風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

活性酸素と放射能とニキビ、そしておできの出来た鳥


● 活性酸素について 東西メディカル研究所

シスチンについてしつこく調べていて、活性酸素に行き当たった。それで、上記のようなサイトを見つけた。
活性酸素というと、近頃流行りのアンチエイジングにとっては最大の敵のように言われ、世間ではアンチエイジングのために抗酸化力の高い食品がもてはやされている。
けれど、白血球が細菌やウイルスに対して働く際、活性酸素を放出して攻撃するのである。つまり細菌やウイルスに侵入された体内では、これらを攻撃するために活性酸素が多く放出されていると考えられる。
この免疫反応が暴走した病気として3型アレルギーがあげられる。

抗原と抗体が結びついた抗原抗体複合物(免疫複合体)により活性化した補体は、好中球を局所に集める。その好中球が免疫複合体を貪食する際に放出するタンパク分解酵素活性酸素が組織を傷害する。また、…。血清病、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、各種の糸球体腎炎などが代表的。(山口和克=監修『新版 病気の地図帳』(講談社)より)

『病気の地図帳』のこの記述を読んでいて、『元素周期表で世界はすべて読み解ける』の中の次の二つの記述を思い浮かべた。

 ラジウムが出てきた時点で、なんだか物騒な話になってきたなと思われたかもしれませんね。追い打ちをかけるようにいわせていただくと、ラドン自体も放射性物質です。つまり、ラドン温泉というのはまさに「放射能風呂」なのです。
 これだけ聞くと、誰もラドン温泉に入りたくないと思うでしょうが、ラドン温泉につかることによって関節リウマチや神経痛が改善するという研究報告があるのも事実です。昔から、線量が少なく一時的であれば多少の放射線はむしろ健康に望ましいという学説があり、これは「放射線ホルミシス」と呼ばれています。
(中略)
 ただし、厄介者のセシウム137も、医療の世界では以前から広く利用されています。手術などで用いる輸血用の血液は、使用する前にセシウム137によって放射線が当てられています。輸血をするとき、血液型が同じでも白血球の型は違うため、輸血した血液に含まれる白血球が輸血された人の細胞を攻撃しようとします。そうならないように、放射線を当てて白血球を不活性化しておくのです。…。
 また、セシウム137はがんの治療にも用いられています。喉にがんができた場合、手術で取り除くと声を失ってしまいます。そこで、小さながんであれば、放射性物質をがんに埋め込んでがん細胞を放射線でやっつける治療法が実用化されています。セシウム137は半減期が長いので、こうした治療に向いているのです。発がんの原因になるとして恐れられているセシウム137ですが、がんの治療にも用いられているというのは、少し皮肉ですね。
 セシウムが医療で用いられているといっても、それはセシウム137の放射能が利用されているだけです。ただし、放射能を持たない普通のセシウム133であっても、元素自体が人体に毒性を持っています。(吉田たかよし=著『元素周期表で世界はすべて読み解ける』(光文社新書)より)

ラドン温泉に入って関節リウマチが改善するというのは、放射能によって活性酸素の関節への攻撃が抑えられるということだと考えられる。また、輸血用の血液に放射線を当てて白血球を不活性化させるというのも、まさに、白血球が活性酸素を放出して人の細胞を攻撃することが出来ないようにするということだろう。
これらから見ると、放射線活性酸素の攻撃から細胞を守っていると言える。しかし、冒頭にリンクしたサイトの最後には、微量の放射線活性酸素を消去する働きがあることが報告されているということと共に、放射線活性酸素を過剰に発生させるということが記されている。
そもそも、アンチエイジングの敵である活性酸素を多量に発生させるものの中に紫外線なども含まれているが、紫外線の中には放射線も含まれている。陽に当てて殺菌するというのも、紫外線(放射線)に当てて活性酸素を発生させて殺菌するということのようだ。

細菌、ウイルス、活性酸素、抗酸化作用をもつもの、放射線などが体内の中で引き合い、押し合いして作用し合いながら心身を形作っていると言える。その作用のバランスが崩れ、どちらかに傾いたところで病気が生じてくるということだと思われる。

色々調べていて、偶々別のことで手に取ったアロマテラピー用語辞典』活性酸素についての記載があったので、引用しておく。

体内で酸素が化学的に活性化したもので、非常に高い反応性と、強い酸化力を持つ。フリーラジカルの一種。好気性生物は、呼吸によって酸素を消費する際に活性酸素を発生させており、生体内で白血球の殺菌作用など多くの生理現象に関与している。通常は酵素による無毒化を受けるが、紫外線やタバコ、ストレスなどのさまざまな要因により、活性酸素が過剰に生じると、細胞にダメージを与え、体内の脂質を酸化させて過酸化脂質を産生させる。老化や病気の引き金になるといわれている。(『アロマテラピー用語辞典』(社団法人日本アロマ環境協会より2008年に発行)より引用)

さて、この活性酸素がニキビとどう関わってくるのだろうか。
「アトピーとの闘い'14−16」では、ニキビは、「アクネ桿菌によって脂腺の中で増殖した皮脂が酸素にふれて過酸化脂質へと変化したものである」と書いたのであるが、これは、「アクネ桿菌によって活性酸素が過剰に発生し、その活性酸素によって皮脂が過酸化脂質へと変化したもの」とする方がより正確であるように思う。
おできや吹き出物といわれるものも皮脂が過酸化脂質へと変化したものといえると思う。
環境中に活性酸素を発生させるものが増えると、その影響を受けて、体は過酸化脂質としてのニキビや吹き出物、おできを生じさせるのではないだろうか。

「生命に何が起きているのか〜阿武隈山地・科学者たちの挑戦〜」

この動画は、「何かが起きているのか、何も起きてはいないのか、科学者達は僅かな確率の差を捉えようとしています」というナレーションが入ったりして、さすがはNHK、上手く煙に巻こうとしているとも思えなくないのだが、中身を見ると様々な情報が提供されているので活用しない手はない。

原発事故から5か月後の赤宇木(福島県浪江町の森で、野鳥の研究者がお尻におできの出来ているウグイスを捕獲した、と伝えている。継続して調査する中で、ウグイスが原虫や線虫などの寄生虫に感染しているということが採血によって解ったという。おできがあるウグイスも感染していたようだ。
また、別の科学者が飯舘村の溜め池の鯉の調査をした結果、寄生虫の駆除に関係する好塩基球では筋肉中のセシウムが多いほど減っている、ということが解ったという。
これらの情報を繋げていくと、環境中の放射線量が高くなりそれらを体内に取り込むと白血球が放射線に対抗することに使われてしまうため、寄生虫への防御が追いつかなくなるということが一つ言えるように思う。もう一つは、環境中の放射線量が高くなりそれらを体内に取り込むことで、体内で活性酸素が過剰発生し、過酸化脂質としてのおできなどが出来やすくなるということも言えると思う。
また、放射能汚染のない通常の状況でのカリウムの好塩基球への作用を調べてみる必要があるように思われる。

寄生虫への感染がなくなって以来アレルギー患者が増えたということはずっと言われていることである。好塩基球は白血球の中の顆粒球の一つで、ヒスタミンを放出して血管を拡張させるなどの働きをする。アトピー性皮膚炎など1型アレルギーとも関連している。また『目でみるからだのメカニズム』には、寄生虫に対して働くのが「好酸球」だと書かれているのも気になるところである。放射能汚染がアレルギーとどのように関連していくのかを考えることも、今後の私の課題となりそうだ。

この動画には情報も、また、問題点も様々に含まれているように思えるので、これから後も何度か取り上げて考えていきたいと思う。