コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

SalesforceとOffice365の連携機能紹介の紹介

今年2015年のDreamforceでは、Microsoft CEOのサティア・ナデラ氏登壇が話題になりました。Salesforceとの連携を自らデモしていたのには僕もびっくりし、感心してしまいました。

 

そんなこともあって、実際に試したい、やりたい、というリクエストが多く来ています。MicrosoftSalesforceの連携は、プレゼンチャートで理解するのと、体験するのとではまったくインパクトが違いますからね。

 

そんな折、Microsoftエバンジェリストの松崎さんが設定方法をブログに書いてくれました。もう僕がやっつけで作った設定ガイドを案内する必要もないですw ありがとうございます!

Salesforce と Office 365 の連携機能紹介 - 松崎 剛 Blog - Site Home - MSDN Blogs

 

 

 

かわいい製品

僕のとなりに座っている同僚が言うんです。

「デモしてて、かわいいって言われたの初めてですよ」

 

彼の担当しているのは、Salesforce Analytics Cloud。誰でもデータ分析できる、モバイルからでもできる、という製品です。専門家でなくても誰でもデータ分析ができるので、”データ分析を民主化する”だなんてことをマーケティングメッセージとして言っています。

 

実際にAnalytics Cloudを触ってみると分かるのですが、動きがいわゆる”ヌルヌル”しているんです。グラフ化すると、ヌルーっと動く。円グラフから棒グラフに変えてみると、ヌルーっと変わっていく。

 

そんな様子をデモで見てお客様は、「かわいい!」とおっしゃられたのでしょう。

 

Analytics Cloudは、BIの専門家ではなく、一人の営業、一人のマーケティング、一人の社員に使ってもらうために生まれた製品です。そういう普通の人に使ってもらうためには、ユーザーインターフェースは凄く重要です。買ったはいいけど、使われない。これじゃダメですよね。いかにも使いたくなるUI、これだからこそ、普通の人につかってもらえて、効果を出してもらえる。

 

エンタープライズ・コラボレーションの世界では、Slackというサービスがぐんぐん伸びています。機能は他製品と大差ないんですが、ユーザーインターフェースが優れています。使いたくなるUIなんですよね。これと同じようなことがデータ分析にも起こるのではないかと思っています。

 

ヌルーっていっても分からないですよね…。そんな場合は、是非デモを御覧ください。来る12月3日、4日でイベントやります。3日は両国国技館です。相撲リングです。ここでプレゼン・デモします。皆様のご来場をお待ちしております!

 

 

一人の高校生の想いに応える複数のメディア

 先日、ある一人の高校生が日曜日の夜遅くに、Yahoo知恵袋にどうしたらセールスフォースに入社できますか?という趣旨の投稿をしました。そしてその35時間後の火曜日の午前中に、弊社セールスフォースの採用担当が回答しています。

 

パッと見は、”高校生の質問にも真摯に答えるセールスフォースという素敵な会社”という出来事に見えるかもしれません。しかし私は、その舞台裏に本質があると思います。それを解説します。

 

以下の図が今回の流れです。順を追って見て行きましょう。 

 

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① 高校生はセールスフォースのコマーシャルを見ています。弊社を知った方法の1つです。セールスフォースというB2Bの会社を高校生が知っているというのに、私を含め、私の周りの社員ははじめ驚きました。最近になってテレビコマーシャルを流すようになりましたが、やはりテレビというメディアの力はまだまだ健在です。 

 

② 高校生はYahoo知恵袋に質問を入れています。Yahoo知恵袋の最近のメディア力には強力なものがありますが、こういったQAフォーラムは形としては古いながらも新しい可能性を持っています。Quoraが企業と求職者の間のダイレクトチャネルになっていたり、最近、WiselikeというQAサービスが巨額の資金調達をしたことがニュースになったりしています。QAは、それだけコンテンツとしての魅力があるのでしょう。

 

とあるBotが、このYahoo知恵袋のポストをTwitterに流しています。

 

④ ある社員がソーシャルメディア上でセールスフォースを検索していたところ(日頃からこの社員はやっています)、この投稿に気づきます。こういった熱心な社員がセールスフォースにはいるからいいですが、普通はこんなことを趣味でやりませんよね。そこは、ソーシャルメディアのリスニングツールが活躍するのでしょう。ちなみにセールスフォースでは、いわゆるエゴサーチを定常的にやっていて、会社としてソーシャルメディアをウォッチしています。弊社受付の少し奥には、ソーシャルコマンドセンターというツールを利用したモニタリングの様子が見えますので、弊社へお越しの際には是非ご覧になってください。

 

⑤ 前述の社員が社内SNSのChatterにポストしています。社外のソーシャルメディアと社内のソーシャルメディアがつながった瞬間です。マーケティング、リクルーティング、コミュニティマネージャーなど、各部門の社員、マネージャーがChatterで会話し、回答することを決定し、回答内容をレビューして決定します。社外へのレスポンスを早めるには社内のスピードを上げなければなりません。社内のスピードをChatterが加速しています。

 

Yahoo知恵袋へ回答します。

 

 

ソーシャルメディアYahoo知恵袋とTwitter、社内SNSChatter、そして従来メディアのテレビ。一人の高校生の想いに複数のメディアが関わり、応える。これぞソーシャルエンタープライズです。

 

 

 

顧客とつながる、パートナーとつながる外向けサイトの作り方

これだけ世の中が ”デジタルマーケティング” だとか ”顧客エンゲージメント” だとか言われていても、会社情報や自社商品情報の一方的な発信のみの外向けWebサイトだけしか持っていない企業は多いでしょう。

 

お客様をつなぎとめておき、自社のファンになってもらうには、双方向である必要があります。社内のサポートメンバーなどとコミュニケーション出来る仕組みは、うまくすると、顧客ロイヤリティの向上につながるでしょう。

 

また、代理店などのパートナービジネスをされている場合は、パートナーと一緒に仕事を進めていく仕組みが必要です。いわゆる Partner Relationship Management というやつですね。この場合、社内の営業管理アプリケーションと統合されていないと、パートナーを孤立させてしまうシステムが出来上がってしまいます。

 

つまり、これからの外向けシステムは、社内の社員や業務アプリケーションを外とつなげることが必要となってくるのです。

 

Salesforce Community Cloudは、このための仕組みを提供します。

 

社内では、SFAやForce.com上のカスタムアプリケーション、そしてChatterでのコラボレーションが行われていますが、これらアプリケーションやコラボレーションを、Community Cloudによって、外のユーザに開放してセキュアに使ってもらうことができます。つまり、Community Cloudは、社内の仕組みを社外へ拡張するための仕組みなのです。(下図) 

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Salesforceの超強力な仕組みを、外向けサイト構築に使えるのですから、これは強力です。

 

Force.comでのアプリケーション開発は、他にはないスピードで行えます。(参考エントリ:SalesforceのPaaSが普通のPaaSではない理由) これは、アジャイル開発には特に有効で、外向けシステムのように、お客様やパートナー様の反応を見て、どんどんサイトを進化させることが必要な外向けサイト構築にはピッタリです。

 

Salesforce Chatterは、業務アプリと連携できるのが特徴で、だからこそ社内SNSが活性化しやすくなります。(参考エントリ:社内SNSを活性化するためにテクノロジーができること)ファンサイトなどを活性化させるのはかなり難易度の高い仕事ですが、Chatterであれば、外向けコミュニティの活性化にも効果を発揮します。

 

PonoMusic様は、そんなCommunity Cloudをうまく活用されたお客様です。

 

PonoMusicは、ニール・ヤングが立ち上げたサイトです。彼は、世の中の音楽がMP3音源であふれ、人々の耳が本来の音源が持つ音から劣化した音に慣れてしまっていくのを危惧していました。そこで、本物の音楽を知ってもらうために、自らハイレゾリューションのミュージックプレーヤー「Pono Player」を作り、このサイトで販売し、世の中に広めようとしています。

 

こういう新しい取り組みを広げるために効果的なのが、ユーザコミュニティですね。ファンを作り、コミュニティを活性化させ、盛り上げていくのが、サービスを広げていくのにものすごく重要です。PonoMusicは、商品情報とChatterを融合させて、ユーザの会話を活性化しています。まさに、過去エントリ「社内SNSを活性化するためにテクノロジーができること」で言った、アプリケーションとコラボレーションの統合を、B2Cのユースケースで実現しています。(下図)

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さて、このCommunity Cloud、名前のせいか、Chatterを使ったサイト構築ツールと誤解されやすいのですが、Community Cloudは、別にChatterを使わなくてもいいです。業務アプリケーションを外に公開する目的だけで利用するケースも沢山あります。アソシア様の事例がまさにそうで、保険代理店業務をCommunity Cloudで行っていて、年間1000万円のコスト削減になっているそうです。

 

 

Community Cloudは、今度のセールスフォースのビッグイベント「Salesforce Summer」で、私がプレゼンを務めるブレークアウトセッションでもご紹介します。このブログエントリで少しでも興味をもっていただけたら、是非、足を運んでいただけたら嬉しいです!

SalesforceのPaaSが普通のPaaSではない理由

最近思うのですが、ブログのタイトルに「〜のたった1つの理由」と書かれているのが沢山あるけれど、その理由が、よく読んでもボヤけていてよく分からないものが多いなと思いませんか?自分自身のブログがそうならないように、最初に答えを書いておきます。

 

SalesforceのPaaSであるForce.comは、どの業務アプリでも使うであろう汎用的な部品を最初から持っているので、普通のPaaSではないんです。だから、開発スピードが圧倒的に速いということなんですね。

 

私がまだSalesforceに転職してきたばかりでForce.comの研修を受けに行った時のことです。Force.comはPaaSだと思って講義を聞いていたのですが、パラメータに、「会計年度」とか出てくるんです。PaaSですよ?PaaSって、作ったプログラムを動かす実行環境ですよね?IT臭漂うパラメータがずらりと並んでいると思うじゃないですか。なのに、「会計年度」。

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これを最初に見て、私は理解しました。「ああ、Force.comは業務アプリを作るのが超得意なPaaSなんだな」と。

 

これだけじゃありません。フィールドのデータ型に、「自動採番」というのがあるんです。もうこれ、業務システムで普通に作る機能じゃないですか。作らなくても、もうあるんです。それも、データ型として実装されている…。

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Force.comでは、セキュリティの設定も業務アプリ的です。

 

いわゆるACLの話なんですが、普通、ACLって、データベースがまずあって、そこにこのユーザーにアクセス権を付けるって設定しますよね。あくまでもデータベース中心、システム中心。

 

Force.comではどうやるかというと、まずユーザープロフィールがあって、このプロフィールを持つユーザは、これとこれとこれにアクセスできるって設定をするんです。ユーザプロフィール中心、業務中心。

 

その他、ワークフローエンジンは標準で組み込まれているし、レポートやダッシュボードもプラットフォームの機能の1つ。最近だとモバイル対応も必須でしょう。社内SNSのようなコラボレーションも業務システムと連動すべきです。Force.comは、これら連携業務システムに必要な一般的な機能は、もう最初から用意してくれています。

 

これを図にしたのが下です。青い部分が用意されている部分。赤い部分が自分で作らなきゃいけない部分です。

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 Salesforceは、SFAから始まった会社です。ある時、「SFA独自の部分を取り除いて、汎用的な業務アプリ基盤として使ってもらおう」と言って出したのがForce.comなんですね。だから最初から業務アプリに必要なものが揃っているというわけです。

 

他のPaaSは、普通は下から積み上げていきます。IaaSのようなシステム基盤がまずあって、データベースサーバ、アプリサーバー、というようにシステムを積み上げてサービスを成長させていきます。上からか、下からか、アプローチが違うということです。それがこの違いにつながっています。

 

こういう、業務アプリを作るのに特化したPaaSを、Application PaaSと言います。(この辺りは、私の上司の関のブログに記載) 2014年には、ガートナーがAPaaSのマジッククワドラントを出しています(下図)。 

 

 ただ、APaaSは、業務に踏み込んでいる分、業務アプリとしての「型」みたいなのがあって、そこから外れて何か開発するというのは得意ではありません。「型」があるからこそ生産性をあげているので、それは仕方ないですね。なんでも自由に作りたいということであれば、PaaSの方がいいです。だから、SalesforceもHerokuを持っています。

 

万能なツールは世の中には無いので、何が一番大事かを見極めて、うまくツールを選択したいですね。

 

魔法使いが教えてくれたApple Watchのキラーアプリ

私がApple Watchを使い始めて2週間経ちました。ワンタイムパスワードをさっと手首で確認できるのは早くて便利だし、時計画面には次の予定や天気やタイマーの残り時間が確認できて、さながら個人ポータルのようです。そのタイマー、私は時間を区切ることで仕事の生産性を上げようとしていますが、そこに活用できています。ワークアウトアプリでは、心拍数を確認しながらジョギングできて、無理なくランニング。RunKeeperや音楽再生も走りながら手首で操作。日頃はアクティビティアブリのおかげで、歩く時は早歩きになりました。そして一番の特徴である通知機能のおかげで、奥さんからの電話やメッセージに必ず気づくようになり、怒られることも少なくなったのです。

 

さて、私の会社の隣の席には魔法使いが座っています。この人は、Salesforceといろんなモノをつなげる魔法を知っています。Google Glass, ドローン、Pepper、レゴのロボット、その他いろいろなオモチャが転がってます。その魔法使いが「IFTTTでApple WatchをChatterにつなげられるよ」と、魔法が使えない私に教えてくれました。

 

IFTTT(イフトと読む)は、様々なWeb上のサービスを簡単に組み合わせられるWebサービスです。IFTTTは、"IF This Then That"の略で、つまり、「これが起こったら(トリガー)あれを実行する(アクション)」という指定をするだけで異なるWebサービスを組み合わせることができるIFTTTの特徴を表しています。

 

例えば、「指定時間の天気予報情報を(トリガー)、自分のGoogleカレンダーに入れる(アクション)」というような感じです。スマホとも連携できて、「最寄りの駅に近づいたら(トリガー)、通知を送って乗り過ごし予防する(アクション)」なんてのも出来ます。スマホGPSと通知サービスを組み合わせてるのですね。私はこれを利用して、「クリーニング屋に近づいたら、通知を送る」という設定を、引取がある日に設定しています。会社の帰りにクリーニング屋に寄ろうと思ってToDoリストに入れていても、いざ駅を降りると、仕事で疲れているせいか、そのまま家に帰っちゃうんですよね。でもIFTTTを設定することで、クリーニング屋に近づくと、Apple Watchがブルブルと振動して教えてくれるので、これから忘れることはなくなるでしょう。

 

IFTTTの凄い所は、非常に多くのサービスが対象になっているところです。今もどんどん増えています。各サービスはチャネルと呼んでいて、予めユーザIDとパスワードを指定(OAuthで認証認可)していおくと、そのチャネルが使えるようになります。今流行りのIoTなんてのも簡単にできます。例えば、自宅に近づくと家のライトを自動的にオンにするといった使い方です。

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Chatterもチャネルとして登録されています。さっきのクリーニング引取の例などは、事業所に出社したら、社員に「今日は避難訓練です」、「社食で特別メニューやってます」などのメッセージをApple Watchに送るなどというユースケースに発展できそうです。

 

また、IFTTTから”Do Button”というApple Watch対応アプリが提供されていて、ボタンを押すとトリガーを発生させてアクションを起こすということができます。お客様先にApple WatchでチェックインしてChatterで共有などということができますね。

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Apple Watchの特徴である、確実に通知に気付くという点と、iPhoneを取り出さずにすぐアクションできるという点を、IFTTTでもっと活用できそうです。

 

ただ、企業の本番利用では、セキュリティや安定性、サポートなどの点で問題になるかと思います。実証実験やデモなどで利用する程度に留めておいたほうがいいでしょう。Salesforceでは、Salesforce1モバイルアプリがこれからApple Watch対応になりますし、Salesforce Wear for Apple Watchというツールキットは既にオープンになっていますので、アプリを開発することが可能です。最近、デモムービーが出来ましたので、是非御覧ください。 

 

 

Apple Watchは、これから出てくるであろうアプリで、その価値がどんどん上がってくると思います。キラーアプリと呼ばれるものも増えてくるでしょう。IFTTTは、少なくとも私にとっては現時点でのキラーアプリの1つです。2週間経って、そろそろApple Watchに飽きてきたアーリーアダプターの皆さん、試してみる価値はありますよ。

 

Apple Watchの企業利用はどうなる?

Apple Watchが発売されましたね。おっさんばっか買っているという話もありますが、立派なおっさんの私も入手してみました。

 

何が便利って、会社のVPNをつなげるのが楽になりました。今年から会社のネットワークに入るのに2要素認証が必要になり、iPhone 取り出してSalesforce Authenticatorというアプリでワンタイムパスワードを入手しているのですが、このSalesforce AuthenticatorApple Watch対応になって、いちいち iPhoneを取り出さなくてもよくなりました。まさに、Apple Watchのメリットとして言われていることが実現できています。

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認証に関しては、心臓の鼓動でユーザを認証するというNymiというデバイスが登場していますが、Nymiが出しているプロモーションビデオを見ると、Apple Watchも数年後にはこうなるんだろうなと想像が膨らみます。

 

ただ、もう一つメリットとして言われている、”通知”はいまいちですかね・・・。今は粒度が粗すぎるんです。もっと、重要な人・コト・テーマだけに絞って通知を受けたいのに、現状は大雑把。そう思う人は多いと思いますので、そのうち各アプリ機能対応してくるでしょう。

 

とりあえず、今はiPhoneのメール設定で、重要な宛先をVIPにして、そこからのメールだけ通知をもらうようにしました。Salesforce1モバイルアプリについては、まだApple Watch対応されていなく、通知は通知センター経由で受けられるのみなので、内容が見えません。そこで、reply@chatter.salesforce.comをVIPに指定しました。これで、Chatterでメンションされたりコメントされたりした場合、メールとして確認できます。今年の秋には、Salesforce1モバイルアプリがApple Watch対応になる予定なので、それまではこれでやってみます。

 

さて、ウェアラブルデバイスのビジネス利用について、Salesforce Researchからレポートがでています。今年2015年2月27日~3月1日に、USの企業ユーザ1455人を対象にオンライン調査し、そのうち、既に使っているまたは使う計画のある500人を中心にまとめたものです。Apple Watchだけではなく、FitbitやGoogle GlassOculus Riftまで、広くウェアラブルデバイスを対象としています。

 

どれくらい企業で使う予定なのか?

79%の企業が戦略的に取り組むだろうと考えているようです。今後2年で3倍の伸びです。BYODを取り入れているところが先行するようですね。スマートウォッチの場合、確かに企業が社員に配布するというより、BYODの方がしっくりきます。Salesforceのような会社は、社員に配布しかねないと思いますが…。ともかく、普及はアプリ次第ですね。

 

ユースケースは?

社員向けには、手始めに、セキュリティアクセス、時間管理、コミュニケーション手段などから始まり、今後2年で、顧客データへのアクセス、リアルタイムデータ分析、ハンズフリー現場でのヘルプ手段、トレーニング(グラスを利用してトレーナーが何を見ているかを見せる)、ARでのガイド提供、社員健康管理、などが考えられているようです。顧客向けのB2C用途には、ロイヤリティプログラム、ポイントオブセールス、統合された購買体験、One to Oneマーケティング、など。

 

どんなウェアラブル・デバイスが使われる?

スマートウォッチが49%でトップです。その次に、グラスやストラップ。ストラップは、原文では"Lanyard"となっているのですが、恐らく、社員証がスマートになっていくということなんだと思います。私はこちらの方が現実的かなと思います。腕時計は趣味趣向が強いものなので、iPhoneのようには広まらないだろうし、それを社員に強制するというのも厳しい。であれば、Nymiのようなデバイスに社員証機能をつけて右手につけてもらうというのがいいんじゃないかなと思います。

 

課題は?

なんか沢山あるような気がしますが、レポート内では、ウェアラブルデバイスからのデータ分析と言っています。今後、ウェアラブルデバイスが発信するデータは加速的に増加していくでしょうから、そこから Actionable Insights をどう引き出して企業競争力向上につなげていくかと考えているということでしょう。日本だと、セキュリティとか労務管理とか、出来ない理由を先に考えがちですが、USは課題を前向きにとらえていますね。

 

 

さて、Apple Watchが先週金曜日に発売されて、今日が実質上最初の労働日。ネット上では仕事でApple Watchを使った感想が出てくることでしょう。まだまだアーリーアダプターしか使わない、いや、おやじしか使わない状況でしょうけれど、働き方を変えるインパクトを持ったデバイスだと思います。引き続き、”ウォッチ”していきます。