中国人がよく言う言葉にジアダがある。「偽物だ」の意味だが、物ばかりではなくて人間にも使う。友人の朱冥に通県まで会いにいった時の帰り、タクシーを拾ったのだがこれが「偽物」だった。朱冥もしきりに「ジアダ」を繰り返していたのだが、乗ってしまった。乗るとすぐにタクシーのランプを車の屋根から取り外した。覆面パトカーの逆だ。騙されたのだけど、なんか楽しかった。
中国は偽物の宝庫でドラえもんやアメリカネズミ、アメリカアヒル、放映されたばかりのドラマや映画のDVD、アイフォンに至るまで何でもアリ。好きだったのは中国ファーストフード「永和大王」のおじさん。ケンタのカーネルサンダース様のような中国オヤジなんだけど、それが情けなくて大好きだったのだが、マークが変わって最近あまり見かけない。livedoor PICS
前にも書いたが近頃はこの偽物文化を「山塞文化」と呼ぶ。山の砦でせっせと偽物をつくる。ブランド品なんか安価で買える。これは庶民の味方ではないか。私はほのぼのとする偽物を愛でるのが好きなので、無くなってほしくはない。
それにしてもなぜこうもニセモノばかりなのか。一つは市場経済に突入して、中国人がオリジナリティなど重視せず、刹那的な儲けに走って、ハイになっているからだろうが、重要な事がもう一つ。それは金儲けに走る中国共産党こそが最大の偽物として君臨しているから、皆その真似をしているだけということだ。どこが共産党なんだかさっぱり分からない。独占大資本主義国家ではないか。
田中淳『中国ニセモノ観光案内』参照おもしろい。
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昨日は仕事で大学。