「あずきちゃん」第33話 編み物作画に驚く

♪ 晴れた日も雨の日も幸せだったら 天気予報はいらないね

というわけで、かおるちゃんに天気予報はいらないようです。いや、わざと雨の予報の日に傘を持たずに、ケンちゃんの家の近くで雨宿りしているのかもしれませんが…。
この第33話は、原作コミック第2巻に収録されている「番外編 かおるちゃん」を基にしています。ちなみにこの「番外編」は「なかよし」ではなく「るんるん」1994年3月号に掲載とのことです。
原作はかおるちゃんの回想やモノローグの多い、本編と異なる独特な雰囲気を持っていますが、アニメも原作の印象をそのまま出すように考えられていると思います。特に、回想やモノローグのセリフはほとんど原作そのままで、ゆっくりしたテンポを保っているので、ちょっと雪室さんの作風とは違う印象すらあります。
アバンタイトルも、通常は前話の復習なのに、この話だけは前話と関係ないクリスマスプレゼントの話になっています。
冒頭、かおるちゃんがあずきに一時マフラーを預けるということと、ケンちゃんは誕生日が近いという設定が、原作にはないオリジナルになっています。また、ヨーコちゃんの英会話は原作通りですが、カセットテープを勇之助に渡す部分もオリジナルです。この話ではケンちゃんの誕生日は12月のような感じ(正確に何月何日かは出てこない)ですが、「女の子おうえんブック」では10月28日(さそり座)となっていて微妙に矛盾を感じます。


そしてもう一つ変更があるといえば、マフラーを編むシーンがあずきに置き換えられていることで、まるで並行宇宙のようです。
編み物のアップシーンは、編み針や毛糸の編み目までちゃんとアニメーションされていて、最初に見たときかなり驚きました。静止画ならともかく、これで動かしているんですから。実物を見ながらでないと作れないアニメーションだと思いますが、今ではあの考証マニア・片渕さんの絵コンテと聞いて納得してしまいます。

片渕さんは相変わらず足のカットが多いです。そして作監は君塚さんで、なぜかあずきちゃん西岸良平キャラのモノマネをしています。

第1話の「あずき色なの」「普通の白です」のシーンが回想されているところで、動画は再利用ですが、声は再録されているように思います。ケンちゃんの母親は初登場ですが、この後二度と出てこなかったような。
細かい話は抜きにして、あとはかおるちゃん画像集でもお楽しみください。



【おまけ】最近、編み物作画で話題になったと言えば「となりの関くん」でしょうか。ようやく時代が「あずき」に追いついた?(↓『となりの関くん』編み物回を考察する:リンクがうまく機能しないようです)
http://ch.nicovideo.jp/betibettin/blomaga/ar475164