「ロミオとロミオは永遠に」 恩田陸 

【あらすじ】
日本人だけが地球に居残り、膨大な化学物質や産業廃棄物の処理に従事する近未来。
それを指導するエリートへの近道は、「大東京学園」の卒業総代になることであった。
しかし、苛酷な入学試験レースをくぐりぬけたアキラとシゲルを待ち受けていたのは、
前世紀サブカルチャーの歪んだ遺物と、閉ざされた未来への絶望が支配するキャンパスだった。
やがて、学園からの脱走に命を燃やす「新宿」クラスと接触したアキラは、学園のさらなる秘密を目の当たりにする…。
ノスタルジーの作家・恩田陸が、郷愁と狂騒の20世紀に捧げるオマージュ。
【感想】
近未来の学園もの。恩田陸らしくない作品です。
いつものちょっと暗い幻想的な雰囲気ではないです。
主人公は学園で成り上がって行こうとするのですが、
そこで行われてる内容が本当にひどい。まさに命がけ。
狂ってるとしか思えない。
殺し合いではないんだけどバトルロワイヤルを思い出させる雰囲気。 
その中で全てをぶっ壊すために動き出していきます。
前半は物語の導入や世界設定のワクワク感で、
後半は物語が収束する盛り上がりで一気に読ませてくれます。
ただし中盤はちょっとだれる印象。テンポがちょっと悪くなった。
でも全体としてはすばらしく面白い。
パロディも多くて、ミッキーの設定なんてディズニーから抗議がこないか心配になるくらい。
というわけで全体的にいつもの恩田陸作品じゃありません。
でも青春の冒険ものとして面白いです。
恩田陸作品の一冊目としてはおすすめしませんが、
面白い一冊です。
是非どうぞ。
【おすすめ度】

ロミオとロミオは永遠に (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
ロミオとロミオは永遠に (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)恩田 陸

おすすめ平均5つ星のうち4.0
5つ星のうち2.0初めての恩田作品
5つ星のうち5.0サブカルチャー万歳
5つ星のうち3.0・・・・・・・
5つ星のうち4.020世紀への鎮魂歌
5つ星のうち5.0未来


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