ことばのちから

もう10日も前のことで恐縮ですが、亜洲モバイル人柱隊のTJさんの報告で、スティーブ・ジョブス氏のスタンフォード大学卒業祝賀スピーチが紹介されていました。各所でも取り上げられているとおり、大変素晴らしい内容です。


TJさんも、スティーブ・ジョブス氏のスピーチに重ね合わせるように、10数年前のご自身を振り返りながら現在の心境をBlogで報告されています。私が書くのも大変生意気なのですが、そちらも大変熱い内容であり、読んだあとしばらく何も手に付きませんでした。


私はお二人のことばに重ね合わせ得る過去を残念ながらもっていませんが、祝賀スピーチと人柱報告、何も関係が無いように見える両者の共通点をTJさんの報告を通じて感じることができました。


私はこれら2つの行為に共通するのは、後続に対する「愛」ではなかろうかと感じました。と同時に、1995年の暮れに売れた谷沢永一さんの本「人間通」の脱稿間際の一節を思い出しました。少々長いですがここに引用させていただきます。


「人間は新し物好きでありながら同時に新規を畏れ憚かる。新しく世に現れる物は常に必ず怪しげである。しかし一寸見には正体不明の首を傾げたくなるような分野から、実は次の時代を主導する文明の利器が成長する。変わったことは良いことだと刮目して期待すべきであろう。人間の組織でも生産の行程でも、発展は新しい原理への転換に端を発する。その悉くが成功する保証はないにしても、次元を異にする発想のなかから未来が芽生えるであろう。健康な精神は明日を信じる。自分が去ったあとのこの世になお幸せあれ輝きあれと念じる明朗な心躍りを楽しむべきではないのか。(脱稿)」


熱いことばは政治的立場を超えて心に染み入るものです。でも、私が一番ハッとしたのは、実は


「でも彼の言葉の、本当の意味がわかるのはもっと後からかもしれません。」


というTJさんのコメントなのでした...
(遅蒔きながらトラックバックにてコメントに代えさせていただきますm(__)m)