少女マンガパワー!展の初日

 行ってまいりました。
 展示には館内でもっとも広い第1企画室を使われています。23名の作家さんがだいたい10点くらい(点数はだいぶバラつきがあります)何かを出していらっしゃいますので、これでも狭いくらい。

 展示を見て「見通す」ということを大事にしているという印象を受けました。見る前から、とりあげる時代の長さを見て、そういう印象がありました。
 この展示は原画だけの展示ではありません。原画は現物を見るしかないもので、迫力のあるものなので展示会となれば見たいと思うものです。しかし、原画はまんがの核、種子にあたるものであって、まんが全体ではありません。複製によって享受されるまんがという存在の片鱗を展示することによってさまざまな形態をとるまんが全体をカバーしようとしています。なのでこの展示は原画展とはアプローチが違うと思いました。スケッチノート、使用されているペンといった原画以前のものから、原画、原画’(ダッシュ)、複製、グッズ、同人誌まで展示されているというのはこれまでなかったのではないでしょうか。私が見た範囲では、こだか和麻さんの個展が原画、複製(版画)、掲載誌、同人誌と揃っていたので近いものがありましたが、個人ですので時代やジャンルの幅がどうしても小さくなります。

 最初に置かれているのは手塚先生の少女クラブ版「リボンの騎士」原画です。ここをはじまりとして、右から順に壁づたいに見ていくと最後まで見られるようになっています(つまり入口へ戻る)。これはまんがのひらきと同じです。流れに沿ってつらつらと眺めていくとちゃんとストーリーが追えるしくみです。ここでは少女まんがの流れが見えるようになっています。でも、それでいてある作家さんだけ見ても充分楽しいし、ポカーンとなんも考えないでかわいかったりかっこよかったりする絵を眺めているだけでも楽しいです。好きなように見ることができる展示になっています。

 中央に展示作品の単行本があり、読めるようになっています。全部ではありませんが、なかなか手にとりにくい作品も含まれてます。

 この日は、北米展の企画をされた徳雅美さんの講演もありました。お話された内容はどうして児童の美術教育が専門の徳さんが少女マンガの展示をすることになったのかとかアメリカ−カナダ展の様子とか。

 売店では図録やグッズが買えます。図録もピンクの華やかなもので持っていてうれしくなる本。解説もポイントをついたものです。全員ではありませんがインタビューもあります。
 めずらしいのがコミックパークの本が置かれているところ。コミックパークの出版物はオンデマンドですから、手にとって見ることはなかなかできません。個人的にオススメは下記2点。U・マイアのはすでに持っていますので、『さすらいの少女』を購入いたしました。

『さすらいの少女』(千葉徹弥)
『くらやみの天使 星はかなしく』(U・マイア(石森章太郎・赤塚不二夫・水野英子の合作))
 赤塚先生の美少年写真が表紙に使われているのもすてきです。

 また行きたいと思います。