You Can Dance

大変ご無沙汰しておりました。まずは日曜日のAOBA NU NOISEにお越しの皆さまありがとうございました&同時にKRF参加の皆さまからは誕生日まで祝っていただきまして大変恐縮です、ありがとうございます!大切に聴きます&大切に着ます!

毎回毎回、記憶があるときは楽しいEVOLのプレイなんですが、今回は80分という長い時間だったので、The Pale FountainsにFree KittenにVOIDにCosa NostraBrian EnoBuck-TickECDAztec CameraBlack FlagPhewに、って絶対食い合わせが悪いと思うんだけど、それがそれでオッケーになっちゃうんだから意外に我々、面白いのかも。というかそれ以上にWaikiki ChampionsによるThe Slits「Typical Girls」のカヴァーには本当に、ここ何ヶ月かで一番心打たれた。出来もだし、その心意気にも、だ。つくづく良いイヴェントに混ぜてもらえているなあ、と感謝することしきり、である。これからもよろしくお願いいたします。

そのような素晴らしい時間を過ごしたり、全く無意識に無感動に仕事していたらあっという間に11月だ。今年も残すところ2ヶ月を切ってしまった。あと2ヶ月、果たして自分は何をこの2010年に刻むことができるのだろうか、とか思って見ても結局このまま過ぎて行ってしまうのかも知れない。まあ気張っても仕方がないのでこのまま淡々と生を刻めれば良いのだが、2010年は色々と喪失の年であったなあ。我が街のHMVだって遂に1店舗になってしまう。この間若い子と話していたらその子はCDなんか買ったことなくて全部ダウンロードだと言っていた。本音を言わせてもらえれば、そんな志の低い奴なんて一体何のために生きているのかわからないのだけれども、それはそれとして世代の違いなんだろう。思えばメディアは様々に変遷を遂げているわけで仕方がないのであろう。別にダウンロードだって、冷静に考えればそれはそれで良いのだし。ってわかってはいるのだけれども、私という人間を中心に据えてこのことを考えるとレコードもCDもなくてPCの中にだけ音楽が存在している、という事態なんて、食べ物の好き嫌いと同じような感じなので説明しようもないのだけれども、気持ち悪くて仕方がない。でもこの世の中はそういう考えを「旧世代のもの」と「前時代の遺物」とか「戯言」として片づけて進化し続けてきたわけであるから、それはそれで世の中の健全な動きなんだろう。

だったらもうこんな世の中滅んでしまえば良いのにな。

というわけではいはい、ダウンロードもしますが基本CDとかレコードで音楽を聴きたい旧世代の人間ですよ、だからBryan Ferryの「Olympia」を聴きますよ、ということだ。前作「Dylanesque」Dylanesqueはカヴァー集だったので、オリジナル曲込みのアルバムとしては2002年の、さほど世間的に盛り上がりがなかったように記憶している「Frantic」Frantic以来である。凄く良いアルバムだったんだがなあ・・・。で、今作はFleaがいたりManiがいたりRoxy MusicのメンバーがいたりDavid GilmourがいたりChris SpeddingがいたりNile RodgersがいたりJonny Greenwoodがいたり、とそれだけでも面白いのだけれど結構それって毎回だったりする。ギターが4本入っててそれが全部名うてのプレイヤーばっかりで且つ出来上がった音は何だか本当に4本入っているのかどうかわからない、とかも。でもそれら一聴して重なってんなー、という音作りが全くもたれないのもやはりいつものことながら意外ではない。とくに今回はそれらの重なりまくった演奏に呼応するように、薄く何層も重ねて出来上がったようなメロディが冴えまくっていて絶妙のマッチングを見せているからだろうか。必然性のある音が鳴るべき場所で鳴っている感じが凄く有機的な気がするのだ。大体Scissor SistersやGroove Armadaのトラックでさえ全くもって浮かずにアルバムの一部になっているのだから感動的である。Ferryさんのヴォーカルは「Dylanesque」の時に若干しゃがれているのが気になったのだけれども、今回はそれを逆手に取って揺れまくりの震えまくりの囁きまくりで、この言葉が適切かどうかわからないのだけれども痛快、の一言である。Traffic、そしてTim Buckleyのカヴァーも当然違和感なぞ皆無で、とくに後者の「Song To The Siren」は「Avalon」に入っていてもおかしくない仕上がりのバンドサウンドで壮大な感じに仕上がっている。この曲のカヴァーは色々あるけれどもこういうアプローチは新鮮で、且つ実に感動的である。ところでこの曲はRobert PlantDreamlandもカヴァーしていて、そのカヴァーの入ったアルバムを先日ブクオフで日本盤で購入したら、ライナーではTim Buckleyは97年に溺死したことになっていて、よくもまあ、そういう物凄く壮大な間違いをいけしゃあしゃあと書けるものだ、と呆れるというよりもむしろ感動したものである。まあ、そういうことばっか私も書いていると、活動休止とか解散とかの問題でこの「日々散歩」上で絡んできたバカと同じレヴェルになってしまうからやめておこうと思うのだけれども、一つ許せないのはこんなこと書いておきながら、このライナー執筆者には金が入っている、ということだ・・・。

って、あまりにも話が脱線してしまったし、このアルバムについてはもうちょっと語りたいことがあるので、明日もこのアルバムについてああだこうだ書きたいものである。