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日々のつれづれ、良かった探し

2018-02-04 [R]はてなブログに引っ越します このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

数年ぶりにブログを開きました

はてなダイヤリーからはてなブログに引っ越すことにしました

で、
引っ越し前の荷物整理みたいに昔の日記を読み直したりしてます
頑張って、もがいて、苦しんで、そんな自分がいて、タイムカプセルみたい
最近はもう少し自由になれたかも

統計素人の私がRと出会って、苦労してきて、もういいかなと思って
まとめるために始めたはてなダイヤリーでした

最近はPythonを勉強してます
はてなブログではPythonのこととか書きたいと思ってます

2013-08-04

乳がんサブタイプと術後補助化学療法

乳がんは手術、薬物療法、放射線療法、たくさんの治療選択肢がある
エコー、CT、MRI、マンモグラフィー、たくさんの診断法がある

日本では定期検診も盛んで、早期発見ができる環境にある
だから、予後の良い方もたくさんいらっしゃる
早期発見ができること、それが生存率に反映する
乳がんはそれが実現可能な癌なんだと思う
http://www.tbs.co.jp/pink-ribbon/img/data/data_graph_04.gif
(TBSリボンプロジェクトから)

で、乳がん学会があった
今年も未来を感じさせる発表がたくさんあった
その中で、興味深い発表があった

乳癌の早期発見と手術

乳がんは4つのタイプに分かれます
世界の乳がん治療はその分類に従って実施されています
早期発見であれば、薬物療法が摘要になりますが、より強い薬効が期待できます

これは

  • ホルモン受容体の状態
  • HER2の状態
  • 増殖のスピード(Ki-67など)

の状態(乳がん細胞に発現しているかどうか)を指標にする分類です
http://nyugan.info/tt/qa/images/qa4_17_03.jpg
(乳癌診療TIPS&TRAPSから)

Luminal Aにもサブタイプ

Luminal Aはホルモンレセプター陽性乳がんで、患者数が一番多いサブクラスです
そのため、たくさんの治療方針があります

そういった中、Luminal A乳がんに対する治療効果で、更に細分化することのメリットが報告されました

Luminal A乳癌に対する術後補助化学療法は、核グレード、リンパ節転移状況、病理学的腫瘍径を用いて細分化し、再発リスクに応じて化学療法の追加を検討することが有効である可能性が示された。
東邦大学医療センター佐倉病院外科学講座乳腺外科准教授の朴英進氏が明らかにした。

Luminal A乳癌の術後補助療法はホルモン療法が主力となっているが、再発リスクが高い症例に対しては化学療法の追加を検討する必要がある。
しかし、どのような症例に化学療法の追加が必要かは明確になっていない。

そこで朴氏は、Luminal A乳癌をさらに細分化し、術後補助療法の個別化を試みた。
(中略)
Luminal A乳癌の術後5年成績においてLuminal A2、A3乳癌の累積健存率が不良であったこと、晩期再発も考慮してLuminal A乳癌は5年以降も観察を続けるべきと指摘し、とくにLuminal A2乳癌の治療戦略にさらなる検討が必要であると述べた。

Luminal A乳癌に対する術後補助化学療法は、核グレード、リンパ節転移状況、病理学的腫瘍径を用いて細分化し、再発リスクに応じて化学療法を追加すべき

ここでは、Luminal Aを更に3つのサブタイプに分類しています

  • Luminal A1 … ER陽性かつ/またはPgR陽性、HER2陰性で、核グレード1かつリンパ節転移個数0個かつ病理学的腫瘍径2cm以下のすべてに合致するもの
  • Luminal A2 … ER陽性かつ/またはPgR陽性、HER2陰性で、核グレード2またはリンパ節転移個数1〜3個または病理学的腫瘍径2.1〜5cmのうち1つ以上合致するもの
  • Luminal A3 … ER陽性かつ/またはPgR陽性、HER2陰性で、核グレード3またはリンパ節転移個数4個以上または病理学的腫瘍径5cm以上のうち1つ以上合致するもの

表にするとこんな感じ

サブタイプER/PgRHER2追加条件核グレードリンパ節転移個数病理的腫瘍径
Luminal A1陽性陰性右の全てが合致10個2cm以下
Luminal A2陽性陰性右の1つ以上が合致21~3個2.1〜5cm
Luminal A3陽性陰性右の1つ以上が合致34個以上5cm以上

つまり、A1が悪性度が一番低く、A3が高いという分類でしょうか?

治療成績

で、悪性度に応じて治療法を変えています

サブタイプ治療法期間
Luminal A1ホルモン療法(LH-RHアナログ、タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬)5年間
Luminal A2ホルモン療法(LH-RHアナログ、タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬)+UFT療法5年間
Luminal A3EC療法(エピルビシン+シクロホスファミド)+タキサン系抗癌剤逐次療法→ホルモン療法(LH-RHアナログ、タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬)6カ月→4.5年間

Luminal A乳がんに一般的に適用させるホルモン療法に追加の化学療法を追加しているということだと思います

で、その治療成績ですが

サブタイプ治療成績累積生存率総症例数再発例死亡例
Luminal A198.2%98.2%5701
Luminal A284.7%88.1%5631
Luminal A342.9%96.7%34111

というものでした

つまり、悪性度に応じて、術後化学療法を強くすることで、良い治療効果が得られる
言い換えると、悪性度の低いLuminal A患者には通常のホルモン療法で十分な治療効果が得られる
ということだと思います

化学療法は治療効果と有害事象の裏表です
強い化学療法は治療効果も大きいですが、有害事象も増えて、患者様にとって辛い負担を強いることになります

少しでも少ない種類の薬で、より大きな治療効果が得られる
それは患者さまにとって、良いことだと思います

2013-08-02

大人の宿題は結構大変

今週のお題「宿題」
夏休みが始まったからのお題なんだろうな〜
って思いますが、宿題って子供だけのものじゃないんだよね

大人になってからの宿題の方が大変です

学生時代の宿題ってのは、決まった枠があって、枠の中でこなせば終わりが見える
枠の中で完璧なら100点っていう、上限のポイントがもらえる

でも、大人になって宿題は変わった
まず、枠ってのが無い
自分で枠を決めなくちゃならない

そして、枠の中で課題設定をして、対策を講じて、解法も見つけなくちゃいけない
解決したら、新しい課題が出てきて、また解決して、また課題が出てきて…
終わらない…終わらない…

でも、その枠が全体最適に貢献しないなら、その宿題はやったことすら否定される
ちゃんとこなせば良いってものじゃないんだよなぁ

子供がここのところ、夏休みの宿題でヒーヒー言っている

それを見る度に、そんなこと思ってる
思いながら、子供と一緒に夏休みの宿題をしている

でもね
子供も大人も、宿題について共通するのは
「諦めたら、そこで終わり」
ってこと

それは、いくつになっても変わらない

がむしゃらになるしかないときってある

2013-08-01

KRAS変異と大腸がん・その3

セツキシマブ、パニツムマブの投与にはKRASの遺伝子変異検出が必須になっているという話は前に何度か書きました
[:title=こちら]と[:title=こちら]

で、ニュースを見ていると、新しい遺伝子変異の話がでてきた

パニツムマブとFOLFOX4併用療法

第15回World Congress on Gastrointestinal Cancerでの報告では、パニツムマブとFOLFOX4併用療法の併用両方でKRASの変異で新しい知見が得られた

転移を有する大腸癌の初回治療として、パニツムマブとFOLFOX4の併用療法とFOLFOX4単独療法を比較したフェーズ3試験PRIMEの後方視的解析で、RAS遺伝子が野生型の患者で、パニツムマブとFOLFOX4併用療法の全生存期間(OS)の有意な延長が認められることが明らかとなった。
またKRAS遺伝子のエクソン2だけでなくRAS遺伝子に変異があることは、パニツムマブの効果が低いバイオマーカーであることも明らかとなった。

大腸癌の初回治療としてのパニツムマブとFOLFOX4併用療法はRASが全て野生型の患者でOS延長、RASに変異がある患者では注意が必要

つまり、

  • これまで、パニツムマブの薬効で知られていた変異はKRAS遺伝子のexon2の部分
  • 今回、KRASの他の部分の配列がFOLFOX4との併用療法の効果に関与している

ということです

FOLFOX4療法

FOLFOX療法というのは複数の抗がん剤を組み合わせた治療法です

  • FOL…Folinic acid(フォリン酸)
  • F…Fluorouracil(フルオロウラシル)
  • OX…Oxaliplatin(オキサリプラチン)

という意味です

FOLFOX療法には複数のレジメンがあり、FOLFOX4はLV(ロイコボリン)と5-FU(フルオロウラシル)にL-OHP(オキサリプラチン)を併用したものになります
http://www.gi-cancer.net/gi/regimen/regimen_i/06.gif
(GIcancer-netから)

KRAS exon2以外の変異

この臨床試験はPRIME試験と呼ばれる、国際的多施設共同ランダム化フェーズ3試験
未治療転移性大腸癌患者を対象に、パニツムマブとFOLFOXの併用とFOLFOX単独を比較
遺伝子変異が全生存期間 (OS)と無増悪生存期間(PFS)に与える影響をみている

遺伝子変異は、KRASに加えて、同じRAS遺伝子群になるNRAS、そしてBRAFを検索しています

  • KRAS exon 3とexon 4
  • NRAS exon 2と exon 3、exon 4
  • BRAF exon 15

この結果が、新しい遺伝子診断の種になるのかどうか、継続して見て行きたいです

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