菊花賞検討2

次に前走のレース別に考えてみます。

神戸新聞杯 (7−4−8−50)
セントライト記念 (1−3−1−33)
上記2つ以外の重賞 (0−2−1−11)
1000万条件 (2−1−0−36)
OP特別、準OP (0−0−0−10)
未勝利、5000万条件 (0−0−0−5)

やはり神戸新聞杯組が上位です。もうひとつのトライアルのセントライト記念は関東の重賞であることと、メンバー的に少し劣っていることがあり神戸新聞杯に比べ成績が劣りますね。
準OP,OP特別を使ってきた馬は古馬のOPクラスとやってきたため消耗してきている可能性があるので好走例がないと考えられます。
1000万条件を使ってきた馬はデルタブルーススリーロールス等上がり馬といわれる馬たちでデビューが少し遅れていたためと考えられます。3歳のこの時期は古馬1000万条件レベルで走れれば重賞級といってよく、古馬のレベルによりますがこの組にも注目は必要です。

まずは神戸新聞杯組の菊花賞で好走した馬を書いていくと。
神戸新聞杯の着順に書いていきます。

神戸新聞杯1着
05年 1着 ディープインパクト
06年 2着 ドリームパスポート

神戸新聞杯2着
08年 1着 アサクサキングス

神戸新聞杯3着
09年 3着 セイウンワンダー
08年 1着 オウケンブルースリ
06年 1着 ソングオブウインド
05年 3着 ローゼンクロイツ
03年 3着 ネオユニヴァース
00年 1着 エアシャカール

神戸新聞杯4着以下
08年 2着 フローテーション神戸新聞杯12着)
08年 3着 ナムラクレセント神戸新聞杯6着)
06年 3着 アドマイヤメイン神戸新聞杯7着)
05年 2着 アドマイヤジャパン神戸新聞杯5着)
03年 1着 ザッツザプレンティ神戸新聞杯5着)
03年 2着 リンカーン神戸新聞杯4着)
02年 1着 ヒシミラクル神戸新聞杯6着)
02年 3着 メガスターダム神戸新聞杯4着)
00年 3着 エリモブライアン神戸新聞杯7着)

神戸新聞杯菊花賞を連勝した馬はディープインパクトのみで休み明けでも力の差で勝てるような馬でしかできないようです。神戸新聞杯の連対馬自体成績が余りよくなく、3着の馬の成績がいいようです。
4着以下からの巻き返しが多く、休みあけをたたいて良化した馬の巻き返しと考えられます。03年以降ナムラクレセントアドマイヤジャパン以外は社台系の馬でアドマイヤジャパンも社台の馬を多く購入する馬主の近藤利一の所有馬です。

08年はすこし特殊な年で神戸新聞杯の上位2頭が菊花賞に出てこなかったため大敗していたフローテーションナムラクレセントが上位に来たと思われます。

基本的に一桁着順が目安として考え、春の実績馬なら巻き返しの考慮ありというところでしょうか。

次にもうひとつのトライアル、セントライト記念組の好走馬を見て行きます。

セントライト1着
08年 3着 ロックドゥカンブ

セントライト2着
04年 2着 ホオキパウェーブ
00年 2着 トーホウシデン

セントライト3着
09年 2着 フォゲッタブル

セントライト4着以下
01年 1着 マンハッタンカフェセントライト4着)

好走馬が5頭しかいず、ほとんどが3着内に好走した馬です。
トーホウシデン以外は社台の馬で、基本的に社台の馬しか来ないと考えたほうがいいでしょう。00年は今のように社台の独占状態ではありませんでしたし、トーホウシデンも3番人気に押される馬でした。

その他の重賞から参戦の馬は
08年 2着 アルナスライン(京都大章典3着)
04年 3着 オペラシチー(朝日CC7着)
02年 2着 ファストタテヤマ札幌記念13着)

古馬重賞からの参戦の馬しか来ていません。ダービーからの直行の馬などは無理ということですね。
しかしさらに詳しく見てみると
オペラシチー古馬1000万条件まで勝っていましたし、それまでは3連勝していました。
ファストタテヤマは京都外回りの重賞を2勝していて、あとで書きますが、京都外回りの非根幹幹距離に適正がありました。
アルナスライン古馬相手のG2で3着に入れる時点で力がありますよね。そしてアルナスラインは社台の馬です。

最後に1000万条件から参戦のいわゆる「上がり馬」についてです。
09年 1着 スリーロールス (前走阪神1800m0.7秒差圧勝)
04年 1着 デルタブルース (前走中山2500m、道中3番手ながら上がり最速)
02年 2着 マイネルデスポット (前走京都2400m3着、非根幹距離でのみ2勝)

菊花賞は3000mということで非根幹距離の適正が重要になってきます。

スリーロールスは前走1800mで一気な距離延長でしたが、古馬相手に0.7秒差の圧勝を収めています。前々走は2000mで0.5秒差負けの後1800mになり0.7秒差圧勝なので非根幹距離適正が伺えます。
スリーロールス菊花賞までの根幹距離と非根幹距離の成績は
非根幹(3−1−0−4)
根幹(0−0−0−2)

デルタブルースも前走2500mを遣い非根幹距離で勝って菊花賞に出てきました。少頭数のレースではありましたが、1.8倍と圧倒的人気で先行して上がり最速を記録しました。しかもこの年は皐月賞ダイワメジャー、ダービーキングカメハメハでどちらも菊花賞に出てきていませんでした。コスモバルクが人気を背負い社台としてはどうしても地方馬のG1勝利を阻む必要があったと考えられます。のちの非根幹距離王者ハーツクライがいましたが、このころは追込脚質で菊花賞むきの脚質ではありませんでした。さらに鞍上は地方所属の岩田でした。中央に呼ぶため社台のバックアップがあったと考えられます。
デルタブルース菊花賞までの根幹距離と非根幹距離の成績は
非根幹(1−0−0−1)
根幹(2−2−0−4)
この馬は非根幹距離適正というよりダンスインザダーク産駒らしいスタミナ勝負になったことが大きかったように思われます。

マイネルデスポットは1000万条件を負けて出て来たという特殊な馬でした。さらに菊花賞をスローで逃げ、サンデー産駒のマンハッタンカフェに瞬発力勝負に負けた形です。
マイネルデスポット菊花賞までの根幹距離と非根幹距離の成績は
非根幹(2−0−1−1)
根幹(0−1−2−2)
勝ったのは非根幹距離でのみ、未勝利戦とはいえ京都2200mを勝っています。前走2400mで少し負けているところが非根幹距離馬の特徴といいますか適正の高さを感じます。

先ほどから書いていますが、非根幹距離適正は菊花賞において重要なファクターといえ、特に京都外回りの非根幹距離(1800、2200m)での成績はよくリンクします。

過去の好走馬で京都外回りの非根幹距離レースでの成績は

09年
スリーロールス
未勝利1800m 1着

フォゲッタブル
未勝利2200m 1着

08年
フローテーション
萩S 1800m 1着

07年
アサクサキングス
きさらぎ賞 1800m 1着

06年
ドリームパスポート
きさらぎ賞 1800m 1着

03年
ネオユニヴァース
きさらぎ賞 1800m 1着

02年
ファストタテヤマ
京都新聞杯 2200m 1着

該当レースでの勝ち馬しか拾いませんでしたが、近年では適正の重要さが上がってきて未勝利戦とはいえ勝っていると適正を感じます。
あとは京都外回りに関わらず、どの競馬場でも非根幹距離での成績は重視する必要があります。

今回の出走馬で京都外回り非根幹距離のレースで勝っている馬は

カミダノミ (京都1800m、古馬1000万条件)
ゲシュタルト (京都新聞杯22000m)
ネオヴァンドーム (きさらぎ賞 1800m)
ヒルノダムール (京都1800m 未勝利戦)
ローズキングダム (京都1800m 新馬戦)