鬼の霍乱か・・・

めったに風邪などもひかない、病気知らずのわたしであるが
この2,3日体調がよろしくなかった。
昨日などあまりのしんどさに一日臥せっていた。
今日は少し快調、ぼつぼつふだんのわたしに戻そうと思う。
やるべきことが溜まっている。


ことの始まりは、27日大急ぎで岡山に墓参に行き
慌しく帰ってからのことではなかったか。
今回はどういうわけかひどく疲れており
帰宅してからパッタンキューと2時間ほど爆睡してしまった。
寝ても寝ても、寝足りないという感じである。
この「眠り」というのがわたしの場合、健康のバロメータになる。
「ああ、疲れているなぁ」と実感する。


座っていても身体がだるく、横になると気持ちがいい。
そしていつの間にかウトウト、ウトウト・・・。
気がつけば眠ってばかりいる。
まぶたを閉じると目頭が熱い。
測っていないが熱があるようだ。
立つとフラフラする。
からだの節々も痛い。
なんだか急に重病人になったような気持ちである。


同じ敷地内に内科の診療所があり
空いているし診てもらってもいいのだけど
ふだんから医者にいくことをよしとしない。
特に風邪などは特効薬はないし安静と休養に限る。


一人暮らしはこんなとき気楽でもある。
じぃ〜っと好きなだけ寝ておれる。
時どき水分補給に日本茶やレモンティでのどを潤す。
おかゆを炊き、梅干と白菜の漬物と塩昆布で食を充たす。
とにかく寝ることだと思い、昨日など部屋から一歩も出ず
ひたすら寝ることに専念した。


そしてまたよく眠るのである。
その甲斐あってか、今日は熱も引き、からだが軽くなった。
食欲も出てきた。
のどの痛みもいつの間にか、完全ではないがなくなっている。


自分は元気だ!と思っていても病気はいつ忍び寄って来るかわからない。
極度の疲労やストレスが引き金になることが多い。
そのストレスになるようなことが、いまのわたしにはないはずなのに・・・。


もしあるとすれば、少なからず震災の影響か。
そういえば5階に住む知人も震災のあとから
気持ちが鬱々としている、と言っていた。
同じ日本のなかであのようなことに遭遇し、一瞬にして
家と家族と仕事を奪われたひとの気持ちを考えると
その衝撃たるやどう受け止めていいのかわからない。


なるべくテレビの映像は見ないようにしているが
新聞で詳細に記される記事には、涙なくしては読めないものが多い。
先日も2歳と3歳ぐらいの女児を残し、犠牲になった若い母親の記事を
目にし、わがやの孫潤平たちと重ねてみてしまう自分があり
胸が塞がる思いがするのである。
「亡くなられた方」の欄の年齢を見ても涙してしまう。
ゼロ歳から高齢者まで、一人ひとりの「これから」があったはずだろうし
また、その瞬間どんなに怖かっただろうと
想像してしまうのである。


わたしは、人一倍「感情移入」するタイプなのかもしれない。
それらのひとつ一つの記事が深く心に残り、積み重なっていく。
思いはあってもどうすることもできないジレンマ。
震災は有形無形の爪あとを皆のこころに落としていく。


そうしたなかでの小さな風邪の発症も、気がつかないところで、
何らかの関わりがあるような気がしている。
精神はもうちょっと強靭であったと思うのだが・・・。



白い沈丁花を一枝いただきました。
その香りをいっぱい吸い込みながら描いてみました。