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2018-02-12

「切り返し」について、世のプロたちは何と言っているか?:日本のティーチングプロ 応用編

右足で地面を蹴るのか、左足を踏み込むのか。「切り返し」について、世のプロたちは何と言っているのか?「レッドベター編」「日本のツアープロ編」「日本のティーチングプロ 基礎編」と来て、ラストは「日本のティーチングプロ 応用編」である。70台、80台をめざす上級者向けのスイング理論ということで、森守洋、三觜喜一、阿河徹、吉田一尊の4人のプロの話を取り上げる。「基礎編」に比べると、かなり難しい動作であり、今は頭の中に知識として置いておいて、練習して徐々に身につけていきたいと思っている。森守洋、三觜喜一の両プロの理論の実践は、まだ僕には早過ぎる。阿河徹プロの「9時・4時スイング」、吉田一尊プロの「地面反力」の内容を、少しづつ取り入れていければ、と考えている。

ダウンブローに打つにはボディーターンよりも腕の振り、フェースターンを重視する森守洋。腕の振りが「主」で体の回転は「従」。体の回転は腕を振った結果、自然と起こるものだと言う。下半身リードもスムースな重心移動も、下記の空手の「瓦割り」の動作で自動的に起こると言う。

  • ダウンスイングは、右足の真上めがけてグリップを思い切り降ろす。上体の開きを抑え、クラブ・腕・上体の重さが一気にボール方向に解放されて、分厚いインパクトとなる。
  • 真下へ力を開放する動きは、空手の「瓦割り」の動作で身につける。
  • 「瓦割り」では、右ひじを曲げて体に引きつけると、自然と右股関節に重心が移る。その体勢から力いっぱい拳を振り下ろすと、腰が素早く左へ切れて左股関節に重心が移る。要するに「瓦割り」の動きにより、下半身リードやスムーズな重心移動もオートマチックに行える。

より詳しくスイングを解説すると:

  • インパクトでは、腰が5時から5時半、胸は6時から7時を向いている(足元に時計版を置いたと仮定、6時が正面)。
  • 切り返しで、上半身と下半身がひとかたまりになって、同じタイミングでダウンスイングへ向けて動き出すのは NG。
  • 正しい「下半身リード」とは、下半身が先行してダウンスイング方向に動いた時、上半身・腕・クラブはまだトップ方向に動いている。
  • トップから「瓦割り」「正拳突き」のイメージで、グリップを真下に向けて勢いよく下す。下半身リードや体を回す意識がなくても、自然と下半身が先行して動き始め、オートマチックに体重が移動する。
  • 下半身リードを意識しすぎると、左股関節で体重を受け止めきれない(スエーする)。
  • 体が開かない。インサイドからクラブを立てたまま下すことができる。

ダウンスイングでは、クラブ、腕、上半身の重さをすべて地面方向、真下に解放する。重いものを両手で持ち、それをターゲット方向に放り投げるというドリル(たとえば内藤雄士プロ)を否定するつもりはないが、ターゲット方向に放り投げると体が回転して開き易くなり、トップで蓄えられた力を横方向に使うことになる。真下への解放ではない。

最近、YouTube の MITSUHASHI TV でレッスンの様子を公開している三觜喜一プロの教え方は、「スイングを直線運動としてイメージする」「地面に向かって力を発揮する」ことを強調しており、森守洋プロに通じるものがある。三觜プロのレッスン映像にハマって、そのレッスンを体験したことがあるが、ジュニアを中心に、プロの卵を教えている(女子ツアーの辻梨恵プロの師匠)だけあって、上級者向けのスイングだと感じた。

切り返しでポイントとなるのが、「胸郭の分離」と言われる動作である。肩の部分と胸の部分を分離させ、胸郭部分を動かすことでダウンスイングを開始する。胸と肩が一体して動くのではなく(上半身が一体化して回るスピンアウト)、胸が先に、肩は一瞬遅れる動くので、上半身がうねっているように見える。この「胸郭の分離」動作は非常に難しく、「うねりドリル」という独特の練習方法を紹介している。

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切り返しにおいて、上半身はバックスイングの途中でトップに向かっていくのと同時に、下半身はダウンスイングを開始するということがよく言われるが、その正体が「胸郭の分離」ということになる。

YouTube では、MITSUHASHI TV 以外でも HIGH SPEC GOLF というチャネルで、ゴルフ・ジャーナリストであるアマチュアに、うねりドリルや、胸郭の分離・右側屈・左へのバンプという動作で、切り返しを教えている。

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胸郭の分離だけで切り返している様子を見ると、「左足一軸」、いわゆる「スタック&チルト打法」のように見えるが、実際には左足への重心移動も行っている。

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また三觜プロの愛弟子である谷内(やち)修也プロが、切り返し・バンプについての補足的な説明を行っている動画もある。胸をきちんと開いてトップを作ること、切り返しで右足を踏んで、右のお尻を左に押し込むバンピング、頭を残して側屈する体の使い方が紹介されている。「左足に踏み込んで左に乗る」というよりも、「切り返しで、右足を踏んで腰を左に押し込む」バンプは参考になりそうである。

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阿河徹プロは、上級者・シングルをめざすスイングとして、インパクト直前までタメをほどかない「9時・4時スイング」(クラブのシャフトが地面と平行になる時計の 9時まで下りてきたポジションから、フォローで 4時のポジションまでの範囲を重要視する)、さらにはその延長線上で、コンパクトなトップからインパクト直前でコッキングを解放(リリース)、インパクトで圧力をかけるスイングを提唱している。ほとんどのアマチュアは、このインパクトができていない。できているのは、ハンディキャップ 1-2 の片手シングルクラス、7番アイアンで 160ヤード飛ばせる、ほんの一握りの人たちだそうだ。

阿河プロは「切り返し」がゴルフの動作の中で一番難しいと言っている。切り返しの難しさは、

  • ダウンスイングで、手元とクラブが背中側にあって、視界に入らず不安な時間が長いこと
  • 上半身が、左と右で別の動作をすること

にあると言う。

この切り返しを説明した YouTube の映像がある:

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阿河プロの 3冊の著書に書かれている説明をまとめてみた:

  • 切り返しは「バックスイングと共存する瞬間」。上体でバックスイングしながら、下半身でダウンスイングの状態を作り、そのねじれから強いインパクトを生む。
  • 切り返しは左下半身から始める。左足を踏み込み、左ひざが目標方向に少し動く。左足を踏み込む動作を行いながら、肩のラインを開かず腕や肘を真下に落下させていく。
    • 左前に重心をかけた時に左ひざが曲がる。
    • 体を入れ替える時にこの左ひざを伸ばす動きがスイングの動力となる。
  • 下半身から動かす。脚→腰→胴体→腕の順番に運動が起こり、最後にクラブが動く。「下半身リード」と言っても脚ばかりを動かしてもダメ、連動していないと意味がない。
  • 左上半身も左に旋回するが、右上半身はその左旋回についていかない。これにより、スイングプレーンにクラブを乗せて、レートヒットできる。
  • ダウンスイングでクラブが見えない時間を長くするには、右の上半身を残す(開かない)。体が左に旋回する時に、右肩・右ひじ・右手がついていかず、脱力した状態でいることにより、クラブは後ろに倒れ、しばらく背中側にキープすることができる。
  • 右腕が下がることにより、ダウンスイングでシャフトプレーンに入ってくる。
  • オンプレーンのダウンスイングが難しいのは、「クラブが見えない」「クラブがとてつもなく後ろに感じる」「関節の方向が不自然」だから。切り返しで右半身を脱力するのガコツ。クラブが倒れている状態をキープできる。
  • ダウンスイングでは右手は常に右ひじの後ろにある(不自然な関節の動き)。
  • トップで担ぎ上げずに右胸を開くこと。
  • 左右の上半身が別の動きをする切り返しを行うためには、バックスイングとダウンスイングの軌道を変える方法がある。
    • バックスイングは鋭角(スティープ)に上げ、ダウンスイングはフラットに下す。
    • これは森守洋プロや三觜喜一プロも同じことを言っている。クラブを「右回り」させて下す動作である。
    • 阿河プロによると、非常に難しい動作であるが、できるようになるとボールをとらえることが簡単になる。知識として持っておき、いずれできるようにコツコツと練習するとよいとのこと。

切り返しでは、左足を踏み込むのがこれまでの共通認識であるが、右股関節・右足の使い方については、吉田一尊(旧:吉田一誉)プロが詳しく解説している。基本は左足軸での回転を謳いながらも、「飛ばし」のための右サイドの使い方を説明する。特に最近のスイング理論では「地面反力」と言い、地面を踏むことで、そこから得られる反作用の力を、腰の回転エネルギーに変えることが提唱されている。切り返しにおいても、人によっていくつかのタイプがあり、その個性に合わせてイメージを変えることを勧めている。

  • ゴルフスイングは「振る」のではなく、体を左右に「揺らす」イメージ。体を揺さぶって振り子運動を起こし、重心を左右に移動させる。
  • 下半身を使ってヘッドを走らせるためには、ダウンスイングで左足を強く踏み込む。その反動でインパクトに向かう直前で、左ひざが伸び、それと共にグリップの動きが止まって、その間にヘッドがグリップを追い越す。
  • 切り返しからダウンスイングにおいて、足で地面を押し込む動きには 3種類のタイプがある:
    1. 左足タイプ(松山英樹、ダスティン・ジョンソン):切り返しで左足拇指丘に乗ってから左足かかとで地面を蹴る。
    2. 右足タイプ(ロリー・マキロイ、リッキー・ファウラー):切り返しで左足拇指丘に乗るところまでは同じだが、その後右足かかとで地面を蹴り、キレのいい回転を生み出す。
    3. 両足タイプ(タイガー・ウッズ):切り返しで左足拇指丘に乗って体重移動を開始、その後は両足かかとで地面を蹴る。

ゴルフ 飛ばしの最終定理
吉田 一尊
日本文芸社 ( 2014-09-27 )
ISBN: 9784537212105

方向性を安定させるのが左サイドであるならば、力を出すのが右サイド。右股関節で大きなエネルギーを作れるかについて、さらに解説している:

  • 股関節でヒップターンは起こる。右足を倒して伸ばすと、自然に体がターンする。
  • 地面反力を使うために、トップの寸前で、右足の内側で地面をグッと踏み込む。すると地面反力が左斜め上方向に働き、下半身が左側に動き、右足が伸びて、骨盤が左に回転する。

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2018-02-11

「切り返し」について、世のプロたちは何と言っているか?:日本のティーチングプロ 基礎編

右足で地面を蹴るのか、左足を踏み込むのか。「切り返し」について、世のプロたちは何と言っているのか?「レッドベター編」「日本のツアープロ編」に続き、今回は「日本のティーチングプロ 基礎編」である。100切り、90切りレベルのシンプルなスイング理論ということで、中井学、桑田泉、内藤雄士という 3人のティーチングプロを取り上げる。

まずはヒップターンを提唱する中井学プロ。捻り上げたトップの位置から、捻転をほどくだけ、腕を振る意識を捨てれば下半身から戻せる、とシンプルな動作を強調する:

  • トップで作られた腰 45度、肩 90度の捻転差をインパクトまでキープすることが重要:スイング軌道の安定、入射角を整える、ひいてはミート率を上げる
  • 切り返しは、苦しいトップの位置から捻転をほどくだけで、自動的に下半身が先行する。
  • 切り返しではヒップから戻すことを意識する。ダウンスイングの始動は、左のヒップがリードする。骨盤を左に旋回させる意識を持つ。
  • 始動時に左ひざを少し開く、スライドさせる動きを導入する。
  • 切り返しでは左ひざをアドレスの位置に戻し、左の股関節を左側に移動するだけでいい。左に踏み込む意識が強いと、軸が左に流れやすい。
  • 腰が目標方向にスライドする感覚があるから、左ひざも同時にスライドし、それから骨盤の旋回が始まり、その次に左ひざが伸びていくというイメージ。

ここまでは非常にシンプル。しかし最近のスイング理論を取り入れると、事情は少し複雑になってくる。「腕の意識を捨てろ」と言っていた中井プロだが、最近はヘッドターンができていないアマチュアには「アームローテーション」を先に教えるべきだったと反省している。その最新の教え方を『誰も言わなかったシンプルゴルフのすすめ』に著しているが、そこでは韓国選手に代表される「右足ベタ足のインパクト」について、次のように解説している:

  • ダウンスイングの初期では、腰を左にスライドすると同時に、右ひざを曲げて右足の裏全体で押し込む。
  • インパクト直前からフォロースルーにかけて、右足のパワーを放出するイメージで右脚全体を真っ直ぐに伸ばす。
  • ダウンスイングの始動と同時に体重を左足に乗せようとしない。ダウンスイングからインパクトまではおヘソがまだ右を向いているイメージ。つまり右足重心のままでインパクトに向かう。
  • 「重心移動は、右、右、左」:バックスイングでは右足重心、ダウンスイングからインパクトまでも右足重心、ボールを打ち終えてからクラブヘッドの遠心力に引っ張られて、最後に左重心となる。

この「右、右、左」については田中秀道プロも同じことを言っている(「ツアープロ編」参照)。

この右から左へ重心を移動するタイミングが、なかなかつかめていないというのが、今の僕の状況であるが、中井プロとは正反対の「手打ち」を提唱している桑田泉プロも、この重心移動については、中井プロと同じようなことを言っている。

鍛え上げたプロと同じイメージではアマチュアは打てない。「ボールを見るな。ダフれ。手打ちしろ。」逆説的な言い方で独特の指導をする桑田泉プロ。そのクォーター理論では、切り返しは、S2 と呼ばれる下半身主導のボディーターンのパートに相当する。

  • 「背中、足」すなわち「上半身を 90度右へ(バックスイング)、下半身を 90度左へ(ダウンスイング)」という言い方で、ボディーターンを表現する。上半身と下半身の捻転差を作り、下半身主導でダウンスイング。
  • 左ひざ主導、左腰を切ると言われるが、それではアマチュアはうまく行かない。
  • そうではなく「足の裏」を意識する。足の裏で地面を掴む感じにして、その場で両足の裏全体で回転する。
  • 足首が捻られるような感じになるが、実際には足も足首も回転はしないので、膝や腰が回るようになる。
  • 体重移動は「右回転、左回転」が正しいイメージ。体重移動は、トップで右に移り、右に移ったままその場で下半身を左回転させる。
  • この時、体重はまだ右足にかかっている状態で、下半身の回転の力でヘッドを左に振っていくと、ヘッドが振られ、引っ張られて最終的に左に移り、左足に体重が乗ったフィニッシュになる。

どうやら「切り返し」の段階で、右から左に即座に重心移動が行われるということではないというのが、定説のようだ。内藤雄士プロは複数の本の中で、一見矛盾するような説明が見受けられる。

  • ダウンスイングで体重が左足に移動するのは正しい動き。だがタイミングが早過ぎると上体が左に流れ、腰を素早く回そうとすると右ひざが前に出て右肩が突っ込みやすい。
  • 切り返しの際に体重を左足に乗せた後も、右かかとをできるだけ浮かせない。そのまま体幹部を左に回転する。
  • 切り返しでは、右股関節上から下半身の回転をスタートする。
  • 右腕をストンと落とす。
  • それと同時に、しっかり左足を踏み込み、左股関節上で腰を切るようなイメージで腰を回転させる。

体重を左足に乗せた後も、右かかとをできるだけ浮かせない。右股関節上で回転をスタートさせつつ、左股関節上で腰を回転させる。うーむ…。そこで起こる体重移動はどういうことになっているんだろう?さらに切り返しのタイミングや体重移動について、下記のように述べている:

  • トップからダウンスイングへ切り返すタイミングが整っているかどうかが、プロとアマの一番の違い
  • 下半身リード、タイミングについては、理屈よりも感覚で覚えた方が上達の近道
  • 重いボールを飛球線方向に放り投げる感覚、バッティングの感覚
  • 3kg のメディシンボールを投げるイメージの動作を繰り返すことで身につく。重いボールを投げるのであれば、左足をしっかり踏み込んでから腕を振ることになる。

なるほど。あまり難しいことを考えず、重いボールを投げる感覚でスイングしろということか。ところがそのドリルは有効ではないというティーチングプロもいる。「日本のティーチングプロ 応用編」に続く。

ゴルフ スイング バイブル
内藤 雄士
河出書房新社 ( 2017-10-26 )
ISBN: 9784309278933

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2018-02-10

「切り返し」について、世のプロたちは何と言っているか?:日本のツアープロ編

右足で地面を蹴るのか、左足を踏み込むのか、「切り返し」のきっかけについて悩んでおり、世のプロたちがどのように言っているか、改めて見直している。もちろん、「切り返し」の前に「深く捻転されたトップ」が確立されていることが前提である。

大御所、「デビッド・レッドベター編」のあとは、「日本のツアープロ編」である。

レッドベターに一番近く、左ひざを戻す動作を切り返しに使っているのは芹澤信雄プロ(チーム・セリザワによるゴルフアカデミー主宰)であろう。

  • 切り返しは左腰をターンさせることから始める。
  • 左ひざを「ガニ股」にする。左ひざを外側に向ける。
  • この動きを入れるだけで、トップで右に乗っていた体重は自然と左にシフトして、力みなくダウンスイングに移行する。

「ダウンスイングは左足や腰の左回転でリードすべきだが、言葉で説明するのは難しい。やり過ぎると下半身が開く危険がある。それなので、まず回転の軸を保つ意識を持つ。軸がずれなければ左足への体重移動もできる。その中で『もう少し左足の踏み込みを意識してやろう』と思えば練習でやればいい。」そういう解説を行っている。

美しいスイングで有名だった伊澤利光プロは、一時期アマチュアを教えていた。切り返しは「腰から静かに」と言う。

  • 切り返しは左足の踏み込みから始まる。
  • だがフットワークは極力静かに行うことがポイント。
  • 少し左足を踏み込むイメージはあるが、強く踏み込んだり、右足を蹴ったりする感覚が強くなると、スイング軸が大きく左に動き、回転力を損なう。
  • 腰の回転を強調するのは、上半身の動きと腰の動きが一緒にならないため。捻転差が必要。腰が先に回転して、それに上半身が引っ張られるように動く。
  • 昔のように「左にスライドしてから腰を切る」意識はなし。その場でまわる。

そして倉本昌弘プロは、切り返しの練習として、トップの位置で完全に静止してからボールを打つという練習を勧めている。

  • 下半身の先行動作をきっかけにダウンスイングに入る。
  • トップの位置から上体はそのままに、左かかとを踏み込み、下半身をアドレスの位置に戻す。
  • 左かかとの踏み込みは 1センチ上げる程度の小さな動き。
  • バックスイングで手がトップに上がり切って止まる寸前に、左かかとを踏み込む。

本番に強くなるゴルフ (ゴルフダイジェスト新書)
倉本 昌弘
ゴルフダイジェスト社 ( 2009-09-01 )
ISBN: 9784772841122

このように見ていくと、切り返しでは「左足を踏み込む」というのが一般的のようだ。「左ひざをアドレスの位置に戻す」「下半身を元の位置に戻す」といった表現も使われている。そしてその動作を「静かに」行うことを重要視する人が多い。下半身主導だが、回転軸を損なわないことが鍵ということであろう。

スイングリズムを損なわないために、田中秀道プロは以下のように説明している:

  • 切り返しでは、一瞬全てが静止する不動の瞬間を作るイメージを持つ。
  • 厳密にはクラブが上がっているうちに下半身からダウンスイングが始まるので、動きは止まらない。だが「下半身リード」という言葉に引っ張られて意識的にそう動こうとすると、スイングリズムを損なう。あくまで「下半身リード」は無意識下のもの。
  • 切り返しで一瞬の「間」が作れれば、上下の捻転差が生まれるので、「状態がトップの位置に残ったままダウンスイングが始まるような感覚」が生じる。「胸を右にむけたまま、ダウンスイングでクラブが右下に落ちてくる感覚」に近い。

さらに「飛ばし」のコツとして「右サイドで打つ」ことを強調する:

  • テークバックの開始からフィニッシュの直前まで、できる限りボールより右側に体を置いてスイングしたい。
  • 「切り返しで左に踏み込み、インパクトでは左体重」という教えには否定的。左に乗る意識はゼロ。
  • ダウンスイングは「右足ベタ足」で OK。
  • スイングは、右、右、左。切り返し・ダウンスイングからフォローまでずっと右サイドに体を置いたままスイングする。
  • 右足軸で回転する明治の大砲ではなく、右足に重心を残したまま回転する。
  • フィニッシュは左足に完全に体重が乗る。結果的に体重移動は行われている。

「下半身リードや左足を踏み込む感覚はない」ということだが、無意識下の動きになっており、言われてみればそうかもしれないけど、自分自身にはその感覚はないということのようだ。「右足ベタ足」と「左に乗っていく」ことのバランスのとり方が、なかなか難しい。

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2018-02-04

「切り返し」について、世のプロたちは何と言っているか?:レッドベター編

左下半身主導の切り返しの練習を行っているが、切り返しの練習が一番難しく感じる。僕のコーチも「切り返しができるようになると、スイングが安定する。切り返しが技術的には最も難しい。」と言う。特に僕の場合、何をきっかけに切り返したらいいのか、「切り返しのきっかけ」を模索している。これまでトップで右足に重心を乗せ、そこから右足の内側で地面を蹴るようにして切り返していたので、「左下半身主導」と言われても、どのタイミングで左足を踏み込んだらいいのか、今一つつかめない状態である。

そこで切り返し、特にそのきっかけについて、世の中のティーチングプロたちはどのように言っているのか、さまざまなレッスン書をひっくり返してみた。古今東西、十人十色。いろいろな人がさまざまな言い方で、切り返しを説明している。

ここでは大御所レッドベターを取り上げる。『アスレチック・スウィング』で、いわゆる「ボディーターン」を日本にもたらした伝説のコーチである。道具の進化に伴い、少しづつ理論を進化させ(『ニュー・アスレチック・スウィング』)、最新の『A スウィング』では従来のオンプレーンではなく、スティープに上げシャローに下してくる特徴的なスイングプレーン(「V字プレーン」)を提唱している。その中で「アスレチック・スウィング」時代から変わらないのは、「腕と体の同調」という基本テーマであり、そこに積極的な下半身の動きが加わっている。

  • 『ザ・アスレチック・スウィング』:
    • 極めて短い一瞬だが、上体と下半身は同時に二つの方向に向かって動いている。上体がバックスウィングを完了した段階で、下半身はすでに前方に動いている。
    • バックスウィングを終えると同時に、左ひざを目標方向に送る。
    • 左ひざが左足の指先の方向に、やや斜めに動く。右ひざの位置は変わらない。両膝は離れ、下半身はしゃがみ込む、あるいは腰かけるような格好になる。
    • この時点では、体重は右足に残っている。
  • 『王国のレッスン ニュー・アスレチックスウィング』:
    • 新しい理論では両ひざの間隔を変えないようにする。
    • バックスウィングでほんの少し内側に動いた左ひざを、元に戻すのが「切り返し」。この左ひざを戻す動きをきっかけにして、腰のスライドが起き、それにつられて上半身が動いて、その結果クラブが引き下ろされる。
    • 左ひざが動くのはほんの数センチ。腰の左へのスライドも数センチのレベル。必要最小限の動きで切り返す。
    • 切り返しは「左へ」ではなく「下へ」の動きである。下半身を左に動かす意識ではなく、「右足を真下に踏ん張る」イメージを持つとよい。こうすると左ひざが流れず、下半身全体が安定する。
    • 切り返しからインパクト手前(ハーフウェイダウン付近)までは、腰を「斜め前方」、「右足かかとから左足つま先方向」にスライドする。
  • 『A スウィング』:
    • 下半身(腰、ひざ)が目標方向に動くのに対して、上半身(胸、肩)と腕、とクラブはまだバックスイング方向に動く。この力強い動きを習得するには、根気強く練習を重ねることが必要。
    • 左腰をターゲット方向にスライドさせることで、下半身の動きをスタートさせる。
    • 右足かかとと、左足つま先の両方に体重がかかるのを感じる。

「A スウィング」については、レッドベターから直接指導を受けた吉田洋一郎プロが『世界のトッププロが使うゴルフの基本テクニック』という本で、そのエッセンスをわかり易く解説している。特に「切り返し」のところに絞ってみると以下のように記されている:

  • 切り返しで左足をしっかり踏み込むこと。
  • 「踏む」「蹴る」というよりも、地面に対して「圧をかける。」
  • 縦方向・下方向に「圧」をかけ、地面からの反発力をスイングに取り入れる。

切り返しのきっかけは、「左ひざを目標方向に動かす。」その結果「左腰をスライドさせる」というのが基本で、さらに「左足を踏み込む(地面に「圧」をかける)」というのが、レッドベター流ということになるだろうか。

ただし「右足を真下に踏ん張る」ことで、左ひざが流れないとも言っている。また「右足かかと左足つま先」に体重を乗せるとも言っている。この辺りに、右→左と重心を移動させるヒントがありそうだ。

今回、改めてレッドベターの本を読み返してみたが、世の中のレッスン書のどれよりも克明に、かつ詳細に、体の動きが書いてある。「バイブル」と言われるのもわかる気がする。

ザ・アスレチック・スウィング
デビッド レッドベター
ゴルフダイジェスト社 ( 1992-09 )
ISBN: 9784772849210

王国のレッスン - ニュー・アスレチックスウィング
デビッド レッドベター
ゴルフダイジェスト社 ( 2004-07 )
ISBN: 9784772840453

デビッド・レッドベター「Aスウィング」
デビッド・レッドベター, ロン・カスプリスキ
ゴルフダイジェスト社 ( 2016-12-02 )

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2018-02-03

左下半身主導の切り返し:バンピングによりタメを作る

トップの位置はよくなっているのに、出球が左。ということは、ダウンスイングにおいて、インサイドからアタックできていない。上半身で打ちに行っているか、右サイドに重心を残したまま振りに行っている。

…ということで、今年の冬(一応、オフシーズンのつもり)のテーマは「左下半身主導の切り返し」である。切り返しで左足を踏み込み、左サイドに乗って、左股関節上で体をターンする。切り返しの瞬間、左に腰が移動する「バンプ」「バンピング」という動作を練習している。これによりダウンスイングでは右腕が自然と下がり、アーリーリリースが抑えられ、タメができてくる。右サイドの体を開かずに、インサイドからアタックできるようになる。

バックスイングは右股関節の上に重心がある。右太ももが正面を向いたまま、くらいの気持ちでぎりぎりとコイリングしてトップまで絞り上げる。この後、下半身主導の切り返しとなる訳だが、これまでは右足で地面を蹴るイメージで行ってきた。今回、このタイミングで左足を踏み込むことで、左足に重心を移し、腰を左にスライドさせる(バンピング)動作を付け加えようとしている。

トップの位置にクラブが上がり切る前に、左足を踏み込むのが理想とされているが、なかなかそこまでは行かない。まずはいったんトップの位置を作ってから、左に移動する感覚で練習をしている。まずはハーフスイングのドリルでその感覚を掴もうとしている。

練習のときの注意点は:

  • タメを自分で作ろうとしない。タメは勝手に作られる。
    • トップの位置を深く入れ、右上半身と左下半身が引っ張り合う形で切り返す。
    • ダウンスイングで、右腕は(勝手に)下に落ちる。インサイドからクラブが遅れて出るようになる。
  • 出球は右。球にはドロー回転がかかる。左に引っかけている時は、この動きができていない。
  • 左に「乗りながら」ターンする。
  • 左に乗ってしっかり腰を回し切る。フィニッシュをしっかり取る。
    • 右に出た球をドローさせるのは腰の回転量。腕で操作しない。
  • 腕を速く振らない。
  • 「振り遅れてもいい」と思って我慢する。
  • わざとハーフトップさせるのもいい練習になる。
    • ダフるのは簡単。体の回転を止めればいい。
    • 「絶対にダフらせない」ためには、腰の回転でヘッドを走らせるしかない。
    • フェアウェイバンカーも同じ気持ちで打てばよい。

左にほんの少しスライドする分、左サイドの回転軸も飛球線方向にわずかに移動する。このため、トップの位置から眺めている時よりもボールの位置は、ダウンスイングからインパクトにかけて右に移動しているように見える。(この時、右の側屈がうまく使えて、バンプしても頭の位置が変わらなければ、ボールは静止して見えるのかもしれない。)その分、点でとらえるというよりも、線でとらえるイメージがある。「球を押し込む」というイメージが少しだけ出てきている。左(飛球線方向)に移動する分、ヘッドが今までよりも緩やかに上から入り、インパクトゾーンにおける直線部分が長くなるのかもしれない。

うまく左サイドを使えると、アイアンの当たりが分厚くなる。それと同時に方向性が少し安定してきている。インサイドからクラブが出ているためか、出球は若干右に行く。そして腰がきちんとフィニッシュまで回転すると、ドロー回転がしっかりかかる。

昨年の年末からこの切り返しの練習に取り組んでいるが、新年早々、80台前半というベストスコアが出たのも、アイアンの当たりが厚くなってきた成果かもしれない。

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