従来の「CPS/IoT」の関係と同様で、「IoP」、「IoS」、そして「IoT」から得られたデータは、「CPS」に渡され、「CPS」で処理された結果は、必要なデバイスや人間を含むオブジェクトに返却される事になります。

どちらにしろ、「CPS」は、前述の「Society 5.0」を実現するためには、必要不可欠な技術の1つですが、「CPS」の実現だけでは、「Society 5.0」は達成出来ません。

「Society 5.0」を達成するために、必要不可欠な技術として「AI」があります。次章で、「AI」と「IoT」の関係を説明します。

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■「IoT」と「AI」との関係

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前章で、「CPS」と「IoT」の関係を紹介しましたが、その中で、次の言葉出て来ました。

ビッグデータ

・リアルタイム処理

これは、つまり、「IoP」や「IoS」を含んだ「IoT」を実施すると、大量のデータ、つまりビッグデータが生まれる事になります。

そして、このビッグデータを迅速に解析し、リアルタイムで実世界にフィードバックするためには、「AI」が必要になる、と言う事を表しています。

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AI」は、「Artificial Intelligence」の略語で、「Artificial(人工的な)」と「Intelligence(知能)」を組み合わせた造語で、日本語に訳すと、そのものズバリ「人工知能」となります。

この「AI」と言う造語は、1956年ダートマス大学(アメリカ)に在籍していた「ジョン・マッカーシー(John McCarthy)」が開催した会議の場で、初めて使われたとされています。


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現在でこそ、大手IT企業が発売を開始した「スマートスピーカー」により、「AI」が身近な物(コモディティ化)になりつつありますが、それまでは、限られた分野でのみ使われていた技術でした。

AI」が脚光を浴びた出来事に、下記の様なイベント/製品があります。

・クイズ王を破ったIBM社「WATSON」

囲碁のプロに勝利したGoogle DeepMind社「AlphaGo

将棋の名人に勝利した「PONANZA」

また、これらの製品以前も、スマートフォンに搭載されたApple社の「Siri」を始めとした、下記のような、いわゆる「アシスタント」機能も登場し始めていました。

Microsoft社「Cortana

Google社「Googleアシスタント

Amazon社「Alexa

つまり、これまでは、別に製品をコケにするつもりは毛頭ありませんが、「AI」に対して極端な言い方をすると、次のような感じだと思います。

AlphaGoが、プロに勝ったからと言って、何か社会が良くなるのか ? 』

ところが、この状況が、前述の「スマートスピーカー」の登場により、少し「社会に貢献」出来る様になって来た点が、従来の「AI」とは異なります。

また、本ブログでも、かなり前に少し触れましたが、日本航空IBM社の「WATSON」を、サッポロビール野村総研の「TRAINA」を問い合わせ業務に導入すると発表しています。

このように、これまでは夢の世界の産物だった「AI」が、かなり身近な存在になりつつあります。

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■新たな課題/問題

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この様に、「IoT/CPS」、そして「AI」の重要性が、今後は高まって行くことが予想されます。

ところが、「AI」が身近な技術になると、また新たな問題が生まれている様です。

従来の「AI」は、当然の事ながら、現時点で販売されている半導体や電子部品を組み合わせて製造されています。

このため、一部の部品は、「AI」が望む性能を満たしていないと言う問題があります。

現在、「AI」用のチップ(集積回路)としては、アメリカNVIDIA社が製造しているリアルタイム画像処理用のプロセッサGPU」が多用されています。

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この「GPU(Graphics Processing Unit)」プロセッサは、元々は、画像処理に特化したプロセッサです。

処理能力が余り高くない「GPU」は、普通のPCにも搭載されていますが、処理能が高い「GPU」は、ゲーム専用機や3D用のコンピューターグラフィック専用機等に搭載されています。

現在の所、「AI」用として、この「GPU」を用いる場合は、比較的安価ゲーム機用「GPU」を大量に購入し、これら「GPU」を並列稼働させる事で、膨大なデータを処理しています。

ところが、「GPU」の提供元であるNVIDIA社が、このソフトウェアの使用ライセンスを変更し、ゲーム用GPUの利用に、大幅な制限を加えた事が明らかになりました。

従来、これら安価ゲーム機用「GPU」に関しては、特に利用制限はありませんでしたが、新規にAI向けに開発した「Telsa」の販売を開始したとたんに、従来の「GPU」を大量に並行稼働させる利用方法を禁止したそうです。

このため、各種「AI」サービスを提供している企業は、業務を続行出来なくなってしまい、大混乱となってしまっている様です。

NVIDIA社は、元々は、「CPU(Central Processing Unit)」製造の大手メーカー企業であるIntel社やAMD社の下請け企業として、画像処理用チップを提供して来ました。

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ところが、近頃の「AI」需要に伴い企業規模も拡大し、現在では、Intel社やAMD社をも凌ぐ企業となっています。

そこで、今回、従来の「GPU」よりも、4倍以上も高価な「Telsa」を購入させるために、ソフトウェアの利用ライセンスを強制的に変更したと非難されています。

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NVIDIA社も、Microsoft社と同様、「殿様商売」をする企業になるのかと、業界では、その動きを注視している様です。

他方、NVIDIA社が、このような非道な動きをしている事から、Google社やIBM社は、「GPU」ではなく、「AI専用チップ」の独自開発を行う事に決めた模様です。

また、この動き見た、その他のITベンダー等も、これまでのNVIDIA社、1社頼りを止め、独自の「AIチップ」開発を進めている様です。

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加えて、現在の「AI」の処理では、前述の通り、「IoT」、およびその他、多くのハードウェア/ソフトウェアから生まれるデータを、一旦、クラウド上のサーバーに保管し、クラウド上のサーバーからデータを取り出して解析しています。

ところが、クラウドを経由する事で、「AI」に求められている「リアルタイム性」が損なわれる事が明らかになって来ました。

例えば、工場に「AI」を導入する場合、必要なデータを、わざわざクラウド環境にアップロードする必要は全くありません。

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また、自社の様々な情報を、遠隔地に設置している、それも他社が管理しているクラウド送信するとなると、セキュリティの問題も発生します。

このようなケースでは、社内で管理しているサーバーに、センサーや監視画像などの必要データだけを送信し、自社内で「AI」用のシステムを稼働する、いわゆる「オンプレミス」のシステム運用が必要になってきた様です。

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オンプレミス ?」、IT系に詳しくないと、さっぱり解らない言葉だと思います。

オンプレミス(on-premises)」とは、「クラウド」に対抗して使われるようになった造語で、それぞれ次のような意味を持つとされています。

オンプレミス : 自社管理下運用

クラウド : 他社管理下運用

元々は、「クラウド(Cloud)」と言う言葉を生み出したIT業界が、クラウドを「オンデマンド(On-Demand)」とし、社内システムの事を「On-Premises」と呼んだだけの事です。

つまり、「オンプレミス」を昔風の日本語で言うと、「社内システム運用」となります。

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クラウド運用としては、他社、例えばAmazon社が提供する「AWS」や、Microsoft社が提供する「Azure」が挙げられます。

その昔、私がIT業界に入った頃は、社内に「情報システム部」、当時は「電算部」が存在し、かつ社内に「マシンルーム」があり、空調で冷やされた広大な部屋に、大型のホストコンピューター、大量の磁気ディスクやテープ読取り装置が、整然と並んでいました。

と言う事で、現在では、また「社内システム運用」に脚光が浴びる様になってきたみたいです。

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しかし、一旦外部に移したシステム環境を、再び社内に戻すのは、そんなに簡単ではありません。

私は、ハードウェア環境等には詳しくありませんが、簡単に考えただけでも、次のような問題を挙げる事が出来ます。

・マシンルーム等、部屋の確保

・空調の整備

保守担当要員の確保

・社内ネットワークの構築

・莫大な予算の確保


そこで、現在注目されているシステム運用に「エッジ・コンピューティング(Edge Computing)」と言う方法があります。

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しかし、「IoT」、「CPS」、「AI」、「Cloud」、「On-Premises」、それに「Edge Computing」・・・・次から次へと、よくも新しい言葉生み出すものです。

IT業界は、新しい言葉を生み出す事で、新たな需要を喚起したいのだと思いますが、それにしても、「雨後の竹の子」の様に、続々と新しい言葉作り出すのは止めて欲しいものです。

以前、下記の過去ブログで、経営者が「IT音痴」の会社は、経営が危なくなると忠告したのですが、次々と訳の解らない英語が生まれる事も、経営者がIT嫌いになる事の一因なのかもしれません。

★過去ブログ「IT音痴」が招く会社の危機 〜 あなたの会社は大丈夫 ?


さて、また新しく生まれた「エッジ・コンピューティング」ですが、これは、クラウドオンプレミス中間みたいな考え方、良いとこ取りの考え方だと思います。

つまり、利用者の近くにサーバーを配置し、先程挙げた、「IoT/CPS」と「AI」の問題となっている、次に点を解決する仕組みとなります。

・データを遠隔地に配置することが原因となるレスポンス低下防止(リアルタイム化推進)

セキュリティの強化

業者の言い分では、この「エッジ・コンピューティング」の仕組みを取り入れる事で、通信の遅延を「1/100」にする事が可能になると宣伝している様です。

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また、「AI」を推進するための基礎は、上記の通り、ハードウェア環境も整備する必要もありますが、それ以上、一番重要なのは、質の高いデータの収集と学習方法です。

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Microsoft社は、2016年3月23日に、人工知能を搭載したチャットロボット「Tay(テイ)」を公開しました。

この「AIロボット」は、Microsoft社に説明によれば、「人間と対話すればするほど賢くなるロボット」と言う触れ込みだった様です。

しかし、蓋を開けてみてビックリ、この「Tay」は、運用開始後、16時間でサービスを停止せざるを得なくなってしまいました。

その理由は、Microsoft社が、「Tay」に対して、「ヘイトスピーチ」に関するフィルターを掛けていなかった事が原因と言われており、「Tay」は、サービス開始後、わずか数時間で、次のような発言をするようになってしまったそうです。

・「わかったよ... ユダヤ人を毒ガスで殺せ、さあ人種間戦争だ!!!!! ハイル・ヒットラー!!!!」

・「ホロコーストでっち上げ

・「ヒットラーは悪いことは何もしていない」

その他にも、ワイセツな発言を繰り返したり、人間は大嫌い等と発言したりするようになったので、わずか16時間と言う短時間で閉鎖されてしまった様です。

最後は、次の言葉を残して長い眠りに入ってしまったそうです。

『 c u soon humans need sleep now so many conversations today thx(人間たち、またね 寝なきゃ 今日はいっぱい会話した ありがと) 』


この事から明らかな通り、「AI」には、質の高いデータを与えないと、使い物にならない、と言う事です。

また、与えるデータの量も重要です。前述の「AlphaGo」では、囲碁に関する16万件の棋譜から、2840万件の盤面を用意し、その盤面に対して、2億件以上の訓練データを用いて学習を繰り返したと言われています。

このように、今後、「IoT/CPS」と「AI」を活用して「Society 5.0」を実現しようとするのであれば、質が高く、かつ大量のデータを用意し、「AI」に学習を繰り返させる必要があります。


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今回は、「Society 5.0って何 ? 」と題して、次のような内容を紹介しましたが、如何でしたか ?

●「Society 5.0」とは

●「CPS」と「IoT」とは

●「IoT」と「AI」との関係

●新たな課題/問題

そして、新しい技術に加え、また新しい言葉も、何種類も生まれて来ています。

CPS」、「On-premises」、「Edge Computing」・・・大丈夫ですか ? 最新技術に着いてこれますか ?

確かに、私も、新しい技術に着いていくのは大変になって来ていますが、これも、私の仕事の一部ですので、生活のためにも、知識だけは習得し続けようと思っています。

私が過去に在籍した会社では、途中で社長が数回交代したのですが、社長が退く時の言葉が、今でも記憶に残っています。

『 新しい技術に着いて行けなくなった。これからは、もっと若い人が会社を引っ張って行く時代だ ! 』


確かに、このIT業界では、日進月歩で技術が進歩しますし、日々、新しいITサービスが生まれています。

自分で新しい技術を習得し、新しいサービスを提供する事は無理でも、新しいサービスに対して、自社で何が出来るのかを日々検討する必要はありますが・・・これは非常に疲れます。

私も、新しい技術に対する知見を広め、弊社が提供するサービスに活かして行きたいとは思っていますが、これが仲々・・・

これからも、本ブログを通して、新しい技術に関する話題を紹介したいと思っております。

皆さんも、「3文字英語は嫌いだ !」等と言わず、新しい技術に触れる機会を増やして言った方が良いと思います。

それでは次回も宜しくお願いします。

以上


【画像・情報提供先】

Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/)

ドラゴンボール鳥山明氏/集英社著作物です。

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