「ウクライナは今年、負けるかも知れない」(BBC NEWS JAPAN)

ウクライナは今年、負けるかも知れない」(BBC NEWS JAPAN)









https://www.bbc.com/japanese/articles/c99zk4ex1l0o





ウクライナ議会、兵士動員に関する改正法案を可決 兵力の増強狙う







Reuters

キーウ郊外で演習するウクライナ軍のシベリア大隊






2024年4月12日





ウクライナ最高会議(議会)は11日、兵士の動員に関する改正法案を賛成多数で可決した。ウクライナ東部ではロシア軍が前進を続けており、ウクライナは兵力の増強を狙っている。



数カ月におよぶ議論の末に可決された改正法案は、厳しいプレッシャーにさらされているウクライナ兵の数を増やすためのもの。



法案に当初盛り込まれていた、動員された兵士は3年後に動員を解除されるとの条項は、軍の要請により削除された。



ウォロディミル・ゼレンスキー大統領の署名を経て法案成立となる。



同大統領は今月初め、徴兵年齢を27歳から25歳に引き下げる法案に署名するなど、ほかの複数の措置を承認した。



改正法案は、徴兵手続きの厳格化と、徴兵を逃れようとした人に対する罰則の強化も含まれている。



オレクサンドル・フェディエンコ議員は、この法案は「我々には自分たちの領土を奪還する用意があり、武器を必要としているというメッセージをパートナー国に」発信するものだと述べたと、ロイター通信は報じた。



ロシアは兵力でウクライナを上回っており、ウクライナ軍はこのところ厳しい状況に置かれている。



ロイター通信によると、ウクライナのユリイ・ソドル統合軍司令官は法案可決前に議員らに対し、兵士の数でウクライナ軍はロシア軍に1対7から1対10で劣っていると説明。



「我々は最後の力を振り絞って防衛を維持している」、「この法を通過させれば、ウクライナ軍があなた方とウクライナ国民を失望させることはない」と話した。



法案に賛成した議員は283人で、野党議員49人は棄権した。





「動員解除」条項の除外に反発



棄権した議員の一人、オレクシイ・ゴンチャレンコ氏は、兵士が動員されてから3年後に動員を解除されるとの条項を除外した法案には賛成できないと述べた。



「兵役に就いている人や、動員される可能性のある人にとっての最大の疑問は、『自分はいつまで兵役に就くのか』だ。これを抜きにして、この法が動員状況を改善するとは思えない」とゴンチャレンコ氏は述べたと、英紙フィナンシャル・タイムズは伝えた。



国会の外では改正法案から動員解除の条項を除外したことに対する抗議行動が起きた。抗議者の多くには、軍務に就いている親族がいる。



「軍務に就いている男性も女性もとても疲弊している。彼らは2年間も戦い続けてきたのに、誰も彼らの交代を計画していない」と、ある人はロイター通信に語った。



「配置転換を実現するには、新兵がどれだけの時間(前線で)過ごさなければならないのかを知る必要がある」



「動員条件があやふやということは、永久に戦うことを意味する。厳密に定義された条件がなければ入隊する人は1人もいないだろう」



国会関係者によると、動員解除をめぐる問題については今後、別の法案で検討される。



兵役逃れを防ぐ厳しい措置も、法案の最終版から除外された。



法案の主な内容は次の通り。

  • 18歳から60歳の男性を対象に、個人情報を軍当局に提出し、徴兵事務所登録書類を常に携帯することを義務付ける

  • 志願者に金銭的報酬を与える

  • 全ての新兵について、戦闘に加わる前に訓練を義務付ける。18歳から25歳(徴兵年齢以下)には基礎軍事訓練を義務付ける

  • 執行猶予付きの有罪判決を受けた人の兵役を認める

  • 海外に居住する徴兵年齢の男性を追跡する手続きを定める

  • 徴兵当局の要求に従わない人について、車両の運転を禁止する




インフラ施設に攻撃



法案可決の数時間前、ウクライナはロシア軍の激しい砲撃に見舞われた。



80発以上のミサイルとドローンが、11日未明にウクライナ各地の標的を狙った。その多くはエネルギー・インフラを狙ったもので、攻撃の3分の1近くがウクライナの防空網を突破した。



キーウ州を含む3地域における最大の電力供給源だったトリピッリャ火力発電所は完全に破壊された。



ウクライナは西側諸国に対し、さらなる弾薬や防空支援を要請している。



しかし、600億ドル規模のアメリカの軍事援助パッケージは、連邦議会下院で野党・共和党の反対を受けて数カ月にわたり棚上げされている。





(英語記事 Ukraine war: MPs pass long-awaited law to boost troop numbers





関連トピックス ウクライナ侵攻 ウクライナ ロシア 欧州 東欧 政治 軍隊











https://www.bbc.com/japanese/articles/c51nml7rvvko





ウクライナは今年、負けるかもしれないと英軍元司令官 それはどのように







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ウクライナは2年間、ロシアの全面侵攻に抵抗してきた






2024年4月13日





フランク・ガードナー BBC安全保障担当編集委員





英統合軍の元司令官、サー・リチャード・バロンズは、ウクライナが2024年にロシアに対して敗北するかもしれないとBBCに話した。



バロンズ将軍は、ウクライナが今年負ける「深刻なリスク」があるとBBCに述べた。「自分たちは勝てないと、ウクライナが思うようになるかもしれないからだ」と、将軍は理由を説明した。



「その状態にウクライナが達した時点で、守り切れないものを守るだけのために戦い、死ぬことを、大勢が望むだろうか」



ウクライナはまだその状態に達していない。



しかし、ウクライナ軍の持つ砲弾や人員や防空能力は、危機的な状態まで枯渇(こかつ)しつつある。大いに期待された昨年の反転攻勢は、ロシア軍を占領地域から追い出すには至らず、ロシア政府は今や今年夏の攻勢に向けて準備を本格化させている。



では、ロシアの夏の攻勢はどういうものになるのか。その戦略上の目的は、何になるのか。



「想定されるロシア軍の攻勢がどういうものになるのか、それはかなりはっきりしている」と、バロンズ将軍は言う。



「前線のロシア軍は銃弾、砲弾、人員の数で5対1の比率で相手に勝っている。それに加えて、新しめの兵器の導入で、優勢が強化されている。これを利用してロシア軍は徹底的に(ウクライナ軍を)たたいている」







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ウクライナ軍は現在、深刻な兵器不足に直面している。西側諸国での政治駆け引きもこの一因となっている






「新しめの兵器」には、FAB滑空爆弾も含まれる。旧ソヴィエト連邦時代の無誘導爆弾を改良したもので、安定翼やGPS誘導装置を備え、爆薬1500キロを積み、ウクライナ軍の防衛態勢を大混乱に陥れている。



「今年の夏、ロシア側がある時点で、大規模な攻勢を仕掛けると予想される。わずかに相手をたたいて前進するだけでなく、ウクライナ軍の前線を本格的に突破しようとするかもしれない」と、バロンズ将軍は話す。



「もしそうなれば、ロシア軍が突破侵入し、ウクライナ軍がそれを阻止できない位置までウクライナ領内に入り込み、それを拠点にして利用しようとするかもしれない」



しかしそれはどこなのか。



ロシア軍は昨年、ウクライナがどこから攻めてくるか、正確に予想していた。南部ザポリッジャからアゾフ海を目指す方向だ。これを正確に予想し、適切に備え、そしてウクライナの前進阻止を成功させた。



今度はロシアが攻勢に転じる番だ。ロシアは軍勢を集約しているが、次の攻撃局面がどこになるのかウクライナ政府は推測するしかない状態だ。











イギリス王立防衛安全保障研究所(RUSI)の上級研究員、ジャック・ワトリング博士は、「どこに部隊を集中させるか、ロシアには選択の余地がある。これはウクライナが抱える難題のひとつだ」と説明する。



「前線はとても長い。そしてウクライナはそのすべてを防衛しなくてはならない」



もちろんそんなことは無理だ。



ウクライナ軍は地歩を失うことになる」と、ワトリング博士は言う。「問題は、どれだけ失うのか。そしてどの人口密集地がそれによって影響を受けるのか、だ」。



ロシア軍の参謀本部が、どの方向に勢力を集めるのかまだ決めていない可能性もかなりある。しかし、大まかに言って、3つの場所が可能性として考えられる。





ハルキウ



ハルキウはもちろん、かなり危険な状態にある」と、ワトリング博士は言う。



ロシアとの国境に危ういほど近いウクライナ第二の都市は、ロシア政府にとって魅力的な目標だ。



現在は連日、ロシアのミサイルに砲撃されている。ドローン、巡航ミサイル弾道ミサイルという殺傷力の高い組み合わせを阻止できるほどの防空力が、今のウクライナにはない。







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ロシアはドローンやミサイル、砲弾でハルキウを連日攻撃している






「今年の攻勢は、ドンバス地方から飛び出すことを第一目標にすると思う」と、バロンズ将軍は言う。「そして、ロシア国境から約29キロにあるハルキウを手に入れられれば、大きな成果となる。それだけに、ロシア軍はハルキウに注目しているだろう」。



もしもハルキウを失ったとして、ウクライナはまとまった単一国家として機能し続けられるだろうか。それは可能だと、多くの専門家は言う。しかしそれでも、国民の士気と国の経済にとって、悲惨な打撃になるはずだ。





ドンバス



「ドンバス」と総称されるウクライナの東部地域は、2014年以来ずっとロシアと戦っている。ロシア政府に後押しされた独立勢力が当時、「人民共和国」を自称して以来のことだ。



2022年にはロシアが、この「ドンバス」を構成するドネツク州とルハンスク州の両方を違法に併合した。この1年半というもの地上戦のほとんどは、この地域で行われてきた。



ウクライナはこのドンバス地方で、まずはバフムート、続いてアウディイウカという二つの町を失わないようにするため、膨大な人員や資源を防衛戦につぎ込んだ。



その作戦には異論も多く、結果的に両方の町だけでなく、ウクライナ軍有数の優れた兵士を多く失った。



そうした批判に対してウクライナ政府は、自軍の徹底抗戦によってロシア軍は不相応なほど多くの兵士を失ったと反論している。



それも事実だ。この地域での戦場は「肉ひき機」とまで呼ばれている。



しかし、ロシア側には戦場に送り込める兵士がまだまだ大勢いる。ウクライナ側にはいない



アメリカ欧州軍のクリストファー・カヴォリ司令官は10日、米下院軍事委員会で証言し、アメリカがウクライナへの兵器・砲弾供給をかなり急がなければ、ウクライナ軍は戦場で10対1の劣勢に立たされると警告した。



物量は重要だ。ロシア軍は戦術も指揮系統も装備も、ウクライナ軍のそれに劣るかもしれない。しかし、(砲弾の数を含めて)数字の上であまりに優勢なので、たとえ今年ほかに何もしなかったとしても、ウクライナの村をひとつまたひとつと制圧し、ウクライナ軍を西へ西へと後退させることは最低限のデフォルトとして可能だ。





ザポリッジャ



ここもまたロシア政府にとって、魅力的な手柄だ。



ウクライナ南部ザポリッジャは、平時の人口は70万人以上。そして、ロシアの前線に危険なほど近い。



ザポリッジャはロシアにとって厄介なとげでもある。違法に併合したザポリッジャ州と同じ名前の州都だが、それでもいまだにウクライナ領で、住民は自由に暮らしているからだ。



しかし、ロシア軍自身が昨年、ウクライナ軍の攻勢ルートを正確に予測してザポリッジャ南部に強大な防衛線を築き上げたことが、今ではロシア軍の前進を難しくしている。



三重に設置された防衛線からなる、いわゆる「スロヴィキン・ライン」の周辺には世界最大の地雷原が広がる。今や世界で最も徹底的に地雷が敷設された場所だ。ロシアはこれを部分的に解体することもできるが、そうした準備作業はおそらく探知される。







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ウクライナは今や、世界で最も多くの地雷が敷設された場所のひとつだ






ロシアの今年の戦略目標は、領土ですらないかもしれない。ただウクライナの戦意を喪失させ、ウクライナ敗戦はもはや決まったも同然だと西側諸国を説得さえすれば、ロシアにはそれで充分なのかもしれない。



「もはや望みはないという感覚を生み出すこと」がロシアの目標だろうと、ワトリング博士は考えている。



「今年のロシアの攻勢で、双方がどうなるとしても、この紛争を決定的に終結させるようなものにはならない」と博士は言う。



バロンズ将軍も同意見だ。確かにウクライナ軍はいま厳しい状況にあるが、ロシア軍がその優勢をてこに決定的な前進を果たせるかどうかは疑わしいと、将軍は見ている。



「ロシアは一定の戦果を得るものの、突破はできないというのが、おそらく最もあり得る結果だと思う」と将軍は話す。



「(ドニプロ)川まで一気に前進できるだけの、規模と能力の部隊はロシア側にない。(中略)それでも戦況はロシア有利に転じることになる」



確かなことがひとつある。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナ侵攻をやめるつもりなどまったくない。







ロシアのウクライナ全面侵攻、2年間を振り返る プーチン氏はさらに安泰か





ポーカーの勝負で、手持ちのチップをすべてかけているプレイヤーのようだ。ウクライナが防衛に必要な装備を、西側は提供しない――それがプーチン氏にとって頼みの綱なのだ。



北大西洋条約機構NATO)でどれだけ首脳会議が開かれても、どれだけあちこちで会合が開かれ、感動的な演説が相次いでも、プーチン氏の計算通りになる可能性がある。





(英語記事 Ukraine could face defeat in 2024. Here's how that might look





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(投稿者より)



この戦争は本質的には英米のDS勢力とロシアとの代理戦争です。イギリス側から敗戦の可能性について指摘が出たことは大きな意味を持つと考えました。






「ガザの戦争:イスラエルとイランの直接対決が始まる」(BBC NEWS JAPAN・Pars Today)

「ガザの戦争:イスラエルとイランの直接対決が始まる」(BBC NEWS JAPAN・Pars Today)









BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/articles/c51dvn7l6lko





シリアのイラン大使館領事部に空爆、死者多数 イスラエルを非難







Reuters

イラン大使館の隣にある領事部が攻撃され破壊された






2024年4月2日





ジェレミー・ボウエン国際編集長(イスラエル北部)、デイヴィッド・グリテン(ロンドン)、BBCニュース





イランの革命防衛隊は1日、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館の領事部がイスラエルによって攻撃され、将官7人が死亡したと発表した。



シリア国防省によると、イスラエルの航空機が1日午後5時ごろ、同国が占領するゴラン高原方面からイラン領事部の建物を攻撃した。領事部は大使館の隣で、ダマスカス西部メゼ地区の高速道路沿いにある。



発射されたミサイルの一部はシリアの防空システムが撃ち落としたが、他のミサイルが「建物全体を破壊し、中にいた全員が死傷した」という。



現場ではがれきの中から遺体を回収し、負傷者を救出する作業が進められているという。同省は犠牲者の人数や身元は明らかにしていない。



報道などでは、精鋭コッズ部隊の上級司令官モハマド・レザ・ザヘディ准将と、その副官のモハマド・ハディ・ハジ=ラヒミ准将の名前が死者に含まれているとされる。



イラン領事部の建物は攻撃で破壊された。イランとシリアの両政府はこの攻撃を非難した。



イスラエル軍は、外国メディアの報道にはコメントしないとした。



イスラエルは近年、イランや革命防衛隊から武器や資金、訓練などを提供されている武装グループとつながりがっているとするシリアの標的を何百回も攻撃していることを認めている。







シリアのイラン公館に空爆、軍高官の死者多数 激化続く紛争





そうしたイスラエルの攻撃は、昨年10月にガザで戦争が始まってから強まっているとされる。イスラエル北部には、レバノンイスラムシーア派武装組織ヒズボラや、イランが支援する他のグループがレバノンやシリアから国境をまたいだ攻撃を実施しており、イスラエルはそれに対応しているとされる。



しかし、1日の攻撃が深刻な激化と受け止められるのは必至。



イスラエルは、イランとその協力国の決意を試すとともに、敵対する国々への圧力を真剣に強める姿勢を示していると思われる。



イスラエルは、イランとヒズボラがこれまで、一部で予想されていたほど強い攻勢に出てこなかったことに着目。今回、イランとヒズボラが反撃に出るかを見定めるとみられる。



何らかの反応は予想されるが、大勢が思うようなものにはならない可能性がある。ミサイル攻撃ではなく、ある種のサイバー攻撃もあり得る。







Reuters

イラン大使館(左)には被害がなかったとみられる






攻撃現場の写真や映像では、倒壊した数階建ての建物の残骸から煙と粉じんが立ち上っているのが見えた。隣のイラン大使館には大きな被害はなかったとみられる。



イランのホセイン・アクバリ駐シリア大使は、イスラエルF-35戦闘機が「私の居住場所と大使館の領事部、イランの駐在武官を残忍に襲った」と述べた。また、外交官を含む5~7人が殺害されたと、イラン国営テレビに話した。



その後、革命防衛隊は将官7人が殺害されたとする声明を発表。司令官であり「幹部軍事顧問」のザヘディ氏とハジ=ラヒミ氏が死者に含まれているとした。



イランのメディアによると、ザヘディ氏は63歳。革命防衛隊で国外作戦を担当するコッズ部隊の幹部で、2008~2016年にレバノンとシリアで司令官を務めた。ハジ=ラヒミ氏はザヘディ氏の副官とされる。



ザヘディ氏は、イスラエルの長期にわたる暗殺活動によって殺害されたとみられるイラン人としては、最も有名な1人となった。











イギリスに拠点を置くNGO「シリア人権監視団」は、コッズ部隊の高官1人、イラン人顧問2人、革命防衛隊の隊員5人の計8人が殺害されたと報告した。同NGOはシリア国内のネットワークから情報を得ている。



シリアのファイサル・メクダド外相は、「この凶悪なテロ攻撃」を強く非難するとし、「罪のない多くの人々」が殺されたと言い添えた。



イラン外務省によれば、同国のホセイン・アミール=アブドラヒアン外相とシリアのメクダド外相が電話で協議した。アミール=アブドラヒアン氏は、今回の攻撃を「すべての国際的なおきてと条約への違反」だとし、「この行動の結果の責任は(イスラエルの)シオニスト政権にあると非難した」という。



同氏はまた、「国際社会による真剣な対応が必要だと強調した」という。



アメリカ政府の報道官は、ジョー・バイデン大統領が今回の攻撃の情報を承知していると述べた。



イスラエル軍報道官のダニエル・ハガリ少将は1日の記者会見で、イスラエル南部エイラートの海軍基地にドローン(無人機)によるものとみられる攻撃があったとし、「非常に深刻な事案」だと述べた。ドローンについては「イランが作り操作した」とした。



シリアのダマスカスと北部アレッポでは3月29日にも、イスラエルによるとみられる攻撃があった。シリア人権監視団は、この攻撃でシリア軍兵士38人とヒズボラのメンバー7人を含む計53人が殺害されたとした。



1月にもダマスカス西部メゼ地区でイスラエルによるものとされる攻撃があり、革命防衛隊の幹部5人とシリアの治安要員数人が殺害された。



イスラエルはこれまでに、イランの「軍事的定着」や、テロ組織に指定しているグループにイラン製の武器が輸送されていることに対抗するためとして、シリアで空爆を実施したことを認めている。



イランは、内戦中のシリアのバシャール・アル・アサド大統領の軍に「助言」するために革命防衛隊をシリアに派遣したとしている。だが、戦闘への参加や基地を設置は否定している。





(英語記事 Israel accused of deadly strike on Iranian consulate in Syria





関連トピックス 中東 イスラエル イラン シリア 軍隊











BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/articles/cl5qly7j7w5o





ガザのアル・シファ病院、イスラエルの作戦で廃墟に 多数の遺体発見か







Getty Images

大きく破壊されたパレスチナ自治区・ガザ市のアル・シファ病院






2024年4月2日





イスラエル軍が2週間にわたる作戦の末に撤収したパレスチナ自治区ガザ地区北部のアル・シファ病院は、主要医療施設のほとんどが廃墟と化した。イスラム組織ハマスが運営する保健当局は1日、数十人の遺体が見つかったと発表した。



現地住民らは、アル・シファ病院の周辺地域は壊滅状態だとしている。



イスラエル軍は、同病院での作戦で「テロリスト」200人を殺害し、900人超を拘束したと発表。拘束した人のうち500人以上はハマス武装組織「イスラム聖戦(PIJ)」の関係者だとした。また、「病院全体」から武器と情報が見つかったとした。



イスラエル軍が引き揚げた後に公開された画像には、黒く焦げて壁に穴が開いた主要棟の近くを歩いたり、毛布に包まれた遺体を運んだりしているパレスチナ人らが写っていた。黒焦げの地面に遺体の一部が露出している写真もあった。



ガザ保健当局は、同病院が「全く機能していない」と説明。院内と周辺では数十体の遺体が見つかっており、中には腐敗しているものもあるとした。



医師の1人は、これまでに遺体20体以上が収容されたとし、一部は撤収するイスラエル軍の車両に押しつぶされたとAFP話した通信に話した。



ハマスが運営するガザの市民緊急サービスの広報担当は、イスラエル軍が病院の敷地をブルドーザーで掘り起こし、埋葬されていた遺体を掘り出したと述べた。



ハマス政府のメディア対応部門は、イスラエル軍がアル・シファ病院と周辺地域で400人のパレスチナ人を殺害したとした。女性医師とその息子の医師も殺されたとした。







Reuters

アル・シファ病院ではイスラエル軍の撤収後、多数の遺体が発見されているという






一方、イスラエル軍のダニエル・ハガリ報道官は、同軍が「患者、医療スタッフ、周辺の民間人を一人も傷つけないよう特別な努力」をしたと主張。「院内に残っていた患者に医薬品と水を提供した」と述べた。



同軍はこれよりも前に、「病院全体から大量の武器や秘密情報の文書を発見し、テロリストと遭遇して接近戦となった。医療スタッフや患者に危害が及ばないようにした」と説明していた。



世界保健機関(WHO)は3月31日夜、アル・シファ病院で患者21人の患者が死亡したと発表。患者らはたびたび移動を強いられ、治療を受けられない状態に置かれていたとした。



同病院のアミラ・アル・サファディ医師は、集中治療室にいた16人ほどが移動後、治療を受けられずに死亡したとBBCのラジオ番組で話した。その3日後、イスラエル軍は医療スタッフに、遺体を外に埋めるよう言ったという。



患者のバラ・アル・シャウィシュさんは、イスラエル軍が「ごく少量の食べ物」だけ搬入を認めていたとロイター通信に証言。「治療も薬も何もなく、爆撃が24時間やまず、病院は大きく破壊された」と話した。



BBCイスラエル軍にコメントを求めている。







Reuters

ガザ最大の病院だったアル・シファ病院は完全に機能不全に陥っていると、ガザ保健当局は説明している






ガザ市にあるガザ最大のアル・シファ病院は、3月17日夜にイスラエル軍が襲撃した。同軍は、「ハマスのテロリストらがアル・シファ病院内で再編成された」とし、病院が攻撃の拠点として使われていることを示す情報があると主張した。



ハマスは病院を利用したことはないとしている。



イスラエル軍を支持する人々は、今回の作戦は敵に奇襲攻撃を仕掛けて大打撃を与える戦術の成功を示すものだと評価している。軍報道官は以前、この作戦を「これまでで最も成功した作戦のひとつ」だと述べていた。



しかし、一部のコメンテーターは、2度目となった今回のアル・シファ病院への攻撃は、イスラエルの軍事戦略の欠陥を浮き彫りにするものだとしている。その理由として、ガザ北部からイスラエル軍が引き揚げた後に、ハマスとPIJが容易に再編成できたとしている。







EPA

アル・シファ病院の周辺地域では建物の大部分が破壊された






ガザ保健当局は1日、ガザ南部ハンユニスのナセル病院を再開させるため、国際的な支援が必要だと呼びかけた。南部最大のこの病院は、2月にイスラエル軍が襲撃してから機能していない。



ハマスは昨年10月7日にイスラエル南部を襲撃。イスラエルは約1200人が殺害され、253人が人質に取られたとしている。人質のうち約130人は今も拘束されており、少なくとも34人は死亡したと推定されるとしている。



ガザ保健当局は、イスラエルの軍事作戦により、これまでに3万2800人以上のパレスチナ人が殺され、約7万5000人がけがを負わされたとしている。死者の7割は女性と子どもだという。





(英語記事 Gaza's al-Shifa hospital in ruins after two-week Israeli raid





関連トピックス イスラエルとパレスチナ イスラエル 医療 パレスチナ自治区 イスラエル・ガザ戦争 軍隊











(Pars Today)

https://parstoday.ir/ja/news/middle_east-i124062





イスラエルというならず者は制御できるか? イランと抵抗勢力に世界が注ぐ視線





4月 14, 2024 15:27 Asia/Tokyo







イラン・イスラム革命最高指導者ハーメネイー師は、イスラエルアメリカの鎖につながれた野犬にたとえている





6カ月以上にわたって続くイスラエルによるガザ攻撃に対する各国や国際機関の対応の鈍さには、信じがたいものがあります。こうした消極姿勢がイスラエルをますます増長させる結果となっています。イスラエルは根本的に植民地主義勢力であり、その解体は国際社会にとって必須のことです。





この6カ月間のガザ攻撃で、3万3000人以上の殉教者と7万5000人以上の負傷者、およそ7000人の行方不明者と甚大な破壊をもたらしたイスラエル軍が、今月1日になって在シリア・イラン大使館を空爆したことは、様々な観点から検討するに値します。今回の事件はガザ戦争の局面を変え得るものでもあります。イスラエルはこの4月1日という日に、ジュネーブ条約ウィーン条約国際刑事裁判所に関するローマ規程に一度に違反したのです。



大使館空爆を行った1日の朝、イスラエルは2週間にわたったガザ・シファー病院の包囲作戦を「成功裏に」終了したと発表しました。シファー病院はイスラエル軍による包囲・攻撃で完全に破壊され、もはや病院としての機能を失い、人間の墓場と化しました。







イスラエル軍による攻撃を受けたガザ・シファー病院



イスラエル軍の撤退後、同病院からは手足を拘束された遺体や虐待の痕がある遺体、爆破により切断された遺体、イスラエル軍の戦車に轢かれたと思われる遺体などが多数見つかりました。また、映像からは、同病院が食糧支援などがされないままイスラエル軍により包囲されていたことが明らかになりました。



イスラエル軍がシファー病院への攻撃で、病院内にいた患者や医療関係者、ジャーナリスト、避難民などを殺害したことは、1949年のジュネーブ条約への明らかな違反です。



イスラエルによるイラン大使館空爆では、大使館内にいたイラン革命防衛隊の幹部ら7名が殉教しました。この攻撃は、シリアに対する主権侵害であるだけでなく、外交施設内にいたイラン市民に対するテロ攻撃でもあるのです。



イスラエルはこの6カ月間の戦争で、少なくともシリア、レバノン、イランの3カ国の主権を侵害しました。



4月1日の攻撃は、ウィーン条約への違反にあたります。同条約では、外国にある大使館などの外交施設の安全が定められています。こうしたイスラエルの行為に対し何ら措置を講じずにいれば、重大な結果を招くことになります。







イスラエル軍による空爆を受けた在シリア・イラン大使館





イスラエル軍はイラン大使館を攻撃したのと同日、ガザで食糧支援にあたっていた民間支援団体「ワールド・セントラル・キッチン」(WCK)の車列を空爆し、同団体のスタッフら7名を殺害しました。WCKの車列が現場を通過することは、事前にイスラエル側とも調整済みでした。



WCKの担当者は、イスラエル軍が車列を1台ずつ正確に狙って攻撃したと語りました。



国連の担当者も、「昨年10月にイスラエルハマスの戦争が始まって以来、200人以上の人道支援スタッフが殺害された」と語っています。イスラエル軍がこうした支援団体を攻撃対象とするのは、ガザのパレスチナ住民を意図的に飢餓に陥れ、その対パレスチナ差別政策を継続することが目的であることは間違いありません。



こうしたイスラエルの行動は、国際刑事裁判所に関するローマ規程で定められた戦争犯罪に該当します。







ワールド・セントラル・キッチンの車列に対するイスラエル軍による攻撃





この4月1日にはさらに、イスラエル議会(クネセト)がいわゆる「反アルジャジーラ法」を可決し、同局の活動を禁止することを可能にしました。この法律は、名称こそアルジャジーラとなっていますが、それ以外のあらゆる海外メディアも対象となります。



イスラエルはそれ以前から、ジャーナリスト147名やその家族らをガザで殺害しており、この反アルジャジーラ法はそうした自らの戦争犯罪が報道されることを妨害する狙いがあると言えます。







ガザでイスラエル軍による攻撃で殉教したジャーナリスト





米バイデン政権は最近も、イスラエルに対して爆弾や戦闘機など25億ドル相当の武器支援を承認しており、その中には200ポンド級のMK84爆弾1800発や500ポンド級のMK82爆弾500発も含まれています。



米政府はこれ以外にも、戦闘機50機、空対空ミサイル30発、弾薬など18億ドル相当の支援をイスラエルに提供するため、議会に承認を迫っています。



1日の間に病院を破壊し、他国の大使館を攻撃し、人道支援団体を空爆し、海外メディアを規制し、それでいてその戦争犯罪は覆い隠され、アメリカから支援を得られるのは世界中を見渡してもイスラエル以外にありません。これは一体、どのように説明できるのでしょうか?







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タグ イラン シオニスト政権イスラエル イスラエル イスラエルのガザ攻撃 ガザ











BBC NEWS JAPAN)

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イラン、イスラエルにドローンやミサイル発射 米軍が支援し「ほとんど」迎撃とバイデン氏







Reuters

画像説明, イランがイスラエル方面にドローンやミサイルを発射したのに対応し、イスラエルのミサイル迎撃システムが作動した(14日、イスラエル・アシュケロンから)






2024年4月14日





イランは現地時間14日未明、イスラエルに向けてドローンやミサイルを発射した。シリア・ダマスカスのイラン公館が4月1日に攻撃されたことへの反撃が、近く起きると予想されていた。イランが自国内からイスラエルを直接攻撃するのは、今回が初めて。イスラエルとイランの直接対決から中東全域を巻き込む地域戦争に拡大する危険が、広く懸念されている。



イスラエル国防軍のダニエル・ハガリ報道官は日本時間9時過ぎの時点で、イランがイスラエルに発射したドローンやミサイルは200以上だとテレビ放送された声明で明らかにした。



ガリ少将によると、イランは殺人ドローン、巡航ミサイル弾道ミサイルイスラエルに撃ち込んだ。イスラエルの防空システムと地域の同盟諸国がミサイルやドローンの「大多数」をイスラエル領の外で撃墜したという。



イランとイスラエルの間の距離は、約1800キロ。イランによるドローンやミサイル発射の情報を得て、イスラエルレバノンイラクは領空を封鎖。シリアとヨルダンは防空システムを警戒態勢にした。



エルサレムで取材するBBCのヒューゴ・バシェーガ中東特派員は、「エルサレムでは現地時間午前1時45分ごろ(日本時間同7時45分ごろ)、空襲警報が鳴り始めた。防空システムがエルサレム上空で複数の飛来物を撃墜し、大きな爆発音が聞こえた。迎撃は複数回続き、そのたびに夜空が明るくなった」と報告した。



イランの革命防衛隊は声明で、この夜の攻撃は、在シリアのイラン大使館攻撃を含むイスラエルによる「度重なる犯罪」に反撃するものだと追認。作戦名は「真の約束」作戦だと明らかにした。攻撃の内容については、空軍がイスラエルの「特定の標的に数十のミサイルやドローン」を発射したという説明にとどまっている。



アメリカのジョー・バイデン大統領は日本時間14日朝、「イランによるイスラエル攻撃の最新状況について、安全保障担当チームとたったいま会合を開いた。イランとその代理勢力がイスラエルを脅かすなか、イスラエルの安全保障を重視する我々の姿勢は鉄壁だ」と、ソーシャルメディア「X(旧ツイッター)」に書いた。



さらにその後、バイデン氏はイスラエルベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話で会談したうえで、イランによる攻撃を「最大限の強い表現で非難する」と声明を発表。「イスラエルに向かうドローンやミサイルのほぼすべてをイスラエルが撃墜」する上でアメリカ軍がそれを支援したと述べた。



大統領は、「先週にかけて」米軍機や弾道ミサイル撃墜のための爆撃機を地域に移動させるよう命令していたのだと明らかにした。



さらにバイデン氏は、主要7カ国の首脳と14日に協議し、イランの攻撃に対する「まとまった外国的な対応を調整する」とも述べた。



国連の安全保障理事会は14日夕に、イスラエルの要請を受けて、今回の攻撃について緊急会合を開くことになった。



BBCのリーズ・ドゥセット主任国際編集委員は、今回の攻撃がイランの代理勢力ではなく、イランそのものによる点の重要性を強調。「イランとイスラエルは何十年も隠然と戦ってきたが、イランが自国内からイスラエルを直接標的にするのは、これが初めてだ」と指摘し、中東情勢が「予測が難しく、リスクにまみれた未知の領域」にさしかかったと説明する。





「危険なエスカレーション」「これで決着」



イスラエルのハガリ少将は、「イランがイラン領内からイスラエル国家に対して、直接攻撃を実施した」と発表。「イランがイスラエルに送り込むイランの殺人ドローンを、我々は注視している。これは重大で危険なエスカレーション(事態の激化)だ」と、ハガリ少将は述べた。



少将によると、イランの複数のミサイルがイスラエル領内に着弾し、一カ所の軍事施設は軽度の損傷を受けた。具体的にどの軍事施設なのかは、明らかにしなかった。人的被害については、今のところ1人が負傷したという報告しか受けていないと述べた。



負傷者についての詳細を少将は説明しなかったが、イスラエルの救急当局はこれに先立ち、南部アラドで10歳の女の子が落下する破片で負傷し、手当てを受けていると明らかにしていた。



イランの国連代表部は「X」でイスラエルへの攻撃について、自衛権を規定した国連憲章第51条に基づいたものだと説明。今月1日の在シリア・大使館攻撃について、「イランの軍事行動は、シオニズム政権がダマスカスで我々の外交施設を侵略したことへの反応だった。この件はこれで決着したとみなすことができる」と述べた。



そのうえで同代表部は、「仮にイスラエルの政権がまた過ちを犯すならば、イランの反応は今回よりもはるかに厳しいものになる。これはイランと、ならずもののイスラエル政権との紛争であって、アメリカは近寄ってはならない!」と強調した。



イランは、軍幹部が死亡した4月1日の在シリア・イラン大使館施設への攻撃イスラエルによるものだったと見ている。そのため、イランが報復攻撃を仕掛けるのではという懸念が高まっていた。



イスラエルは、イラン大使館への攻撃を認めも否定もしていない。



イランによるドローン攻撃が発表される直前、イスラエルのネタニヤフ首相は、自国の「防衛システムは作動」していると述べ、「防御でも攻撃でも、我々はあらゆるシナリオに備えて準備ができている。イスラエル国家は強い。イスラエル国防軍は強い。国民は強い」と強調していた。





高度の防空システムに安価なドローンを大量に



イランは今回、イスラエルの高度な防衛システムに安価なドローンを大量にぶつけることで機能不全に陥らせた上で、自国の巡航ミサイルが標的に到達しやすくなるよう、攻撃を組み立てたようだと、BBC番組「ニューズナイト」のジョー・インウッド国際担当編集委員は説明する。



イギリスの防衛コンサルタント会社「シビライン」のアナリスト、ジャスティン・クランプ氏は、これはほかでも実施されている戦術だと解説した。



「イランはウクライナで学んだことを参考にしているようだ。ウクライナでも同じように、相手の防空システムを圧倒するため、巡航ミサイル弾道ミサイルとドローンが組み合わせて使われている」



イスラエルの強力な防空システムを突破するには、兵器の質だけでなく量も必要だとイランは判断したようだと、クランプ氏は話す。



ただし、この作戦が成功するとは限らないとも、クランプ氏は言う。「イスラエルウクライナではない。アメリカ軍と、おそらくイギリス軍機が、迎撃を支援している。イスラエル空軍もきわめて有能だし、イスラエルにはさまざまな対ミサイル防衛システムがある。これを圧倒するのは難しい」。





【解説】やられたらやりかえす……全面的な地域戦争に至る恐れ――フランク・ガードナーBBC安全保障担当編集委員



イスラエル対イランとその代理勢力――という構図で長いことくすぶっていた紛争がいつか、片方の国が相手を直接攻撃することで、一気に激化(エスカレーション)するのではないかと、これこそ誰もが恐れていた展開だ。



もう2週間近く、イランの安全保障当局は4月1日にシリア・ダマスカスで起きた自国公館への攻撃にどう反応すべきかを、検討し続けていた。ダマスカス攻撃ではイラン軍幹部が数人殺されており、イスラエルによるものと広く受け止めらていた。



イランの在外公館とはつまりイラン領だ。これを攻撃し全壊させるほどの大規模なエスカレーションには、エスカレーションで応える必要があると、イランがそう判断したのは明らかだ。



イスラエルは何重にも重なる防空態勢を備えている。そして、自国領土への攻撃には反撃すると誓っているし、そうするはずだ。



やられたらやりかえすというこの攻撃と反撃の応酬が、中東地域全体を巻き込む全面戦争にエスカレートする危険が迫っている。それこそが、昨年10月7日にイスラム勢力ハマスイスラエルに奇襲攻撃を実施して以来、中東各国の政府が恐れてきた状況だ。





(英語記事 Israel's Netanyahu says defences are 'ready' as Iran attacks





関連トピックス 中東 イスラエル イラン シリア イスラエル・ガザ戦争 軍隊









BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/articles/cmj6d6x7p60o





イスラエルがイランを攻撃か、中部イスファハンなどで爆発







イスファハン住民が撮影した動画より





2024年4月19日





イスラエルが19日早朝、イランを攻撃したと、BBCアメリカで提携するCBSニュースが、アメリカ当局の話として報じた。



NBCとCNNは、複数の匿名アメリカ政府筋の話として、イスラエルは今回のイランへの攻撃について、事前にアメリカ政府に通知していたと報じた。「(イスラエルによる)その反応を我々は支持しなかった」と、CNNは米政府筋の話として伝えている。



CBSニュースによると、アメリカの政府高官2人が、イスラエルのミサイルがイランを攻撃したことを認めた。



米政府高官2人は、攻撃はイスラエルからだとメディアに語ったが、イスラエルは今のところ自分たちによるものとは認めていない。



しかしその後、イランの宇宙機関関係者がミサイル攻撃はなかったと、ソーシャルメディアで直接否定した。



ホセイン・ダリリアン 氏は、「中部イスファハンやその他の地域に対する国境外からの空からの攻撃はない」と説明。「イスラエルは クアッドコプター(無人機)を飛ばそうという屈辱的な試みで失敗しただけだ。クアッドコプターも撃墜された 」と述べた。



また、ロイター通信はイラン高官の話として、「イランはイスラエルに対して直ちに報復する計画はない」と報じた。



この高官は匿名を条件に、「事件に関する国外の情報はまだ確認されていない。我々は外部からの攻撃は受けておらず、攻撃というより侵入の方向に議論が傾いている」と語った。



ロイター通信は、イラン国営テレビの報道内容として、現地時間午前3時ごろに、イスファハンの上空で3機のドローン(無人機)が観測され、同国の防空システムが作動したと伝えている。防空システムがドローンをいずれも破壊したという。



これに先立ち、イランのファルス通信は、イスファハンの国際空港付近で「爆発音」が聞こえたと報じていた。



イスファハン州には、大規模な空軍基地、主要なミサイル製造施設、いくつかの核施設がある。



イラン国営放送IRIBは、「信頼できる情報筋」の話として、イスファハンの核施設は「完全に無事」だと伝えている。



また、イランの最高国家安全保障会議(SSC)の報道部が「緊急会議が開かれたという外国メディアの報道を否定した」と報じた。







Tasnim News Agency

画像説明, イラン革命防衛隊に近いタスニム通信は、「イスファハンの核施設は完全に無事だ」とする動画を投稿した。写真はその動画より






国際原子力機関IAEA)も、イランの核施設に被害がないことを確認した。



IAEAのラファエル・グロッシ事務局長はソーシャルメディアで、核施設は軍事衝突の標的になってはならないと強調し、「すべての人に極度なまでの自制」を促した。



アメリカのマーク・キミット元国務次官補は、BBCニュースの取材で、イスファハンの重要性と、イスラエルイスファハンを攻撃場所に選んだ理由について次のように語った。



イスファハンは、訓練、研究、そしてイランの核能力の開発という点で、イランの核開発計画の中心地だ」



イスラエルが最も恐れているのは、現時点でミサイルが発射され続けることではなく、明日の核開発能力なので、そのためイスファハンを狙った可能性がある」











イランの国営放送IRIBは、攻撃の報道を大きく扱っていない。



IRIBはメッセージアプリ「テレグラム」に、記者の一人がイスファハン市中心部のビルの屋上に立っている動画を投稿。



「街は安全で、人々は普通に生活している」、「数時間前、上空で音が聞こえた。我々が知る限り、複数の小型無人機がイスファハンの上空を飛行中に狙われたようだ」と、記者は報じている。



記者はまた、「これまでのところ、州当局からは何の情報も得られていない。一部の報道は、イスファハンの核施設が狙われたと言っていたが、我々が調べたところ、この情報は誤りで、狙われた場所はない」とも述べている。



国営メディアはまた、イスファハン州の陸軍高官の話として、被害の報告はないと伝えた。







IRIB

イランの国営放送によるイスファハンからの報道の画像






このほか、イスファハンシラクテヘランを含むイランの主要都市上空で、民間航空機の飛行が一時停止したと、ロイター通信が伝えた。



また、中東を拠点とする航空会社エミレーツ航空とフライ・ドバイの航空機が早朝、説明もなくイラン西部の上空で迂回(うかい)を始めたという報道もある。



イランの国営通信IRNAはその後、テヘランイマーム・ホメイニ国際空港で運航が再開されたと報じた。



欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、「(中東)地域の安定が保たれ、双方の当事者すべてがこれ以上の行動について自制することが、絶対的に必要」だと、訪問先のフィンランドで強調した。



エルサレムで取材中のジェイムズ・ランデイルBBC外交担当編集委員は、「イスラエルは今回の攻撃を公式に認めていないが、イラン領内の奥深くを自在に攻撃できるのだという合図を送ったのだろうと、アナリストたちは見ている」と指摘する。



イスラエル国防軍の元報道官、ヨナタン・コンリカス氏はソーシャルメディアで、「イランは陰に戻ろうとしており、戦略上の要衝イスファハンへの攻撃を、たいしたことではないと言おうとしている。しかし、『イスラエルはイランの防衛を突破して、どこでも攻撃できるのだ』という、(イスラエルの)合図は受け取ったと思う」と書いた。



一方で、イスラエルの極右政党を率いるイタマル・ベン=グヴィル国家安全保障相は、ソーシャルメディアヘブライ語で「弱腰」とだけ書いた。



イランの革命防衛隊は今月1日、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館の領事部がイスラエルによって攻撃され、将官7人が死亡したと発表した。



イランは14日、イスラエルに向けてドローンやミサイルを発射イスラエルベンヤミン・ネタニヤフ首相はその後、イランに報復攻撃を行うと表明しており、中東地域でのエスカレーションが懸念されている。



19日の報道から数時間前、イランのホセイン・アミール=アブドラヒアン外相は米CNNの取材に対して、イスラエルによるいかなる報復に対しても、自国の対応は「即時かつ最大レベル」になると警告していた。



同外相は今週初めにも、14日に行ったイスラエルへの攻撃は、「正当な防衛権の行使」に相当すると述べていた。





<解説>イスラエルの反撃はきわめて限定的の様子――フランク・ガードナー安全保障担当編集委員



イスラエルは先週末、イランによるドローンとミサイルの「大群」攻撃に何らかの形で対応することを明らかにしていたが、どうやらそれが実現したようだ。



これが本当にイスラエルの対応の始まりで終わりだとするなら、その規模と範囲は非常に限定的なものになりそうだ。



今朝のイスファハンは平常に見える。



イスラエルの西側の同盟国、特にアメリカやイギリスは、イランのミサイル攻撃に対して大規模な対応を取らないよう、イスラエル政府に働きかけ続けてきた。



イランによる攻撃は劇的なエスカレーションではあったが、そもそも4月1日にイスラエルがダマスカスのイラン領事館を空爆し、2人の将軍を含む13人を殺害した前代未聞の事態に対する報復だった。



今後の展開は、イスラエルの攻撃がこれで終わるのか、そしてイランが反撃に転じるのか、この2点にかかっている。



イラン国内では反体制勢力が指導部を脅かし続けているだけに、イラン政府はイスラエルとの紛争で、自分たちを勝者と見せる必要がある。



そのため、現地時間14日早朝の大規模なイスラエル攻撃はイラン国内では、「敵に思い知らせる」ためのものだったと吹聴されている。実際にはイスラエルなどの防空システムがミサイルやドローンのほとんどを撃墜したし、死者は出なかったのだが。



いかに面子を守り、自分たちは強いというイメージを守るかが、この紛争の重要な一部だ。しかし同時に、いかに反応を調整し、計算し、抑止力を維持するかも、大事な側面だ。



イスラエルの戦時内閣の中には、もっと大々的にイランを攻撃するよう求める意見も多くあった。しかし、それは危険な戦争拡大につながると、イスラエルの友好各国は口をそろえて警告した。紛争が拡大すればアメリカが引きずり込まれ、エネルギー価格の急騰につながり、大勢が地域から避難しようとする事態に発展すると。



イスラエルは協力国の呼びかけを聞き入れたようだ。それでもイスラエルは、自分たちはイスファハン州にあるイランの核施設のすぐ近くを空爆できるし、次はもっと強力にそこをたたくこともできるのだと、合図を送った。





(英語記事 Israeli missile has struck Iran, US officials say





関連トピックス 中東 イスラエル イラン アメリカ 軍隊









(投稿者より)



14日のイランによる攻撃は日曜日の早朝ということもあり、マーケットへの影響は小さかったです。19日のイスラエルによる攻撃は前場の取引中に情報が入り、株価は前日比で一時1100円を超える下げ幅を出しましたが、その後は戻る動きを見せています。



原油価格は去年12月(67ドル台)から4月上旬(87ドル台)まで緩やかに上昇していましたが、この数日は81ドル台まで下げていました。19日の攻撃により一時86ドル台まで上昇しましたが、間もなく落ち着いたようです。



攻撃自体はいずれも人的な被害を極力避けるよう熟慮されたもののようで、特にイスラエルからイラン側への攻撃についてその事実自体が無かったことは「X」でも目にしました。



ただ、イスラエルによるガザ住民の虐殺行為は目に余るものがあります。国際社会の反発は強く、この戦争を切っ掛けにしてイスラエル国家が消滅に至るシナリオさえあるとも聞いていますので、国民の皆様が早く目覚めて自ら手を引いて頂きたいと願っております。








「中国が見た岸田氏の訪米」(中国国際放送局)

「中国が見た岸田氏の訪米」(中国国際放送局









https://japanese.cri.cn/2024/04/11/ARTImwsvteLhswYQyib89CUz240411.shtml





【CRI時評】日本を仲間に引き入れることで「AUKUS」は過ちを重ねる





2024-04-11 12:44:47 CRI



この2日ほど、米国、英国、オーストラリアが「AUKUS」への日本の参加を検討すると発表したニュースが国際世論の大きな関心を引き起こしている。「AUKUS」が2021年9月に成立して以来、パートナーを発表するのは初めてだ。日本の政府関係者は「AUKUS」の重要性を「認識」していると述べた。多くの日本国民が「AUKUS」が各界の懸念を顧みずに拡大を進めるのは陣営間の対立と核拡散のリスクを拡大させ、アジア太平洋地域の平和と安定を破壊するものだと批判している。











いわゆる「AUKUS」は「米英豪3カ国安全保障パートナーシップ」の略称であり、主に二つの大きなミッションがある。一つ目はオーストラリアへの原子力潜水艦配備と、3カ国による次世代原子力潜水艦の共同研究開発・建造への移行であり、この面での協力は米英豪に限られている。二つ目は新興技術の共同開発・配備と作戦能力の向上で、この面では他の国の参加を積極的に呼びかけている。



では、なぜ日本が最初に選ばれたのか。二つの理由がある。技術的な面では、米英豪はハイテク技術の面でそれぞれ十分とは言いがたい点があるのに対して、日本は量子技術、電子戦および人工知能(AI)分野で優位に立っている。日本は米英豪などの国々とセンシティブな軍事技術を共有することで、自国の防衛能力を増強し、アジア太平洋における軍事的影響力を高めたいと望んでいる。











戦略面で見ると、これらの国々にはそれぞれの「思惑」がある。米国は「AUKUS」をいわゆる「インド太平洋戦略」実現の鍵と見なし、より多くの同盟国を引き込みたいと考えているが、とりわけ高い技術を備え、絶えず平和憲法の制約を突き破ろうとしている日本を参加させることで、中国を封じ込めるという目的を果たしたい。英国は「グローバル・ブリテン」構想を推進し、日本をアジア太平洋問題に絡ませることで、アジア太平洋における英国の影響力を拡大したいと考えている。オーストラリアはこれまで、新たなメンバーが加わることで自国の潜水艦研究開発計画に遅れが生じることを懸念していたが、一つ目のミッションにおける協力の進展が大幅に遅れたことで、二つ目のミッションに期待せざるを得なくなり、日本の参加を支持する方向に転じた。



だが、「AUKUS」の中心は米国であり、その他のメンバーはいずれもその戦略的属国であって、互いの間には相違点もあり、日本が三国同盟の中核メンバーになるのは容易ではない。センシティブな技術については、米国は利己的であり、同盟国に対して依然として疑念と警戒心を抱いている。日本にとっては、こうした軍事色の濃いグループに加わることはよりいっそう米国の対外戦略の「駒」に成り下がることになる。別の面では、日本が欧米と共通の価値観を有していると自負しても、米英豪はどれもが「アングロサクソン」の国であり、東洋の国である日本は一貫して「アウトサイダー」だ。これは、日本が今後、よりいっそう反中の最前線に追いやられ、危険な状況に追い込まれる可能性があることを意味している。(CRI論説員)











https://japanese.cri.cn/2024/04/13/ARTIZJRsPiWGnKFzyyDUJaLk240413.shtml?spm=C96518.PVbUkdW5u3hA.EE4hQ0ZNoURO.8





【観察眼】日米の「グローバルパートナー」は世界を危険な方向へと駆り立てる





2024-04-13 14:14:19 CRI



日米同盟のさらなる拡大、初の日米比首脳会談の開催と海洋の安全保障協力強化での合意、人工知能(AI)、宇宙、脱炭素などの分野での提携の深化……米国を訪問中の日本の岸田文雄首相は既に多くの「成果」を手にしている。











ただ、中国からみれば看過できない事実がある。それは、両国首脳が会談の中で、頻繁に中国をやり玉に挙げており、ここでいう「成果」というのも、中国こそ「世界の平和と安定にとって、これまでにない最大の戦略的挑戦」である、という実態の伴わない仮説を出発点にしていることである。



岸田氏はそうした仮説に基づいて、日米が「グローバルパートナーシップ」を構築し、同士国、同盟国と共に、法に基づいた、自由で開かれた国際秩序と平和を守ることの重要性を訴え続けてきた。



マッチポンプ」という日本語がある。自分の利益のために「意図的に問題を起こす」ことの例えという意味だそうだが、岸田氏の行動を見て、この表現を思い出した。



それはなぜか。



まず、岸田氏は今回の訪米で、その軍事的野心を改めて世界に示した。



多くの日本メディアも口をそろえて報じたように、岸田氏の今回の訪米の主な狙いは安全保障協力にある。岸田内閣はこれまでにも、2022年末に安保三文書を採択して「敵基地に対する反撃能力」の向上を図り、戦後日本が一貫して守ってきた「専守防衛」の原則に大きな風穴をあけた。防衛費のGDP比も2027年までに2%に引き上げることを決定している。その延長線上の動きとして、双方は今回の会談で日米両軍司令部の指揮・統制機能を見直すことで合意した。日本が陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」を2024年度末に発足させ、米側は東京・横田基地にある在日米軍司令部の機能を強化し、「作戦及び能力のシームレスな統合」を目指すという。



分析筋は、これにより、日米安保条約はこの60年間で最大の実質的な変容を遂げ、岸田氏は日本を一歩一歩「戦争ができる国」に引きずり込んでいるとして、自衛隊が対中国軍事戦略を推進する米軍の事実上の指揮下に組み込まれることになると指摘する。



双方はまた、新型兵器の共同研究、開発、生産、販売体制の強化で協力し、情報の収集、分析、偵察などの面でも協力を行う。これに先だって、岸田内閣はこの3月末、イギリス、イタリアと共同開発する次期戦闘機の第三国への輸出を解禁する方針を国会での議論を抜きに閣議決定し、国家安全保障会議NSC)で武器輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定した。2023年末の弾薬や弾道ミサイルなどの輸出緩和に続く、高い殺傷能力を持つ戦闘機の解禁だ。これに対して、日本国内の有識者も、「武器輸出を抑制してきた日本の安全保障政策を大きく変質させることになる」と見ている。



次に、冷戦の産物であった日米同盟は、冷戦終結とともに寿命を全うするどころか、その対象範囲と協力分野は拡大する一方である。こうした変化はどのように生まれ、日本自身はその中でどのような役割を果たしてきたのか。踏み込んで分析する必要がある。



思い起こせば、安倍政権により打ち出された「自由で開かれたアジア太平洋」は、今や米国の国家戦略にまで格上げされている。日米同盟を土台に、日米韓、日米比、日米豪印(QUAD)など一連のミニラテラルの枠組みも次から次へと加わり、世界の分断をエスカレートさせている。



岸田氏は今回の訪問に備えたものか、「グローバルパートナー」という新しい用語を使い始め、この言葉で、「日本は米国と共にある」という決意を繰り返して表明している。ただし、岸田氏が「グローバルパートナー」と呼んでいるのは、あくまで日米の主導を認め、かつ同じ価値観を持つ「同志国」「同盟国」のパートナーに限られており、中国をはじめとする広範な発展途上国の合理的な要望は完全に無視されている。いわゆる「グローバルパートナー」の本質とは、一部の国からなる「陣営パートナー」に過ぎず、真のグローバルな利益とは無縁のものである。



日米首脳が緊密に交流しているここ数日間、無視できないいくつかの動きがある。



まずは、円相場が34年ぶりの安値をつけたことで、日本の経済界に懸念が広がった。そして、米国では高インフレに歯止めがかからず、景気回復の足を引っ張っている。さらに、ウクライナや中東情勢の混乱には出口が見えず、危機的な状況は深まる一方である。バイデン氏と岸田氏の共同記者会見は、米国の中東政策に対する記者からの質問攻めの中で、強引に幕が引かれたことを生中継が如実に伝えていた。対して、ライブ中継を見ていた日本のネットユーザーたちによる書き込みには、国民の本音がにじみ出ている。



「戦争する気?」



アメリカは岸田を第二のゼレンスキーにしようとしている」



「岸田さんはアメリカに住めば」



「経済のことをもっと話し合ってほしかった」



一方、最近の調査結果では、岸田内閣の支持率は既に「危険水域」とされる20%を切っている。ジャーナリストの浜田敬子氏は自身がコメンテーターを務めるテレビ番組で、一連の動きを受けて、「国民の信がない岸田政権が、そこまで広げてやって良いものですか」と厳しく問いただした。



「グローバルパートナー」の今後の動向について、さらなる観察が必要だ。だが、確実に言えることは、「マッチポンプ」を土台に、イデオロギーや価値観で陣営の対立をあおるという考えである以上は、岸田氏たちが言う「グローバルパートナー」は、その標榜する世界の平和、繁栄、発展とは無縁なものであるだけでなく、世界をますます危険な方向へと駆り立てるものにしかならないだろう。(CGTN日本語部論説員)











https://japanese.cri.cn/2024/04/13/ARTI8vgM3SJ7GruTYnZMpQot240413.shtml?spm=C96518.PVbUkdW5u3hA.EE4hQ0ZNoURO.7





【CRI時評】米日比「小グループ」は南海が平穏なのが気になって仕方がない





2024-04-13 15:03:14 CRI











米国、日本、フィリピンの首脳は現地時間11日、ワシントンで初の3カ国首脳会談を行った。会談後は声明を発表し、いわゆる「インド太平洋地域と世界の安全と繁栄」促進のために防衛協力を強化するとし、併せて南海、東海などの地域で国家主権を守ろうとする中国の行動に「懸念」を示した。



こうした光景は珍しいものではない。過去数年、米国は同盟国を引きずり込み、中国をターゲットとした「小グループ」を構築するために少なからぬことを行ってきた。例えば2017年、米国は「米日印豪戦略対話」(QUAD)をとりまとめた。2021年には、米英豪は「3カ国の安全保障の枠組み」(AUKUS)を立ち上げた。これらの組織の本質はいずれも冷戦思考によってブロック政治を行い、潜在的なライバルを押さえ込んで、米国のグローバルな覇権を守ろうとすることだ。



今回、新たな「小グループ」を構築するため、米国がフィリピンを後押しして発破を掛けているのは、南海が平穏なのが気になって仕方がないことを反映している。フィリピンのドゥテルテ前大統領は最近のインタビューで、「南海は元々とても穏やかだったが、米国人が来てから、ここには争いが絶えない」と指摘した。米国は中国の経済発展を阻むために、一部の国を引きずり込んで「中国を排除した経済圏」を作ろうともくろんでいる。



米日比3カ国首脳会談が行われる前、ホワイトハウスの前には多くの抗議者が集まった。彼らは手に「マルコスの訪米を歓迎しない」「フィリピンを売り渡すな」といったスローガンを掲げ、今回の3カ国首脳会談の本質は米国がアジア太平洋で中国に対抗するためにフィリピンを利用しようとしているとともに、フィリピンに主権を守るよう呼びかけるものだと批判している。抗議者らは、米日両国は南海問題の当事者ではなく、南海問題に干渉すべきではないと指摘した。米日比3カ国首脳会談とその冷戦思考は協力どころか対立をさらに激化させ、南海の緊張した局面をさらに悪化させる。



「南海における関係各国の行動宣言」第5条では、紛争を複雑化し、拡大し、平和と安定に影響を及ぼすような行動をとらないよう、各当事者が自制することを約束している。フィリピンの南海における違反行為、挑発行為、南海での紛争を国際化するための外部勢力への依存は、宣言の精神に甚だしく背き、南海の平和と安定を守りたいという地域諸国の願いから逸脱している。



中国は領土主権争いの交渉による平和的な解決を一貫して主張してきたが、これは決して一部の国の理不尽な言いがかりを容認するものではない。米日比「小グループ」の流れに逆らった動きが地域にもたらすものは、決して「安全と繁栄」ではなく、対立と脅威である。(CRI論説員)









(投稿者より)



中国側の主張を知っておくのは悪いことでは無いので、御紹介いたします。