ムクク日記 RSSフィード

2017-11-28 解放する映像

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 息子たちに、あるいは自分自身に。

エンドレス・ポエトリー』(フランス・チリ・日本)は、映像詩人アレハンドロ・ホドロフスキーが、旺盛に語る自伝であり、世界史であり、アートである。

 情熱的で奔放な語り口に、意味を問う必要はない。観る者も呪縛から解放されるのである。

2017-11-24 存在した侵略者

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『予兆 散歩する侵略者』(日本、黒沢清)は、本編の前章としてWOWOWで放映された物を再編集したものだ。前半の恐怖感、後半の滑稽感は、本編と違う味わいがある。

 人間の姿をした異星人は、はるか以前から、世界のあちこちに存在していたのかもしれない。人間の顔をしたものの行動がばらばらなのは、当然なのだ。

2017-11-21 戦時下でも

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 戦時下だって、映画は作るし、恋もする。

人生はシネマティック!』(英国、ロネ・シェルフィグ)は、第2次大戦中、砲撃の絶えないロンドンで、映画作りに加わった女の数奇な運命を描く。

 製作の現場・私生活・劇中劇のすべてが絡み合い、切ないが感動的な物語になっている。

2017-11-17 作家とオタク

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……圧倒的少数派かもしれないが、僕にとっては『シン・ゴジラ』は物足りない作品だった。……それが何かと言うと「それで、庵野監督は結局、何をやりたかったわけ?」ということだ。……映画を作るとは、監督のやむにやまれぬ思いを込めるということだ。そういう思いが込められているかどうかが、映画とただの2時間映像とを分ける、たったひとつの定義だと考えている。それがなければ、どんなに優れた映像作品であっても、僕の定義では映画とは言わない」(押井守『ひとまず、信じない』中公新書ラクレ

 定義は、監督によりけりだが、作家とオタクとの差は、認識しておく必要がある。

2017-11-14 この世界で

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 牧師や教団運営者も、抵抗する男も、信用できない。警察さえ、頼りにならない。

『我は神なり』(韓国、ヨン・サンホ)は、誰も頼ることのできない世界の無常さと、そこで生きていくしかない人間の必死さを、実写のようなリアルさで浮き上がらせたアニメだ。