日記(正月の行状)

ボリュームを落としながら、でも映画は観る。

映画

  • リアル・スティール
    • おさえめな演出で大人も泣かせるところがよかった(ジムのおやっさんが話の中でしか出て来ないところ、その不在のおやじを軸に主人公とヒロインが絆を確かめ合うところとか)。バディ・ムービーとしても親子映画としてもいいクオリティ。ラストのそれはルール違反とかになるのでは? というツッコミはなしで。ボクシング映画の持っている情念みたいな部分をうまい具合に裁ち落としてるな、と思った。
    • ヒュー・ジャックマンの芝居も子役の子も、「いかにも」の連発なんだけど、よかった。マイク・パフォーマンスが最高。冷静に考えると、ここまでこの子が賢い必然性は映画の中には何もないのだけど「こういうの好きっしょ?」と言われると、「は、はい……」と言うしか。
    • もうあんまり話覚えてない……。見た直後は「80点!」って言うのだけど、「どんな映画だった?」って言われると「さぁ……」っていう感じの映画。トロンレガシー枠。
  • ラビット・ホール
    • 並行宇宙の話と「子供が死んでいない世界」とを絡めるのはどってことないが、さらに「これからどう生きるか」という未来もその一つとして理解しようとしているようなところが面白かった。
    • ニコール・キッドマンが加害者の少年のキラキラ輝く光景を見て泣き崩れるシーンは、そういう意味だと理解(嫉妬や憎しみではない)。「確かに、どんな世界も存在しうると頭では理解したけれど、だからって、私が想像してもなかったものを目の前で見せられるなんて……」全ての可能性を想像するとはそういうことなのだ。
    • 子供の死んでいない並行宇宙を思うことと、まだ実現していない未来を思うことが同じだから、あのエンディングになる。
    • しかし、夫(アーロン・エッカート)のほうのよろめきはちょっと本筋から外れてやしないか。

DVD

  • 「チェイサー」
    • 90分くらいまではすごくよかったけど、だんだん尻すぼみに。最後の犯行には弛緩した空気さえ漂う。私が観たことのある韓国映画は、どれもとにかく警察が杜撰で、簡単に逮捕されたり釈放されたりしてテンポがいいのはいいけど、そのせいで、中盤が盛り上がってしまって最後まで話を引っ張れなくなってる感じがする。「悪魔を見た」でもそうだった。「警察は叩いてよし」なのか、それとも、韓国のこの手の映画に、理論化されたメソッドがあるのだろうか。
  • (ハル)
    • これは映画っていうか映画じゃないっていうか……。NTTのイメージCMみたいなものをずっと見せられてるような。ハンカチを振って終わるかと思いきや……その後の30分はさすがに話があった。
    • 映画と字幕(文字)の問題は字幕つきの洋ゲーやれば体感できる。英語ベラベラ喋ってる字幕が下に小さい文字で出て、さらに同時に左上に「RBで物陰に隠れる。もう一度RBを押すことで解除する。」みたいなチュートリアルが出てくる序盤は日本人殺し。
    • この映画はどちらかというとノベルゲームみたいな感触に近いかも。
    • しかしここで描かれているパソコン通信の「現実の世界と文字の世界が分離していて、相手のつく嘘や何やについて勘ぐったり拗ねたりする」なんて、今から見るとずいぶん雅なことをやっていたものだと思う。もうそこには帰れない懐かしさを感じる。
    • 深津絵里をストーカーよろしくつけまわす男性が「君がパソコン通信やってるって知ったんだ。こっちでもつながっていこう」ってキモいメールをしてくるのだけれども、これ、今で言えば、facebookの友達申請とかわりない。鈍感になってしまったものだ。

読書

散漫。

ビデオゲーム

  • RDR
    • ゼルダ」「ワンダと巨像」で自分が好きなものの6割くらいが130%クオリティで実装されているので、これで特に文句はないです。
    • お尋ね者は一人になると逃げはじめるので、捕縛はまずそのへんにいる馬を殺してから……高台から遠距離で雑魚を二、三人始末したあとで接近して……威力の弱いリボルバーで足を撃って動けなくして……なんて、ゲーム内の経験から考えさせる余白のデザインが素晴らしい。