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2009-09-24 ボードゲームインストラクション論について考える このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

最近、自分の中で第何次かわからないけれどもボードゲーム熱が再熱しております。元々ボードゲーム歴が長いということもあるのですが、ゲームを持っている数もそれなりにあったりするのでボードゲームを遊ぶ場にボードゲームを持っていくことも多かったりして。


そうやってゲームを持ち込んだ時には、持ち主ですから当然のように僕がルール説明とかをしています。今回は、僕がそういうルール説明について気をつけていること、どうやったらわかりやすい説明になるか気をつけているポイントについて考えてみることにします。


なお、このお話はゲーム初心者に対して説明することを想定しています。ボードゲーム歴が○○年にもなり、プレイしたゲームの数は両手でも数えられないなんて人は想定していません。また、あくまで僕なりの考え方であって、これが全て正しいわけじゃないということもあらかじめ書かせていただきます。


説明の流れを考える


ゲームでも何でもそうなのですが、だいたいにおいて説明するときの鉄則といえば


「大きなものから説明し、細部へと順に説明していく」


ということです。最初に全体像を把握してもらい、だんだんと細かいところを説明していくのがわかりやすい説明のコツだったりします。理由は簡単で、まず全体像がわからないと細部の説明を聞いてもよくわからないことがほとんどだったりするからです。聞いている側に全体像を把握してもらうことで、次からの説明のどの部分を注意して聞いていけばいいのか、心構えをしてもらうことができるのです。


ゲームの初心者や、そのゲームをやったことが無い人が一番困るのは


「これっていったいどういうゲームなの?」


ということです。


だったら、まずはそこを説明しちゃいましょう。つまり、このゲームは何をするゲームで、何をしたら勝ちなのかということを大雑把で良いので説明をします。そうすることにより、だいたいのゲームの概要がわかるとともに、この後説明されるルールのどこに注意して聞けばいいのかがわかりやすくなるからです。


ゲームの目的がわからないまま細部だけ聞いても、頭に入ってはいきません。なので、ゲームの目的および、プレイヤーの立場、そしてこれはどのようなゲームであるかという説明を最初に行います。その後で、だんだんと詳細のお話にもっていくようにしましょう。


詳細のお話として最初にしたいのは駒とかボードとかカードの説明です。プレイヤーは魅力的なこれらの駒などの説明を早く聞きたいに違いありません。なので、これらの駒などが何を意味するものなのかを説明するのです。また、その方が後々の説明をやりやすくなるというメリットもあります。


その次に説明するのは、ゲームによってわかれますが、だいたいの場合はプレイヤーがどのようにしてゲームを行うか、がいいでしょう。一体プレイヤーはこの世界でどのようなことができるのか。プレイする順番はどうなっているのかを説明するといいと思います。手番となるプレイヤーが行うことができる行動についても簡潔に、できれば箇条書きのように説明していくといいでしょう。


そして、だんだんと細部の説明に入り、最後に例外処理的な説明に入っていけばいいのです。

なお、最初に大まかに話したゲームの目的や勝利条件なども、ここでもう一回詳しく話すといいでしょう。


たとえば名作ボードゲームカタンの開拓」の説明だったらこのような流れはいかがでしょうか?


・このゲームは開拓をするゲームです。プレイヤーは未開の地の開拓者となり、土地をどんどん開拓していくのが目的です。(目的とかプレイヤーの立場とか)

・開拓をするには資源が必要です。プレイヤーは土地に小屋を建てて、その土地から採れる農作物などを使って新しい小屋や道を造ることができるのです。このタイルが土地で、色によって違う農作物が採れることをあらわします。農作物は全てこれらのカードになっています。この駒が小屋で、この駒が道になります。(ボードとか駒の説明とか)

・じゃんけんで勝ったプレイヤーからゲームをスタートします。プレイヤーは自分の行動が終わると時計回りで次のプレイヤーへと交代していきます。各プレイヤーは自分の手番には、さいころ2つを振る、交渉する、建物などを作る、イベントカードを使うといった行動をとることができます。これらの行動は、さいころ2つを振る以外はカードがある限り何回でも行うことができます。(プレイヤーのできることとか)

・各土地には番号が割り振られています。プレイヤーの手番に振ったさいころ2つの目の合計と同じ番号が割り振られている土地から、作物が出てきます。ここで作物の出た土地の周りに小屋を作っていると、その土地の作物を収穫することができます。これは他の人の手番に振られたさいころであっても、自分の小屋が作物の出た土地に作られていれば、作物を手に入れることができます……

(以下略)


プレイヤーができることを列挙する

これは説明の流れのところと少し重複する部分があるのですが、プレイヤーが何をできるのかの説明にも少し気をつけていることがあります。


それは、手番プレイヤーが何をできるのかを最初に列挙するということです。プレイヤーが行えることに種類があるのならば、最初に何種類かを言い、手番がいくつもの局面(フェイズ)に分かれているのだったらそれを列挙するという案配です。


例えばドミニオンというゲームの場合はこんな感じです。


「手番プレイヤーは、3つのフェイズを順番にプレイすることになります。それはアクションフェイズ、購入フェイズ、手札補充フェイズです。それぞれのフェイズは順番に行うので、逆戻りとかはできません。アクションフェイズではアクションカードを使うことができます。購入フェイズではお金カードを使って場に出ているカードを購入することができます。手札補充フェイズでは、そのときの手札を全て捨て、山札から5枚カードを引きます。では、アクションフェイズから詳しく説明していきましょう……」


カサブランカというスパイのゲームだったらこんな感じでしょうか。


「プレイヤーが手番に行える行動は、次から言う3つの中から1つだけになります。まず、スパイを動かすこと。2番目は、スパイに賄賂を贈ること。そして3番目はスパイに暗殺の指令を送ることです……」


プレイヤーは自分の手番に何が行えるのか、ということに興味があります。当たり前ですよね。それをしなきゃ勝てないんですから。なので、一体何ができるのかを説明するときに、まず最初にできることを列挙しちゃうのです。そうしたら、これまた注意して聞くところが明確になりやすいというわけです。何のことはない、ここでも「まず大枠から説明し、細部へと順に説明していく」という鉄則を守っているだけだったりします。


本当は、各プレイヤーの手元に手番プレイヤーが何を行うことができるのかを箇条書きにしたものを配るのが一番なのですが、そういうものを準備するのをついつい忘れちゃうので、ここは反省したいと思っています。


ゲーム用語を使わない


ある程度以上ゲームに慣れちゃった人が陥りやすいのは、ゲーム用語を使って説明してしまうということです。このゲーム用語というのは大変くせ者でして、ボードゲームの世界観などを表すのに必須である反面、ゲーム初心者には全く理解されていないものも多く含んでいます。


こういったゲーム用語を、さも知ってて当然のように使われると、その用語がわからない初心者にはつらいものがあります。なので、ゲーム用語はできる限り使わないようにするといいと思っています。


もちろんゲーム用語を使わないとルール説明ができない、ゲームがわからなくなるという事もあります。そんなときにはゲーム用語を使うのですが、そういった時でも必ず説明を入れるようにしましょう。


「このゲームは自分でデッキを育てていくゲームです。」


と言われても、「デッキ」が何のことかわかっていない初心者にはちょっとわかりづらい説明になります。これを、このように補足説明を入れるのです。


「プレイヤーはそれぞれ自分のカードを一カ所に伏せておいておきます。この山札のことを『デッキ』と言います。このゲームは、この『デッキ』を育てていくゲームなのです」


ゲームをやり込んでいる人にとっては当たり前の言葉であっても、それが必ず通じるとは限りません。仮に英語であっても、ちょっとは補足説明を入れておくといいでしょう。


後は、他のゲームにたとえるのも、そのゲームをわかっているか確認してから行うといいでしょう。「これはまあ、○○というゲームで言うところの△△みたいなもんだよ」という説明は、わかる人にはこの上なくわかりやすいのですが、○○というゲームを知らない人にはさっぱりわかりません。


ちなみに個人的に気をつけている言葉としては、ダイス、ターン、ラウンド、フェイズ、アップデート、デッキなどがあります。まだあるけど、とっさに出てきませんので思い出したら追記するかも。


勝ち筋を説明する


ここは賛否両論あるのはわかっているのですが、僕はなるべく説明しちゃう派だったりします。つまり、どういう風にすると強いですよ、とかを最初に説明しちゃうのです。


ボードゲームの中には、序盤の動きに定石と呼ばれる戦法があるものも少なくありません。そういった定石を知っているのと知らないのとだと、序盤のうちから大きな差ができてしまう場合があります。初心者は当然定石なんてわからないわけですから、経験者との間に大きなハンデができてしまうでしょう。


もちろん自分であれこれ試行錯誤してみて欲しいから、勝ち筋はあまり説明しないという意見はわかりますし、それはそれですごく正しいと思います。でも、やっぱりゲームは勝っていると楽しいじゃないですか。序盤のうちから大差をつけられちゃうと、そのゲームはなんかちょっとつらいものになったりしちゃうこともあると思います。


だからこそ、定石などがあるのだったら、それを最初に説明しちゃうといいと思います。また、勝ち筋が複数ある場合にはそれも言っておくといいでしょう。


例えばドミニオンでしたら

・高いカードほど強いので、まずはお金が重要。何を買うか困ったらお金を買うといい

・ただし銅貨は(よっぽどのことが無い限り)買わない方がいい

・お金が8貯まったら、とりあえず属州を買っておくといい

・デッキ圧縮とはどういうものか。屋敷を廃棄できるなら廃棄しちゃってもかまわない

あたりのことは最初に言っておくといいかもしれません。この辺はゲームによって定石があるもの無いものとがありますので、どこまで話せばいいのかは難しいところですね。


サンプルプレイを見せる


説明するときはなるべく実際に駒などを動かしながら説明するようにしましょう。

ただ駒を見せながら「これはこういうカードです」という説明をするよりも、実際に動きを見せた方がわかりやすくなるのは明らかです。


そして、できれば、ターン制のゲームだったら1ターンか2ターンぐらい実際にサンプルプレイとして動かしてみたいところです。この時には、手札などは全て公開した状態にし、こういう考えでこういう風にこれは使います、ということを説明しながら行います。


「習うより慣れろ」という言葉がありますが、まさにその慣れろを実践するわけです。

1回普通にプレイして、2回目が本番でいいじゃないかという考えもあるかもしれませんが、結構ボードゲームって1回にかかる時間が長かったりします。1回遊び通した後は疲れちゃって、もう1回する気力がわかないかもしれません。ましてや、序盤からどうすればいいのか今ひとつよくわかっていなかったりすると、ずーっとやらされている作業感がして疲労も増すかもしれません。


だとしたら、本格的にゲームを始める前に、ほんの数分でいいので最初のところを公開状態でプレイして、どういう流れのゲームか、どういう風に考えていけばいいのかを知る時間を作るのです。そうすることで、初心者でも動きなどがある程度以上わかった状態で遊ぶことができるし、より楽しむことができるんじゃないかと思います。


面白コンボの説明は最後にまわす


ゲームの魅力を伝えるのに、これとこれを組み合わせるとこんな面白いことができる! という例を挙げるというものがあります。このコンボ(組み合わせ)要素が大好きという人もたくさんいるでしょう。僕もあれこれ色々と組み合わせを考えたり使ったりするのが大好きです。ですが、こういうコンボの説明を最初のインストラクション時に入れるかどうかは難しい問題だと思っています。ゲームに慣れている人には、手っ取り早く魅力が伝わりますが、ゲームに慣れていない人には、「へー」とか「ほー」とかで終わってしまい伝わらない可能性もあるからです。


というのも、この面白コンボの説明というのは、言うなれば「笑い話をする人が笑ってしまう」状態になる可能性が高いものでもあるからです。


「こないだこんな面白い話があってね……ぷぷっ」


と、笑いながら話された笑い話はちょっと面白さが減ってしまいます。これは、自分だけが面白くて思わず笑ってしまうことで、相手にお話が伝わらない(話し手が笑うことで話が中断されてしまう)からです。


面白コンボや、こないだこのゲームをやっててこんな面白いことがあって……というお話も、ともすればおもしろがっているのは話し手だけということになってしまう可能性が高いのです。


さらにコンボ要素があるゲームの場合、コンボを成立させるためにはルールを把握しておかなければなりません。ルール説明の途中でコンボの話が出てきても、まだ説明されていないルールを使ったコンボだったりすると、聞いている側は「あれ、そんなルール聞いていないよ?」という気持ちになってしまいます。


なので、僕は基本的にほとんどのルールを説明し終わった段階で、なるべく簡潔に「これこれこういう風に組み合わせて使うことができたりもします」というようにしています。


終わりに


長々と書いてきましたが、以上のことがだいたい僕が注意している点です。

なんだか当たり前のことだらけのような気がしてきました。まあ、当たり前のことを当たり前にやれるのが一番大事ということで。


後は話し方とかでも注意していることがあったりするのですが、その辺は長くなり過ぎちゃったのでまた別途まとめる機会があったらまとめようと思います。