まみ めも

つむじまがりといわれます

権現の踊り子

権現の踊り子
いっときブックオフにやたら町田康がならんでいて、こないだ読んだのがおもしろかったから買ったけれども、読んでみたら、これ、読んだことあった。どこ文庫か忘れたけど、オレンジ色の背に権現の踊り子の文字列の記憶あり。「工夫の減さん」のタイトルだけでやたらおかしくなったり、「ふくみ笑い」の終わり方にガビーンとなったり、数年前とおなじ反応をしていることに気づいた。それにしたって町田康の小説というのは、ズンドコズンドコわけのわからない馬鹿げたリズムを繰り返し聴いているうちに妙な虚脱をおぼえ、ぼーっとリズムにまかして読んでいるうちにトランス、そのトランスした果てになんにもない淵がのぞくようで、びびる。
毎日毎日暑い。あんまり暑いので、あついでは物足りず、あ"つ"い"と文字も汗をかいてしまう。朝の通勤でいやというほど汗をかいて会社につくときにはどろどろべたべたの溶けたアイスクリームみたいになっている。筈氏に、マミチャン、顔にオリーブ油を塗ったみたいだよなんていわれてしまう。いや、豚脂といわれなかっただけよかったと思おう。おそらく成分的には豚脂と似たようなもんなんだろう。いっぽうで、この暑さにも白い脛を閃かしてハイヒールも軽快に歩いているうつくしい人などあって、それはそれはまぶしい。わたしはといえば、蚊の刺され痕、痣、低温やけど、もろもろしみになった素足を晒しており、肩身のせまいことこの上なし。申し訳ないきもちでうつむき加減に歩いていたらカンペールのミロモデルを履いた両足が目に入ってすこしだけ、気持ちが上昇気流にのる。アイスコーヒーの缶だって汗をかく。夏だなあ。