学術書の英語翻訳のお誘い

学術書の英語翻訳のお誘い



2011年度から、ひつじ書房は、ご自身の著書を翻訳して、英文で出版することを提案します。


日本の学術活動は、国際的に遜色があるわけではないけれども、なかなか日本国外ではその研究が知られないということがあります。いわゆる理系の研究は、そうではないと思いますが、文系の研究、人文科学、社会科学の研究には日本語で研究が発表されるために、海外で知られにくいということがあります。社会科学については、杉本先生が創業されたトランスパシフィックプレス社(http://www.transpacificpress.com/public/home.ehtml)が、活発に学術翻訳出版活動を行っていますが、人文系の研究はそのような活動を行っている出版社は、ないのではないでしょうか。人文科学の中でも、日本語学、日本文学研究をコアとして活動を行いたいと思います。民俗学歴史学も力を入れたい分野です。

現状では、翻訳の仕事の流れから、できあがった後の販売網の仕組みまで、さまざまな要素を構築していかなければなりません。英文校閲ということを理解するために、数年前から、Butcher's Copy-editing
by Butcher Cambrdge University Press (http://www.cambridge.org/us/knowledge/isbn/item1172483/?site_locale=en_US)やOxford Style Manual by Robert Ritter (http://ukcatalogue.oup.com/product/9780198605645.do) の勉強を続けてきています。

日本学術振興会研究成果公開促進費の翻訳出版の助成か日文研日文研翻訳出版協力プロジェクトの助成をつかって、刊行したいと考えます。提案を受けて下さる方は、知人の研究者の方で英訳するという方を見つけて下さい。研究を理解できる方ではないと翻訳できないと思います。助成は、翻訳と校閲について助成されます。加えて、刊行の助成も申請します。英文翻訳ができる見通しがたった段階で、助成の申請を行います。ある程度、試しに翻訳を行うことが必要と思いますが、助成の交付を受けることがかなわなかった場合の翻訳・校閲についての経費はご本人の負担です。日文研の翻訳助成の場合は、校閲者は日文研が選ぶということです。

ひつじ書房は、海外の書店を通して販売を行います。現在、アメリカのFujisan.comと紀伊國屋書店サンフランシスコ店、オーストラリアのIntext社、フランスのジュンク堂パリ店などから、購入できるように交渉を進めています。また、言語学ではアメリ言語学会に出展し、書籍を販売しています。言語学の主要な学会には参加することにしています。2012年以降は、アメリカアジア学会にも出展します。


●参考

日文研翻訳出版協力プロジェクト 第5回募集要項
Nichibunken Project for Translation of Basic Books in Japanese Culture

日本文化の理解を助けるために、日本語による文献(古典および近代の古典、改訳を含む)を諸外国語で翻訳し、 学術出版していただく活動に協力します。毎年3月末に締め切り、2件程度採択します。
「日本研究のための基礎文献」を諸外国語で翻訳し、解説(その文献の意義、内外の評価史など)を付したもの。 翻訳料(翻訳するための協力謝金)と校閲料(校閲者は日文研が選定)を提供(日文研標準)します。
企画書(日本語で記述すること)には、次の内容を明記してください。
なぜ、その文献の翻訳出版が必要なのか、なぜ、協力を受ける必要があるのか、それぞれの理由の説明。 新編のアンソロジーの類は、そのコンテンツ。
翻訳・解説の予定ページ数(翻訳後の予定ページ数[A4判用紙にごく一般的な文字数と行数で換算])、および原稿完成予定時期。
自国(言語圏)内出版にあたり、出版社との交渉経過や、著作権者との交渉の進捗状況も必ず記すこと。
申請者(翻訳者)の翻訳実績、研究実績、略歴。
共訳者がある場合、翻訳者と解説者が別の場合は、それぞれの実績を添えること。
審査基準(以下は審査対象外とします)
申請者の研究論文を主体とするものなど、企画趣旨に反するもの。
すでに翻訳書があり、改訳の理由に説得力がないもの。
企画規模が大きすぎるもの。シリーズ企画は一冊ないしは数冊ごとに申請してください。
日文研専任教員の著作。
審査委員(予定)
王中忱 (清華大)、W. シャモニ (ハイデルブルグ大)、P. A. ジョージ (インド:ジャワハルラルネルー大)、I. スラジャヤ (インドネシア大)、 C. イノウエ (米国:タフツ大)、A. ファトヒ (カイロ大)、M. マルティネス (コロンビア:ロスアンデス大)、 A. メシェリヤコフ (ロシア国立人文学大)、李漢燮 (高麗大)、J. キブルツ (フランス国立科学研究センター)
2011年3月末までに、国際日本文化研究センター 出版編集室宛に、 日文研翻訳出版協力プロジェクト申請と明記し、郵送またはEメールでお送りください。
企画書提出後の連絡のため、Eメールアドレスを記入してください。

国際日本文化研究センター 資料課 出版編集室
〒610-1192 京都市西京区御陵大枝山町3−2