まみ めも

つむじまがりといわれます

きみは赤ちゃん

火曜、雲はあるが晴れ。予定日。ひる前健診にでかける。ヘモグロビンが11.0になっていたので鉄剤とビタミンB12は処方ストップ。3283g。ブックオフに寄るが収穫なし。こまごまと買い物を済ませて帰宅。おそ昼はカレーライス、食後にスーパーで買ったティラミス。午後はなんとなくくたびれたのもあって、録画してあったNHKの番組をソファでみる。過去の番組の再放送をやっているプレミアムカフェという番組で、
「食は文学にあり 漱石と鴎外 文豪の食卓」1999年3月21日
きょうの料理「作家の食卓 向田邦子 たけのこのつけ焼き」2000年4月25日
の二本立て。「食は文学にあり」は嵐山光三郎が案内役で、道場六三郎が再現する鴎外と漱石の食事を、江國香織池内紀がたのしむ内容。きょうの料理は、向田邦子の妹で「ままや」をやっていた和子さんが向田邦子の料理を再現する。江國香織池内紀も、動くところをはじめて見たので、それだけで得した気分。夏目漱石がたべていたぬか漬けのぬか床がお孫さんに受け継がれていて、それを食べるときの前のめりの江國香織の気持ちが手に取るようにわかる。きょうの料理では、朴訥な和子さんが終始うつむき加減で料理するのを、後藤アナがフォローしていて微笑ましかった。煮物の残りのたけのこに醤油を塗って焼いたり、わかめとかつお節をじゃっと炒めたり、どれもざっかけないお惣菜で、それもまた向田邦子らしくてよかった。

きみは赤ちゃん

きみは赤ちゃん

里帰り先の図書館は、全館貸出中の資料以外は予約をいれられないのもあって、浦和では100人超待ちの「きみは赤ちゃん」も貸出可になっている。それなのにいつもエッセイの書架にみつからないで借りられずにいたが、分類番号をしらべたらエッセイとは別の書架にみつかった。川上未映子が妊娠し、うまれた息子さんが1歳になるまでをつぶさに綴った連載で、かなりあけすけに書いてある。しんどい話もあるのだけど、未映子調のおかげでシリアスにならずに読める。マタニティ・ブルーと産後クライシスを経験した川上未映子が「出産を経験した夫婦とは、もともと他人であったふたりが、かけがえのない唯一の他者を迎え入れて、さらに完全な他人になっていく、その過程である」というのは本当に傷口にしみるような生々しい痛みを伴ったことばで、この本はとことん他人にしかなれない男のひとにぜひ読んでもらいたい。