まみ めも

つむじまがりといわれます

たましいのふたりごと

初場所琴奨菊が三横綱をやぶる見事な相撲で初優勝。千秋楽の取組は家族みんなテレビ桟敷でかじりつきになって観戦し、ヤッターと万歳した。おとうさんがおじいちゃんの写真を握りしめる姿、盟友豊ノ島と肩を叩き合う姿(豊ノ島は「一番くやしくて一番うれしい」とコメント)、朴訥さ溢れるインタビュー。琴奨菊が小学校3年生のときに、相撲好きだったおじいちゃんが仲間と一緒に家に土俵を作ったというエピソードもいい。今場所は遠藤も照ノ富士も休場し、調子のよかった勢は怪我で脚を腫らして痛々しく、心配ごとが多かったけれど、最後は国技館じゅうが琴奨菊を応援していた。きょうは日刊スポーツを買いにいこう。

予約してあったト本。

作家・詩人として日本文学の最前線を疾走する川上未映子と当代一の人気歌人穂村弘が、ジャンル、性別、世代を超え、創作の秘密から恋愛観、ひとに言えない性癖まで、78のキーワードで攻めあった迫真のトークセッション。

川上未映子穂村弘、編集部がキーワードを出しあって対談。川上未映子穂村弘も、それぞれのキーワードを並べただけでパッチワークのように川上未映子穂村弘の色柄になっているのがおもしろい。表紙はお互いに選んだキーワードの筆跡がならぶデザイン。川上未映子はブログで「字がこんなに公的なものとして固定されるさまは、なんともいえない衝撃がありますね……顔なんかより、よっぽどパーソナルなものである感じがすごくして、なんか、めっさ、動揺しました」といっているけれど、その気持ち、よーくわかる。芳名帳は死ぬほど苦手だし、自分の手蹟はこの世に残したくない一番の痕跡かもしれん。なんたって、みみずののたくるような字で、押しも押されもせぬわたし自身そのもののようなちまちました筆跡なので、みるたびに情けない。ときどき、書道展なんかで貼り出してあるのを見かけると、こうやって字を人前に出せるのは立派なことだなあと本当に感心する。裏表紙には川上未映子の字で「実力派女優」とあるのに、本のなかにはなかった。気になる。