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根こそぎリンダ

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Wednesday_2015.5.6 エッセイの連載が決まりました。

 さて、相変わらずダメな感じなんですが、それはそれとして、ひとつお知らせ出来ることがあります


 出版社ウェブサイトにて、エッセイを連載することになりました。

http://mess-y.com/archives/category/column/musyoku

 題して、「無職アラサー男性人生相談」、既にタイトルからして、かなりダメな感じです。


 サイゾー運営する女性向けウェブサイト女性向け!!! 完全アウェー!!!

 女子の素直な“ウラの欲望”に迫った本音情報サイトmessyメッシー)にて、今日連載がスタートしました。


 本当にダメダメな、でも、青春エッセイです。


 最近ブログの方が中々更新出来ない状況でした。これは単に、会社辞めてまで書くことに賭けてる(ハズ)なのに、趣味ブログ更新していていいのか? というような思いが主な理由でした(中々書けない、というのもあるのですが)。

 それに、なんだか年々、(前に書いた日記よりも面白いクオリティ日記を書かなきゃダメだ)みたいな自己規定エスカレートして、文章量も長大になり、時間的にも一日じゃとても書ききれなくなっていたり、色々自分の中で日記を書くハードル無駄勝手に大げさになっていた、という理由もあります(そんなに、たいしたものじゃないはずなのに)。

 それが今回、連載として書かせて頂くことになり、〆切りも発生しますし、仕事であるということでも、モチベーションを新たに持ち直すことが出来るようになりました。また、当然ながら一記事あたり、文字数のおよその目安や制限もあるので、やけに長大な身辺雑記を書こうとする、みたいな隘路に陥ることなく、テンポ良く進んでいけるようになるかと思います


 だから、まだしばらくの間、この日記更新出来ないかもしれません。数少ない、この日記を楽しみにして頂いている方にはとても申し訳ない、心苦しいことなのですが、かわりにこのエッセイを読んで、もし楽しんで頂けたら、とても嬉しいです。


 このエッセイは、ある意味ではこの日記の続編のつもりで書いています。なので、ぜひぜひお読み下さい。


 最近、ですます調で文章を書くのにも慣れてきて、まだ完全に校了してないのですが、次回はもっと面白くなっている(はず)です。尻上がりに、もっと笑えて切ない内容になっていくと思うので、期待して下さい。


 というわけで、今後およそ一年の間、毎週にわたってエッセイを連載します

 本気で書いていますし、すごくやる気です。

 どうか読んで頂けたら、それだけで凄く幸せです。よろしくお願いします

 ……ちなみにこれ、僕が読者の方々に、逆に人生相談をする、という連載となっています

 いただいたコメントを元に、エッセイ行方が変わっていく、そんな内容となっています

 本当にぜひぜひ、コメントが欲しい。面白ければ、何かコメントを下さい。

 やっと一つ、前向きなお知らせが出来て嬉しいです。

 ずっと日記更新出来なくて、本当に泣きそうなくらい毎日心苦しかった(まだ、出来そうにはないですが)。

 というわけで、どうかどうか、なにとぞなにとぞ、よろしくお願いします

maymay 2015/05/13 23:31 こんにちは。messyの連載からこのブログに来ました。
連載もすごく面白いのですが、奥山さんの相談にえらそうに答えられる人間ではないので、コメントしづらかったです。
こちらのブログは凄いですね。凄いの一言では片づけられないです。これからも楽しみにしています。

murahitomurahito 2015/05/14 00:02 ありがたい御言葉ありがとうございます。僕、ブログを褒められるのが生きていて一番嬉しいことです(病気ですね)。
連載が始まってから、色々落ち込んだり、考えたり、することも多かったのですが、すごく勇気づけられました。
いつか気が向いたら、messyの方でも、ぜひぜひコメントお願いします! どんな内容でも(相談に直接関係なくても)大丈夫です。
これからも頑張ります。引き続きよろしくお願いします。

ゆうゆう 2015/05/20 22:02 messyの連載読みました!
おもしろかったです(*´ー`*)
私も(...とか言ったら奥山さんに大変失礼なのですが)基本的にダメ人間なので、ものすごく共感する部分がありました♪

ハローワークの何とも言えないカオスな感じとか、コンビニ辞めちゃったとか!
(凍った肉マン出したり、早起きが嫌になったり、ドリンク補充寒すぎて辞めました。。。)

普通の人は、働くのが嫌っていう意見は、なかなか受け付けてくれませんよね。
でも、嫌なもんは嫌なんですよ(笑)
私は全肯定派です。

奥山さんには文才があるし、不労所得を得るために頑張って下さい☆
私も就活テキト〜にがんばります。
連載、楽しみにしてます(^o^)

murahitomurahito 2015/05/21 02:15 ありがとうございます!
いや〜、ドリンク補充って寒いし冷たいですよね。肉まんの保温期の蒸気も熱いし……。
肯定的な意見頂けて、すごく前向きな気持ちになりました。
嫌なもんは嫌ですよね 笑
就活、(テキトーに)頑張って下さいね!
変な面接官も一杯いるけど、自信を失わないで下さい。
応援してます!

牛男爵牛男爵 2015/06/17 01:28
「相変わらずだな」と思いながら、ぜんぶ読んでしまった。
 昔ここを読んでいてわからなかった背景も出てきたりして、なかなか面白かったよ。
 でも、エッセイっていうより小説なんだよなぁ……。

murahitomurahito 2015/06/17 04:29 牛男爵さん、お久しぶりです。
これからそろそろ、しばらくすると色々あるので、また見方を変えて頂けるかもしれません。
まぁ、ラストがどうなるかとか、人生どうなるかとか、わかんないって点でライブ感はあるかなって感じです。
なんとなく「相変わらず」で終わらない連載を目指してるつもりです。

人とか殺したいので、小説は小説で頑張ります。

pp 2016/04/16 00:04 しばらくぶりに来てみれば。
もう映画の脚本とかしてます?

murahitomurahito 2016/04/16 04:36 今は小説とか書いてるかなぁ

Thursday_2014.6.26

のいちんのいちん 2014/06/28 19:40 お疲れ様です。
改めて見ると、小恥ずかしいところがあるね。
どうかお手柔らかにお願いしますm(_ _)m

murahitomurahito 2014/07/08 23:27 オクナくん、お疲れ様。
記事にすること、承諾してくれてありがとう。
またいつでも飲みに行こうぜ

i-ku-yai-ku-ya 2015/01/05 22:38 おおお、これ、駕籠真太郎のうんこ映画祭2で観た!超懐かしい!
オクナさんだったんですね。セリフ印象的だったわー

murahitomurahito 2015/01/28 21:35 こんばんは。郁乎さん、たしかブログでうんこ映画祭の感想をお書きくださっていたかと思います。読んだときは凄く嬉しかったです。
それ以後ブログを拝見していました。西島大介さんの似顔絵が凄くうらやましかったです。
そんなオクナくんも近々結婚するようです。で友人代表のスピーチでこの話をするべきかどうか僕は迷ってる感じです。

Wednesday_2014.6.25 このままじゃ私、結婚しちゃうよ

近ごろ

小説は全く結果がついてこないのですが、

ぽつぽつブログを書きたくなったので、書きました。

今回は、孤独のグルメを超えようと思って、趣向を変えグルメエッセイを書きました。

気が向いたら誰かグルメマンガにしてください。

シャブ&カツ問答

 夜、ホームセンターで七輪を買って部屋に帰ってくると、元彼女のミョンちゃんがドアの前にもたれてタバコを吸っていた。

 こいつ、こっちの知らぬ間に死んでて、化けて出てきたのかと、本当に思った訳じゃないけど、そんなバカな考えが少し頭に浮かんで消えた。

 何だよ。

プロポーズされた」

 上目遣いにこちらを睨んでくる。

「へ?」

「このままじゃ私、結婚ちゃうよ」

「あーそう」

 閉店間際のホームセンターを出てから時間も見ずに、何時間も呆けたようにブラついていた。アパートの近くのソープ街をわざと歩いた。呼び込みの中年男性からかけられる声で頭にぽっかり空いた隙間のようなものをうずめたくて、歩いて、そのまま巨大な橋を渡って川崎から東京まで往復してブラついてたらもう夜十一時だ。辺りは真っ暗だ。ミョンちゃんは異動になって今は西東京に住んでるらしい。するとどうしたってもう最初から「帰る気」が見えない。いよいよ陰鬱な気分になってくる。

 傍若無人だな、と思う。

 こっちがまだ好きだって確信してるんだ。

「それ、何」

「七輪」

「シチリン? 何に使うの」

サンマとか、焼く道具だけど」

「焼くの?」

 と言われても、サンマの買い置きなんかないから、仕方なく冷蔵庫にあった肉や野菜を並べて焼くことになった。匂いがこもらないようにベランダの窓を開け放す。元カノ一年ぶりに再会して数秒で即焼き肉。七輪で焼き肉。なんでこんなことになってんだろ。遠くの幹線道路を、自動車が走っていく音が聞こえる。目の前の出来事もそれと同じくらいに他人事だと思えたらいいのに。

「あーあ、なんでこんなにダメな男のこと好きなんだろ」

結婚しろよ」

「じゃ、結婚しよーか。あなたと」

 言いながらミョンちゃんは肉を食べ野菜を食べ。

「でも婚約指輪って、サプライズで渡されると、気に入らないデザインで、その後つけなくなったりするらしいし、一緒に選びにいこうね。買ってね、貯金あるでしょ、まだ」「家事でもしてもらおうかな。でも私、口うるさいというか、厳しいかも。耐えられるかな?」「バイトもしてよね」「やっぱり私より年収ないとなー」「いつまでたっても頼りないね」「でもまぁいいけど」「結婚しようよ

 そう言いながらミョンちゃんはあっという間に肉と野菜を平らげてしまった。

「丸一日、何も食べないことも多いくらいだけど、あなたといると食がすすむ」

「気のせいだよ」

「やっぱり、そういう相手と結婚するべきなのかしら」

 で、ミョンちゃんは泊まっていき、翌朝僕のアニエスベーシャツを着て会社に行ってしまった。それから一年たっても、そのシャツを未だに返してくれない。


 その翌月。

 ミョンちゃんの友だちが日本に遊びに来たので、一緒に遊びましょうと夜呼び出され、汐留に行く。

 元放送作家のCちゃん。とその彼氏くんはプログラマー。二人とも韓国人

「奥山くんだけ英語出来ないもんね」

 という言い方に、なんだか刺がある。

「なので私が通訳という形になるわけです」

「ハジメマシテ、Cデス。コンニチワ」

「あ−、どうも、ボンジュール

「何故にフランス語

 どこかで飯を、となって、ミョンちゃんが「しゃぶしゃぶ食べに行きたい」と言い出す。

「前行ったことあるんだけど、詳しい場所覚えてないんだよね」

 うろ覚えらしい。

 汐留の、近未来的というより非人間的な街路を歩き、商業ビルカレッタ汐留へ。

「たしかこのあたりにお店があったはずなんだけど……」

 案内板を見ても判然としない。

 それで仕方なく、小生探偵、聞き込み調査を開始することに。

 とりあえず、すぐ近くにいた弁当屋のおばちゃんに尋ねる。

「あの、すみません、このビルで、しゃぶしゃぶのお店を探してるんですが、ご存知ないですか」

「えーと……? うーん、知らないですねぇ」

「あ、そうですか。ありがとうございます

ちょっと待って。たしか……多分、そんな店、なかったと思うんだけど」

「ないらしいよ」

 とミョンちゃんに言うと、「絶対あるもん! あったもん! しゃぶしゃぶを食べて欲しいんだもん」と口を尖らせてきた。

「あ!」

 するとおばちゃんが、何か思い出したように叫んだ。

「ありますか、しゃぶしゃぶ

 期待を込めてきくと、素っ頓狂な答えが返ってきた。

とんかつでしょ!」

 とおばちゃん、言うのだ。

とんかつでは、ないです」

 おばちゃん、もう年なのかな、見た目よりも意外に、とか思いながら訂正する。

しゃぶしゃぶです」

「だからとんかつのことでしょう」

 何かカフカ的な展開になってきた。

「いいえ、しゃぶしゃぶです」

「それはつまり……とんかつのお店のことでしょう」

「僕たちが、探しているのは、しゃぶしゃぶ、のお店です」

 ゆっくり言葉を切って、話す。喋り方の問題ではないのだろうと思いながら。

「とんか……」

しゃぶしゃぶ!」

とんかつ!!!

「いやいやいや、ちょっと待って下さい。しゃぶしゃぶって、アレですよ。ナマの豚肉を、沸騰した湯の入った鍋につけて、火を通し、お好みのタレにつけて食す、こう、しゃぶしゃぶってやる、あの、国民的な食べ物の、しゃぶしゃぶですよ!」

 僕は大袈裟ジェスチャーをまじえて、なんとかしゃぶしゃぶの店を探しているということを伝えようとした。必死で。

「ってことは、とんかつでしょう」

 おばちゃん、泰然自若。慌てず、騒がず、「とんかつ」。一点張り

 こちらから店を尋ねている立場なのに、僕の中で何かのスイッチが入ってしまった。

しゃぶしゃぶですよ!!!

とんかつです!!!

しゃぶしゃぶ!!!

とんかつ!!!

しゃぶしゃぶ!!!

とんかつ!!!

 ヤバい、僕は会社辞めて無職汐留商業ビル仕事中の弁当屋のおばちゃんをつかまえて、何故こんな新手の禅問答みたいな会話を繰り広げているのか? 口調が段々激しくなってきてしまった。よくない。マズい。でもなんだか、あとに引けなくなってきた。一体何事かと、フロアを往来する人々がこちらの方を見てくる。Cちゃんとその彼氏くんがオロオロし始めた。ミョンちゃんが怪訝そうに「もうやめなさいって。失礼だよ」と僕の服を引っ張ってくる。しかしどうせ今夜もミョンちゃんに奢ってもらうのだから、せめてこのくらい役に立たねば、とか思ったりして、僕は意地になっていた。格好悪い。

ちょっと君」

 振り返ると背後に井之頭五郎似の中年男性が。

「あれ? おじさん孤独のグルメに出てませんでした?」

「は? いやいや、そんなことより」

 見るに見かねて風に五郎氏。

彼女は間違ってないよ」

 と言うのだ。

 益々混乱してきた。

「しゃ、しゃぶしゃぶは、しゃぶしゃぶとは、とんかつなんですか?」

 しゃぶしゃぶゲシュタルト崩壊してきた。僕の与り知らぬところで、しゃぶしゃぶとんかつになっていたというのか???

「むしろとんかつしゃぶしゃぶなのですか??」

「いや、しかし、君もまた、間違ってはいないんだ」

 意味深長な台詞を吐く五郎氏であった。ただ純粋しゃぶしゃぶを食べたいだけなのに、どうして事態は混迷を極めていくのか。

「その店、知ってるから。良かったら、案内しますよ」

 五郎氏に連れられ、我々、その店に向かうことに。

 数十秒で到着。

 何の変哲もない店名である五郎氏は「入ってみればわかるよ」と言い残し、颯爽と去っていった。

「あ、この店だよ、間違いない」

 とミョンちゃんが言うので多分そうなのだろう。店内に入り、何か騙されたような気分でメニューを開くと、


とんかつしゃぶしゃぶ


 とある

 ずっこけた。

「こ、ここは、とんかつの店なんですか? しゃぶしゃぶの店なんですか?」

とんかつと、しゃぶしゃぶの、店です」

「なるほど……」

 衝撃を受けている僕を尻目に、ミョンちゃんは平然としゃぶしゃぶを注文した。

あなたもしかしてバカなの」

 先程の僕のムキになり方を揶揄して、ミョンちゃんが冷ややかな目線をぶつけてきた。

バカというかギャングかな」

 僕は持っていたタバコを五本口にくわえてまとめて火をつけて吸いながら、そう答えた。

「死んだら?」

 ミョンちゃんは僕の耳を引っ張り怒ってみせながら、「行儀と肺に悪い」と言って僕のタバコを三本消し、一本を自分で吸った。

「袖をまくるんだよ。ジャパニーズ鍋スタイルさ」

 鍋が来たので、一応日本人の僕がシャツをまくって実演してみせた。

「嘘だぁ」

 とミョンちゃんは笑いながら、勢いよく肉を投入した。ミョンちゃんが着ていたのはだらんとしたスリーヴの服で、気になったので手を添えて抑える。しばらくして、それと似たような感じの服を着ていたCちゃんの袖が鍋に浸かった。

「減点」

 その途端、ミョンちゃんが僕の口を親指と人差し指はさみあげて笑った。「余計なことしなくていいの」Cちゃんの彼氏くんが少し気まずそうな顔。

「ってか、僕はミョンちゃんの何」

「どうしたの、急に」

「いや、Cちゃんと彼氏くんにどういう紹介してんのかな、と思って」

 このへん、日本語で会話してるので、Cちゃんたちには通じてない。

別にありのまま言ってるよ」

「なんて」

「物凄くたまに気になる元カレ

「なんか惨めだな」

「じゃ、もう一回、ちゃんと付き合ってみる? 私たち

 真面目な顔でミョンちゃんが言った。僕は目を伏せて、自嘲気味に笑ってみせた。

「無理じゃん? 無職だし」

「そういう問題じゃないでしょ」

「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。そういう問題だから。ってか、君プロポーズされたんでしょ」

「まぁそうだけど」

「別れちゃえよ、そんな奴」

大きなお世話。もういいよ、あんたなんか」

 四人でしゃぶしゃぶを食べる。

「おいしいね

「うん」

「ウマイ!」

 ビックリして振り返ると、Cちゃんの彼氏くんが「ウマイ!」を連呼していた。

「そうだね、おいしいね

 と僕も相槌を打つ。

「オイシイ?」

 と彼氏くんが怪訝そうな顔をする。

「ウマイって言うんじゃないの? って彼氏くん言ってる。どう説明したらいい?」

 とミョンちゃんが教えてくれる。

「あー……ウマイはワイルドでオイシイのがフォーマル?」

 適当に返すと、僕の言葉でなんとなく察したらしく、彼氏くんは恥ずかしそうな顔をした。「オイシイ、デス」と言い直した。良く見ると顔が赤い。酔ってるんだろうか。突然、変な日本語をしゃべり出した。

「ボクハ、エエトコノ、ボンボンデス」

 だからなんだ。どこで覚えたんだそんな日本語

 なんとなくうんざりしながら、こいつクラウス・ノミに似てんなぁとか思う。

f:id:murahito:20140625212852j:image

クラウス・ノミ

 彼の年収は僕の無限倍あるんだろうな。

 ミョンちゃんとCちゃんがトイレに行ってる間、クラウス・ノミに中一レベルの片言の英語で話しかける。

「シーイズメランコリー」

 とミョンちゃんの鞄を指差して言う。

「sometimes」

 彼はCちゃんの鞄を軽く触って答える。

「ミョンちゃんはオールウェイズだわ」

 渋谷スクランブル交差点が見たいというので、四人で向かった。途中の地下鉄で、二人にバレないようにミョンちゃんと何度かキスした。

「生きるのしんどい」

大丈夫だよ、奥山くんは死ねないタイプだから

「もうヤだよこんな人生

「男の癖に弱音吐くな。自分で決めたことでしょうが。やり切ってから、死になさい」

 東京の夜を闊歩。

「僕、スクランブル交差点が一等好きだ」

「なんでよ。私嫌いよ、こんなとこ。田舎が好きよ」

自分みたいな人間でも、生きてていいんだって思えるんだ」

「あ、そ。ね、写真撮ってよ」

 クラウス・ノミ一眼レフを持たされる。僕以外の三人が渋谷スクランブル交差点の真ん中に立って、ハイポーズ。ジャンプし始めた。そういう写真が撮りたいらしい。僕もシャッターを押しながらジャンプした。

「いやあんたが飛んでどうすんだ!」

 モアイ像のところでしばらく駄弁る。

「どんな小説書いてるの? ってCちゃんが聞いてる」

 一番面倒臭い質問来た。

「今、人、どうやって殺そうか悩んでるんだよね。なんか良い殺し方ない?」

「殺さなくてもいいんじゃない? って言ってるけど」

 絶対殺そう、と思う。

 渋谷駅でお別れ。二人は新宿ホテルに向かうらしい。

今日は会えて嬉しかったよ。おやすみ、またいつか会おう」

 歩きながらスマホで調べた韓国語で、合ってるかどうか自信ないけど、そんな心にもないことを二人に言う。二人は少し驚いた顔して、どうやら通じたようで、「アリガトウ」と言って何度も手を振りながら改札口の向こうに去っていった。

「私らも帰りますか」

「うん」

「奥山くんちでいい?」

「あのさ」

「なに」

「好きだよ」

「嘘吐き」

「本当に好きなんだよ」

 それから、ミョンちゃんとは一年音信不通

 僕はミョンちゃんから逃げるように、京都実家に帰った。


 最近また電話があった。深夜にかかってきて、朝まで話した。

 十数時間後に友だちの結婚式があるのだという。

行きたくないんだよねー。ピン札も準備するの忘れたし」

最近どーなの」

「結局、結婚しなかったのよ」

「そっか」

「なんか、向こうのおじいちゃんおばあちゃんが、実は人種差別主義者だった、という根本的な事実挨拶行ったあとに判明してさー。散々よもう。相手はストーカー一歩手前みたいになるし、逃げるように引っ越しして今1LDKで一人暮らし。金遣い荒いわよ」

 なんだよ、結婚しようとか言って、他の男と結婚寸前まで行って、僕の存在とか別に無関係じゃないか。口だけかよ。とか思うが、勿論言えない。だって僕の方がよっぽど口だけだからだ。好きとか言うだけ。何も出来ない。

「今から会える?」

「無理無理」

「ってかどこにいるの、今」

「非常に申し上げにくいことですが、実家京都に」

「あー、まぁ、それがいいよ。じゃ、連絡すれば良かったな」

「何が」

「先日、傷心旅行京都に」

「へー」

「わざわざ京都駅から時間かけて大学時代キャンパスまで行って、奥山くんと初めて会ったとき、一緒にタバコ吸ったベンチに座って、あなたのこと思い出したよ。覚えてる?」

「覚えてるよ」

 過去日記読み返して思ったけど、もう七年以上たつのだ。

 http://d.hatena.ne.jp/murahito/20061022

「あ、あと、レーシック受けたよ」

「へ?????????????????」

 なんで僕、元カノレーシックしたこと事後報告されたってだけのことで、こんなに動揺してるんだろ。阿呆だな。

 でも、何故か、どうしてか、すげー狼狽して、震えた。

「いいから奥山くん、彼女つくりなよ」

 そういえば、あのシャツ結構高いんだけど、気に入ってたんだけど、返して欲しくないから、話題にしない。

 ずっと忘れてて欲しい。

 いつまでも返さないで欲しい。

 ベッドに突っ伏して、かすれるような声で、しぼり出すように言う。

「ずっと結婚しないでよー……」

 ミョンちゃんはひとしきり笑ってから、その僕の情けない声のマネを三回繰り返して更に笑った。


リンク

遊豚菜彩 いちにいさん 汐留店 - 食べログ

あいあい 2016/05/20 08:30 これは何ですか?

 

奥山村人

          1987年1月23日京都生まれ。

          好きな食べ物:夢や霞

          メールアドレス:ikiteruriyuugawakaranai@hotmail.com

          ツイッター/ミクシィ/グーグルプラス/フェイスブック/インタビューズ/ニコニコ動画(気が向いたら検索して下さい)

     
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