恩原ダム(岡山県)

ダムの形式のうち、珍しいもののひとつがバットレスダムです。
斜めの遮水板、それを支えるの梁と柱による堤体構造です。
最新のものでも戦前に作られたもので、建設材料が貴重だったり、輸送が困難だったころの名残なのかもしれません。

バットレスダムの特徴的な部分は正面ですから、何としても見ておくべきでしょう。
正面へ下る道は閉ざされているため、下流側からの遡行となります。
道路脇のガードレールの切れ目から川へ下ろうとすると、発電所への水路に突き当たりました。
暗渠の上をダム方向へ向かえばダム正面付近まで行けます。
正規のルートとは言えないので、接近しすぎない程度に観察させていただきました。



天端は歩行可能です。



晩秋の訪問でしたが、この日、この冬初めての雪を目にしました。
目の前にはスキー場があり、間もなく雪に閉ざされてしまうのでしょう。
走りやすい道路のない時代、山奥のダム建設は困難を極めたのではないでしょうか。
コンクリート使用量を抑制したバットレスダムは必要に迫られた選択だったのでしょう。



●恩原ダム(おんばら)
位置:岡山県苫田郡鏡野町上齋原
河川名:吉井川水系吉井川
種類:バットレスダム
貯留量:175万2,300m3
管理者:中国電力


2014.11.14