村上龍【フィジカル・インテンシティ】(光文社)

※動物的嗅覚
すばらしいFWの選手は少なからず「変」な感じがする。
怪物ロナウド、コロンビアのアスプリージャ、イタリアのデル・ピエーロ
インザーギキエーザ、オランダのベルカンプブルガリアストイチコフ
それぞれどこか変だ。

※彼らは共通して「動物的」だ。

※すばらしいFWは必ず野生動物に似ている。

私見
著者と同様の感覚を自分も覚えている。
著者は「動物的」と表現したが、自分はそれをもっと具体的に
「シュートの意識」と表現している。

FWにもっとも最初に求めるものは、この「シュートへの意識」だ。
ただ、現在の代表監督(岡田さん早く辞めてね。)はまずディフェンスを
見るらしい。
ディフェンスのできるFW。
そんなFWはいらない。

点を取る形を持っていないFWが前線にいることで、チームとしても
まったく点の入る気配のないチーム、言い換えれば
魅力的でないチームとなってしまう。

僕は現代表監督の岡田氏がどうしても有能な監督とは思えない。
岡田さんがいままで作ったチームを見てほしい。
札幌にしても横浜にしても彼が去った後で何が残ったのかを。

彼は今の選手をすり減らしながら勝ち点を拾っていくタイプの監督だ。

チームを作る。チームの基礎を作る。若手を育てる。
選手交代で流れを劇的に変えることができる。
常勝軍団を作り上げる。
スター選手をまとめあげる。

有能な監督にはそれぞれ異なるタイプがあると思う。

クラブチームは現状を踏まえてどのタイプの監督を呼ぶのかを
検討し(当然予算的な問題もあるだろう)
今後の戦略を練る。

しかし、今の代表のレベルを考えると、アジアの予選で落ちるとは
到底思えない。

しかし、岡田氏がやることで、アジア予選に落ちることも
可能性として残り、しかも選手が次々と壊れていく。

未来に希望の持てないチームとしてW杯を消化してしまうこと
を危惧している。

オシムさんが倒れた後、なぜあんなに急に監督をすえる必要があるのか。

今後の展望を考えて半年、一年をかけてでもよい監督を招聘することが
日本サッカー協会の仕事のはずだ。

その仕事を彼らは放棄した。

そして答えが岡田氏。

いまからどう言っても岡田氏で予選を突破するのだろう。

そこで、本戦では新監督の招聘を強く希望する。

少しはなしが脱線したが、必要なことだと思うのでここに書き示しておきます。

※ある日本人記者のジョーク
「つぎの第3戦目のラツィオ戦ですが、
そろそろ勝ちが欲しいんじゃないですか?」
なんて聞く記者がいたんですよ。

勝ちなんて初戦から欲しいに決まってるわけでしょう?

サンプドリア戦の後の会見で、いきなり「どうでした?」
と聞いた日本人記者がいたらしい。

私見
この国ではまだまだジャーナリズムという言葉は成立していない
と思う一コマだ。

野球のお立ち台のヒーローインタビューで
「ナイスホームランでした。」
「ありがとうございます」
という問答は貴重な時間を使ってまったく意味のない質問と答えを
聞かされて本当にがっかりくる。

それと同様にサッカーの選手に質問したと考える。

野球は企業スポーツであり、個人的な考えでは
本当の意味での「プロ」ではない。

マチュアの延長線である。

マチュアならそれでいい。インタビューもアマチュアレベルの
問答を繰り返していけばいい。

それを繰り返してくれれば地上波から野球中継が減り、
自然と野球の話題がなくなるだろう。

ただ、イタリアで成功を収めつつあった中田に対して
ジャーナリズムのかけらもない質問をした記者がいたことに
失望を覚えるが、

もっとも失望的な気分になるのが、その質問から10年が
過ぎようとしているのに地上波のサッカー中継が
なにも進歩していない。アマチュアレベルであることに対するものだ。

ひどい、ひどすぎる。

せめて実況者は試合の状況がわかるだけの情報が欲しい。
ボールをもっている人物の名前を言うだけでよい。

そこから試合の流れもわかるし、強弱つけることもできるだろう。

しかし、地上波(特にテレ朝はひどすぎる)のアナウンサーは
まったくサッカーを見たことがないのかもしれないが
事前に用意した原稿を読むことに終始して
まったく目の前で行われているサッカーを伝える気がないようだ。

これから代表だけでなくJの試合が地上波中継が増えて欲しい。
だが、こんなレベルの低い実況なら誰も見ないだろう。

ジャーナリズムを持った解説者もいない。

この事が改善されない限り、アマチュアスポーツ・アマチュア報道
が続くだろう。