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2012-11-30 『恋のロンドン狂騒曲』

明日(12月1日)公開の、ウディ・アレン監督『恋のロンドン狂騒曲』(You Will Meet a Tall Dark Stranger)の試写会に、先日行ってきました。(映画の公式サイトはこちら。)

熟年夫婦(ジェマ・ジョーンズとアンソニー・ホプキンズ)の離婚から物語は始まります。夫が突然、若返り願望を持ち、妻を去るのです。妻は、失意のなかで、占い師に頼るようになります。また、娘(ナオミ・ワッツ)の家に入り浸るようにも。

映画は、この占い師に頼る捨てられた妻(ジェマ・ジョーンズ)のエピソードから始まるわけです。彼女が、ミドルクラス〜アッパーミドルクラスに所属するきちんとしたrespectable女性であることは、その英語からわかるのです。なんといっても、1人称に近いかたちで総称代名詞oneを使ったりするくらいですから。one becomes . . .

ちなみにジェマ・ジョーンズは、ブリジット・ジョーンズでブリジットのお母さんをやっていた女優さんですね。あのときよりも若干社会階層上、というかんじの役どころです。

あやしげな占い師は、顧客のことをdarlingだの、dear sweethartだの、とにかく言葉の上で親密にふるまって、信頼させてお金を巻き上げようというのが見え見え。。。

一方、アンソニー・ホプキンズが再婚することになる女性は、自称女優でも実は娼婦。あきらかに、「階層が違う」ことは、ファッションのみならず、英語にも表れています。daughterが、どーああ、というかんじで、声門閉鎖音で発音されていたり。彼女の名前であるシャーメインが、シャーマインと発音されていたり。(エイが、アイとなるのは、コックニーの典型的な音)。あと、同じくAIDSをアイズといったり。(ちなみに、ナオミ・ワッツは、このシャーメインを、チャオメイン(=焼きそば)みたいね、とかいって小ばかにしています。(字幕はチャーハンみたい、なんですが)。そのほかにもbabyがバイビーだったり、not hereがノットイア(hがおちる)だったり。

そのほか英語で気が付いたこと。

ナオミ・ワッツが恋焦がれる色男上司、バンデラスは、スペイン訛の英語を話しています。そこがまた、コスモポリタンというか、グローバルな成功者のニュアンスがあるんでしょうね。interestingはreにアクセントがあったり。heard がヒアドだったり。イギリス、アメリカ英語とは異なる発音です。

ナオミの夫ジョシュ・ブローリンが興味を示す隣人、フリーダ・ピントは、ムンバイ生まれですが、英語は特にインド訛はありません。ただ、彼女の両親(移民一世として成功していることが大きな家からうかがわれる)は、インド英語的音声特徴(リズム面)のある英語を話しています。

あと、ナオミ・ワッツのラスト近くでの、母親に向けて投げつけるあれやこれやの暴言(imbecileを何度も!)あれはすごかったですね。いやいや。それまでの、とりすました、言い控えとの対比がすごくて、さすがウディ・アレン!!と思いました。いや、ほんとに。

ETCマンツーマン英会話ETCマンツーマン英会話 2013/08/21 18:57 声門閉鎖音を調べていてこちらに辿りつきました。英語訛りの話題が大好きです。アンソニー・ホプキンズは実際はウェールズの出身ですね。英語の訛りを小ばかにするところなど、英国文化を垣間見るようで興味深いです。『恋のロンドン狂騒曲』是非見てみます。ご紹介に感謝です。

myama-kpumyama-kpu 2013/08/28 21:15 コメントありがとうございます!
ブログ、glottal stopの項、拝読しました。
声門閉鎖音glottal stopは、イギリスでは一般のひとにもっともよく知られている音声学用語だそうです(ロンドン大学ウェルズ名誉教授談)>それくらい、新聞などメディアの話題になる、ということですが、たしかに、ふつうに日常会話で出しても、え?ってかんじでしょうね。
日本語の「ら抜き」みたいなかんじでしょうか(流通頻度)。