宇宙神のささやき?
終わり
原田 三夫氏
フーチ 70%
神は宇宙を創造した
昔はどの民族も、神が天地万物を造ったと考えた。キリスト教の旧約聖書では、天と地とすべての生物を、神が六日間で造ったことになっている。我々の宇宙神も宇宙を創造したのであるが、そんなに簡単にやったのではない。
神はまず自然の法則を設定し、それに基づいて宇宙を創造した。新約聖書のヨハネ伝の冒頭に「はじめに言葉ありき、言葉は神とともにあり、言葉は神なりき。
この言葉ははじめに神とともにあり、よろずの物、これによりて成り、成りたる物一つとして、これによらで成りたるはなし」とあるが、宇宙神のばあいも、「言葉」を「法則」に替えれば、そのまま適用ができる。しかし人間葉法則の一部を発見したにすぎない。
法則はいろいろ発見されたが、それがなぜ行われるかは分らない。それは科学で考えることではない。自然科学の役目は、法則を発見することに止どまる。万有引力にしても、それがなぜ働くかは分らない。
ただ不思議な力と思われるだけで、その不思議は科学で解くことができないが、かりにそれが絶対の真理であるとして、なぜ、それが働くかが分らず困っている人間に、どこかで神が「引力は、おれが作ったのだよ」とささやくであろう。