まみ めも

つむじまがりといわれます

木暮荘物語

セイちゃんが先の木曜だったか、小学校の運動場でクワガタを見つけて連れて帰ってきた。指先でつまむとつぶしてしまいそうな小さなクワガタで、虫かごにいれておくと、夜な夜なかすかな気配を醸している。のぞくと大体ひっくりかえっていて、梨をやったりバナナをやったり試しているけれどどうにもいけない様子がする。虫のひそかな気配というのがうすら気持ち悪いのに妙にどきどきしながら気になって世話を焼いてしまう。もう家族のだれも見向きをしなくなったクワガタ、光をあてるとかすかに脚先を動かすだけになってしまった。

木暮荘物語 (祥伝社文庫)

木暮荘物語 (祥伝社文庫)

ト。

空き室あります! 駅から徒歩5分、築ウン十年。安普請ですが、人肌のぬくもりと、心地よいつながりがあるアパートです-。一見平穏な木暮荘の日常を描く、心温まる物語。『Feel Love』掲載作品を書籍化。
シンプリーヘブン
心身
柱の実り
黒い飲み物

ピース
噓の味

はじめての三浦しをん。「『罪と罰』を読まない」で憎からず思っていたよ。だれかとだれかがすぐごっちゃになるんだよ、たしか、三浦しをんは。世田谷代田の駅にいくことはこの先あるかないかわからない、たぶんないだろうけれど、いったら柱ににょっきりを探してしまうに違いない。見つけてしまったらどうしよう。