青森あこがれの青森けっこう前に
今年の夏、もうずうっと念願だった憧れの地、青森をぐるりレンタカー気ままな一人旅をしてきた。その写真を懐かしく眺めていたんである。特別な写真ばっかりだ。
私にとって、昔から東北の地にはとても謎めいた魅力があって、その中でも特に青森は特別だった。神秘的で謎めいていて、独特なアニミズムを感じるというか、都会的な街中でしか育ってこなかった私にとって、まるで対極にある秘密めいた土地だった。
それで結局あこがれ続けた青森は、思い描いていた以上だった。
朝から晩まで丸4日・走行距離1000キロ弱。誰にも気を使わない、贅沢な私と青森の4日間。好きなだけ進んで好きに食事して見つけた温泉に入って、適当な時間に寝る場所を見つけて宿泊。もう2度と来れなくてもいい様に、行きたいところは無理をしてでも全て寄った。
10代の私も連れて行ってやろうと思い、太宰の『津軽』と寺山修二の『田園に死す』を持っていったけれど、読む暇はなかった。
「ね、なぜ旅に出るの」「苦しいからさ」 この陶酔感に胸を掴まれていたのを思い出したかったんだ。
「死ぬ日よりさかさに時をきざみつつ つひに今にはいたらぬ時計」 胸がじんじんしてた時の感じを思い出したかったんだ。
青森。あんた私のスペシャルなんだぜ。私にとっての特別なので、他人が同じように魅力を感じるわけでもないのでもったいなくって語りつくせないし言い尽くせないから、旅の詳細は書かない。
来年は時間が取れたら、『遠野物語』と『銀河鉄道の夜』を持って岩手に行きたい。柳田邦夫、好きだわあ。私に東北の神秘と残酷さを教えてくださった先生だ。
そんなこと言いながら、東北に行ける時間と余裕があったら青森に行ってしまうんだろうか。
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