Muranaga's View

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『10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング』に、辞書を引きながら取り組んでいる

The Economist のような英文雑誌をできるだけ辞書なしで読めるようになりたい。」そのためには 10,000語が一つの目安になると考え、意識的に語彙増強(ボキャビル)に取り組んでいる。10,000語レベルの単語集として選んだのは、植田一三氏の『スーパーボキャブラリービルディング』シリーズ。以前にも書いたように、著者独特のキャラクターが表れた癖のある本なので、万人にお薦めできる本ではないかもしれない。

発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング(CD3枚付) (CD BOOK)

発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング(CD3枚付) (CD BOOK)

TOEIC TEST スーパーボキャブラリービルディング(CD BOOK)

TOEIC TEST スーパーボキャブラリービルディング(CD BOOK)

助走としての『990点レベル TOEIC TEST スーパーボキャブラリービルディング』を一通り終え、いよいよ『10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング』に取り組み始めている。この本は、英文雑誌を辞書なしで読めるレベルをめざしており、僕の目標にぴったりである。それと同時に、グーグル名誉会長の村上憲郎氏お薦めの単語集(ただし旧版)でもある。村上氏は、常にこの本を持ち歩いて、平日に3,000語、休日に10,000語をひたすら「眺める」勉強方法を提唱しておられるが、そこまで集中力が続かない僕は、地道に覚えていく方法をとっている。この本は一日分の分量が決められているので、それを目安にまず当日分を覚える(覚えた気になる)。そして、前日、前々日、その前…、も復習することで、少しづつ記憶の定着を図っている。

日によっては、ほとんどすべてが知らない単語だったりするので、正直、辛い作業である。実は一度、年末に始めてはみたものの、お正月を迎えたところで挫折。2月になって気を取り直して再開した。この先、また挫折するかもしれない。あえてこのブログで「ボキャビル中」と宣言することで、自分を追い込んでみているのである。

まだ途中ではあるが、この本の長所、短所がわかってきた。率直に言って、評価が難しい本である。

よいところとして、まず情報量の多さが挙げられる。一般語彙、分野別語彙のパートに分かれており、8,000-15,000語レベルの語彙を、頻度の高いものを中心に扱っているようだ。一般語彙として約 900語が収録されているが、特徴的なのはコロケーションを重視していること。単に読んでわかるだけでなく、発信できる、すなわち運用語彙として使えるようになることをめざしている。

分野別語彙は今よく使われている語が多く挙げられている。さらに通訳ガイドを念頭に置いており、日本の事象を英語で説明する語彙を並べたパートもある。海外から来日した友人・顧客を食事に招待した時などに役に立ちそうだ。

そしてシャドウイング用に音声 CD 3枚がついており、コストパフォーマンスが高い。目で読むだけでなく、耳で聴く、実際に発音する、と総合的にボキャビルに取り組むことができる("Basic Word List" のような洋書のボキャビル本には、CD がついて来ない)。

一方、この本で問題なのはちょっとした間違いが散見されることである。たとえば僕が気づいたところでは、whimsical の訳語は「気まぐれの」(whim = 気まぐれ )というだけではなく「奇抜な、突飛な」もあった方がよいと思うし、ornate の訳語が onerous の訳語に混じっていたりする。こういった訳語のミスが単語集にあっても、学習者は気づきにくい。結果として間違った訳を記憶してしまうことになり、単語集としては命取りになる可能性もある。

また掲載されている語彙・情報量が多い分、例文がない。発音記号も併記されていないため、本をそのまま音読することは難しい。

上記のような長所・短所を鑑み、僕はこの本を「覚えるべき頻出単語のリスト」として参考用に使うことにした。つまり意味・例文・発音記号については、iPhone の英英辞典(LDOCE = Longman Dictionary of Contemporary English)を引き、その内容を確認したうえでブックマークすることにしたのである。このブックマークされた単語のリストこそが、「My 単語帳」である。単語カード(flash card)のように使えるので、iPhone さえ持ち歩けば、いつでもどこでも、ちょっとした時間にボキャビルに取り組むことができる。

iPhone の英英辞典としては、LDOCE ロングマン現代英英辞典【5訂版】 (LDOCE5) - Enfour, Inc. を選んだ。ロングマン英和辞典 ロングマン英和辞典(和英逆引き付き) - Enfour, Inc.相互に行き来できるので、必要に応じて、正しい日本語訳を確認することができる。Collins Cobuild Collins Cobuild Advanced Dictionary for English by DioDict - with TTS & Handwriting recognition - DIOTEK Co., Ltd. も試してみたのだが、語義のわかり易さ、シンプルさという点では、LDOCE に軍配が上がる。

英英辞典をしっかり引き、その例文を読むことで、より記憶も定着するように思う。辛い作業を少しでも早く終わらせたいと思いがちだが、じっくり英英辞典を読み、音読し、ほんの少しでもいいから着実に覚えていくことが、ボキャビルのコツのような気がしてきている。

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