分岐点

娘 入学式にて

既婚、されどほぼ10年、独身生活を耐えてきた。
入院している父、特定難病を抱える母、孤軍奮闘の中、
もはやこれまでだと、
力つき矢も折れかけたこともある。
・・・家事を任せられる人が欲しいと。


妻あり家事を任せられない・・・矛盾。
これには書けない事情がある。悲しい事情がある。



もういいだろうと自分自身では思う。



保守的な地に産まれ、短気で曲がったことは大嫌い、
職場でもずけずけものを言う姿勢に煙たがれ、
出世の道はもはやない。
サラリーマンとしては負け組みだった。
家系は武士ではない、商人だけれど、食わねど高楊枝で、
金が底をつき、自爆してやろうか、
とやけを起こしたのは数え切れない。
呪ったものだ、世渡り上手な性格に生まれたいたのなら、と。
高楊枝は食べられない。



娘が1日、自分の母校である大学に入学した。
救った・・・
親として救ったとの言葉は禁句であるけれども、
自分にもやっと息をする時間ができたということに変えておこうかと思う。


娘にも彼氏ができたようで、楽しげに話す姿を見ると、
複雑な気持ちと成長の喜びがクロスする。
これはいつの時代でも親が辿ってきたことあり、
やっと自分もその道を見た。


もう大学生。
彼がいないこと、逆に懸念するわな。
銃後を支えるべき妻がいながら機能しない、
少しはその苦しみを緩和させてもらって、
との願いを納得してくれるかも知れない。



おとうさん、離婚もしなきゃ再婚もしない。
所詮商人の出、高楊枝は食えないし、かといって器用に振舞えない。
たったひとつだけ・・・誰か好きな女性を作ってもいいかな。
悩み聞いてくれる女の人、探してもいいかな?


・・・いいだろうか?